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一人目の恋人候補
出会いと週末の初デートをこなす中で、1か月以上やり取りをしていた人がいた。
とある日系企業で働く、トルコ人のTだった。
年齢は30歳で私より年下なのに、話していると私より年上かも?と思うほどに落ち着いていて、何より話題が豊富だった。
友人が多い彼は、週末はほとんど友人と過ごすことが多いらしく、なかなか私と会うタイミングが合わなかったが、会わなくてもそれなりに楽しくメールやチャットで会話できる、友人になれそうな人だった。
ある時、遠くに住む彼の友人が彼の家に泊ることになったらしいが、その日はその彼が彼女を連れてくるとのことで、
「俺、気を利かせてちょっと日中、家を空けようと思って。」
と、私に良ければその時間どこかでお茶でも、と言う話になった。
ちょうど予定が入っていない日で、もうすっかり友人だったので、「いいよ」と街中の喫茶店で待ち合わせをした。
待ち合わせ場所に現れたのは、小柄なところや顔は同じでも、写真で見ていた浅黒い土方系ではなく、金髪碧眼の「さわやかな王子様系」だった。
「写真と違い過ぎるんですけど?(苦笑)」と大ウケしていたら、写真はわざと逆光で撮って暗く加工していたんだそうだ。
「なんだかよく分からないけど、この見た目だと、自分のタイプからのコンタクトが少ない気がしていた。なんか、みんな顔で選ぶというか。。。」
話してみると、いつも話している彼で安心した。
二人でひとしきり大笑いしたあと、
「チャットも楽しいけど、やっぱり会って話すのもいいね。」
ということで、後日また改めて会う約束をして、その日は別れた。
が、翌日またTから連絡があった。
「また今日も、ちょっと会えない?」
その日は私の方に仕事があったので難しい、と答えると、
「仕事終わりでもいいから、ちょっと会わない?」
と言ってきた。
仕事の後は疲れているので、ちょっとだけなら、と2時間の制限付きで会うことにした。
私の帰り道沿いで、お互いの場所の中間地点ぐらいの駅で待ち合わせをした。
駅に着くと、Tはもう改札口で待っていた。
その日は軽い夕食を、ということでその駅の近くに会ったレストランに入り、食事をしながらまた大笑いして、2時間半で別れてきた。
いつも彼が素早く支払いをして、私には払わせてもらえなかった。
その日以降、彼からの連絡の頻度が増えた。
4回目ぐらいで、彼の家でご馳走したい、と言われて彼の家にランチに行った。
思っていたより料理上手で、羊料理やサラダ、豆料理などを作ってくれていた。
トルコ料理はあまり食べたことが無かったので、すごく新鮮でおいしかった。
私はワインを一本持っていった。
・・・実はもう、Tとは寝てもいいかも、と思っていた。