理念とは何か?
私たちは、生まれて死ぬまでの間に、様々な思い(念)を抱く。
それは、達成されるものもあれば達成されないものもある。
当然のことだが人間は、生きている限り何らかの「念」を抱き続け、それを実現しようとし続ける。
ただ、子供の時分と違い、大人になれば、徐々に現実が分かってきて、諦める「念」も多くなる。
念を断つ という意味でそれを「断念」という。
一方、やろうとすればできたのに、外部の力などにより強制的に達成を阻まれた場合、思いを無くすことになり、「無念」となる。
人生は「断念」「無念」の繰り返しである。
思いは基本的に属人的なものである。
その人が死ねば、思いもなくなる。
ただ、一つだけ、それを他人と共有したり、自分の死後も残し続ける手段がある。
それは、思い(「念」)に理(ことわり)を与えることである。
それが「理念」である。
本来、属人的である「念」に「理(ことわり)」を与える事により、誰もが理解でき、共有できるようにするのである。
企業などの組織において、「理念」が重要視されるのは、全ての所属員が同じ方向を向き、思いを共にするためである。
ベクトルの揃わない組織は弱い。小さな組織であれば代表者の強烈な個性で引っ張ることができても、10人・100人と組織の人員が増えていけば、早晩限界が見えてくる。
それゆえ、「理念」が必要となるのである。
組織にかかわらず、もし、あなたが他人と思いを共有したければ、そこに「理(ことわり)」を与えてみるといいだろう。
その作業はきっと、あなた自身にとっても、思いを深くする一助となるはずである。