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二胡教室「グループレッスン?個人レッスン?」

東京で二胡や中国音楽の合奏などを教えている音楽教室「創樂社」主宰の安西創(あんざいはじめ)です。今日は、二胡のグループレッスンと個人レッスンについて思うところを書きました。そもそもニーズが違うレッスン形態という前提がある訳ですし、あくまで経験上からの個人的な意見ですが、何かの参考になれば幸いです。

グループレッスンのメリットはなんと言っても「仲間がいる」事ではないでしょうか。参加したクラスでお友達ができたり、レッスンで分かりにくかったところを助け合ったりという心強さはまさにグループレッスンならではの楽しみだと思います。そして一般的にグループレッスンの方が割安に設定されている事を魅力と捉える人もいるでしょう。先生と差し向かいの雰囲気をプレッシャーに感じる人も、クラスメイトがいる事で心軽く参加できるかもしれません。

但し、グループレッスンでは同じレベルを想定してクラス分けをしてあったとしても、生徒さんの理解や進度に差が出るのが実情です。特に初心者のクラスでは過去の楽器経験の有無などによって、大きく差が開いてしまう事があるのもしばしば見受けられます。特に二胡は自分の耳と手で正しい音程を作らなければならない楽器なのに、手探りをしている人ばかりがいる環境に放り込まれると自分の音も良く聴こえず、何が正しいのかも分からないほどに周りの音にかき消されてしまう状況に置かれる事も珍しくありません。この状態では上達はなかなか難しく、却って回り道と言えるでしょう。これは「楽しく参加できればそれで良い」人には良いのですが、上達を目指している人にとっては初級グループレッスンのデメリットといえるかもしれません。

私も長年カルチャーセンターで講師をしましたが、グループレッスンだと上達が早い人には物足りなく、できない人には難しく感じられ、どちらにも満足してもらえる事はなかなか難しいと言う結論に至りました。貴重な時間とお金を使ってレッスンを受けるなら、自分の音に向き合ったり、知りたい事をじっくり解説してもらえる方が良いと思う人も多い事と思いますがいかがでしょうか。

個人レッスンは一人一人の理解度や進度に向き合ってもらえるのが魅力です。どこかで伸び悩んでしまう段階や、苦手でなかなか越えられない分野に直面した時も先生と2人でじっくり取り組む事ができます。特定の曲を自分のペースで仕上げる事もできるでしょう。レッスン時間は貴方だけのものですから、少々割高な事もあるでしょう。単純な比較は難しいかもしれませんが、マッサージやヒーリングスパなどはセラピストを「貸切」にして60分なり90分なりの施術コースで料金が決まっている事が多いです。音楽教室の先生方も、それまでの経験や会得した技術、知識を皆さんと共有する事でレッスン料を設定しています。個人レッスンは質疑応答なども含め、そのアドバイスを存分に受け取れるメリットがあると思います。

さてさて。そんな訳で、個人的に私のお勧めは「入門・初心者は個人レッスンで正しい音程と読譜力やテクニックを身に付ける。上達してからは、同じレベルの人を集めたグループレッスンを受講してみるのもアリ」です。

皆さんはどう思われますか?


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