マルチエフェクター
今回はエフェクター、中でもマルチエフェクターについてのお話です。
マルチエフェクターとは複数のエフェクト機能を1つの機材に実装したエフェクターでして、一台で色んなサウンドメイクが出来ます。
コレも様々な形態のモノが販売されてまして、コンパクトエフェクターサイズのミニマムなモノからペダルボードタイプ、ラックインタイプ、中にはエフェクト機能だけでなく、アンプシミュレーター、スピーカーシミュミレータ、マイキングシミュレート機能搭載のマルチプロセッサーや、実際のアンプの音をマイキングして分析しプロファイリングできるような優れモノも登場しております。
一台でいろいろな音が出せるわけですから
■コンパクトエフェクターを沢山繋ぐより少ないスペースで済む
■複数の機能を組み合わせるのが容易
■各種の設定や接続順などが複数通り記憶でき、それらが一瞬にして切り替えられる
などのメリットがあります。うーむ、なんて凄いヤツ!!!
ですが、その凄いヤツをちゃんと使いこなすのはなかなか大変だったりするのです。
調整する度に設定画面を呼び出したり、パラメーターが何ページにも分けられてあったり、コンパクトエフェクターのように即座に設定を変更するのが難しいというか、わかりにくいというか、とりわけ小面倒くさいものが多い印象です。PCやタブレットを使って設定するものもあるようです。
しかも内蔵されているエフェクターの内容によりプリセットだと聴感上の音量レベルがバラバラだったりもしますので、それを良い具合に揃えるのになかなかひと苦労することもあります。
しかしここまで多機能なアイテムですから、使うからにはしっかりと使いこなしてやりたいではないですか!! というわけで、
①説明書はしっかり読む
コレ。コレが一番重要です。
やっぱり多機能なスグレモノだけに、それなりに説明書も内容が濃いはずなんです。それをしっかりと使いこなすために、機能の意味や設定の仕方などを熟知しておく必要があります。読んでいて分からない用語や説明等出てくる事もあるとは思いますが、放っておかずにネットで調べたり楽器屋さんやライブハウスのスタッフさんに聞いたりして把握しておきましょう!
テキトーに設定してイイ音が出る場合も極まれにありますが、一番タチが悪いのはわけも分からずに色んなパラメータを弄り倒したあげくに操作に疲れてしまってもうコレでいいやっ…っていう風になってしまうことです(笑)。
②ライブを想定した音量で作る
家やスタジオで小さい音量でイイ音だったのにライブハウスでデカい音にしたら全然違った!!なんてことありませんか?
以前の記事でも触れましたが、音の大きさが変われば音色も変わります。
さらにヘッドホンとスピーカーではかなり違ってきます。
ですから、音作りはライブを想定してなるべくスタジオなどでデカめな音でやりましょう。
アンプを通さずラインでPAに送る仕様のものでもヘッドホンではなくきちんとリファレンスできるモニタースピーカーで鳴らした方がいいと思います。
また、想定して作っていても実際ライブ当日に出す音量とスタジオで出している音量が同じとは限りませんので、音を上げたり下げたりしたときにどこの機能を操作して微調整すればいいのかをしっかり把握してください。
③素の楽器の音と比べながら作る
まずアンプ直の状態でアンプの音をしっかり音を作ってください。アンプはクリーンで使うならクリーンを、歪ませて空間系をエフェクターで作りたいならアンプでしっかりとしたドライブサウンドを作りましょう。
アンプではなくマルチのアンプシミュレータで作りこみたいという場合はアンプのリターンに繋いでください。ここに接続するとギターアンプのプリアンプ部をスルーして直接パワーアンプにマルチエフェクターの信号を送れます。ごく稀にですが、アンプによってはリターンに繋ぐとアンプ側で音量調整ができないものもありますから要注意です(以前の記事にも出てきますが、RIVERSTのJC120はそんな感じです笑)。
スピーカーシミュレーターやマイクシミュレーターは文字通りスピーカーで鳴らした音、またそれをマイクで拾った時の音をシミュレーションしてますのでレコーディングやPAにライン送りする時にはいいかも知れませんが、実際アンプ使ってスピーカーで鳴らす場合は必要ないような気がします。ただ、その場合でもシミュレータ挟んだ音の方がスキ!って事もあるかも知れませんので一概には言えませんけど。
エフェクターというものは基本的に足し算です。例えばクリーン、ディストーションの二種類の音が欲しいとき、クリーンはアンプ直の音、ディストーションはエフェクターで作るとします。その際に、ディストーションを足してハイがキツくなったとしたとして、アンプのハイを絞ってしまうとクリーンのハイも下がります。同様にディストーションを足したら音量が下がってしまったとしたら、そこでアンプのボリュームを上げてしまうとクリーンがめっちゃデカくなります。
そりゃそうだ!という話ですが、現場では意外と皆さんやりがちです。
という感じで、まずアンプ直の音と比較し、加えたエフェクトがどんな影響を及ぼしているのかを確認しながらエフェクターのパラメーターを操作して下さい。そしてご自分の使う一番スタンダードなギターの音を上記のような感じで意図しないゲインロスがないように作りましょう。
さらにそれを基準として、音量がでかすぎたり小さすぎたりしていないか?求めている効果が得られているかどうか?ノイズやハウリングが出ないか?などチェックしながら他の音色もサウンドメイキングしていくと現場でバタバタしないと思います。
④要らない機能は使わない
とにかく色々な音が出せてしまいますし、付いている機能は試してみたくなるのが当たり前の話ですが、エフェクトを増やせば増やすほど設定しなければならない事も増えるということです。そういう作業が増えるほど時間が過ぎ、疲れもみえ、だんだん作業自体が面倒になってきてしまいますね(笑)。なので、多機能な中でも、本当に必要なエフェクトのみ最小限でしっかりと使う。これがベストです。必要になってきたらそれに応じて増やしていけばいいんです。
というわけで多機能な面や操作性等の面でマルチエフェクターに焦点を置いた記事でしたが、考え方としてはコンパクトエフェクターを何個も並べて使う場合にも基本的に同じことが言えます。
ご参考いただけると幸いです!
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