【必見】AIサービスを提供する側が感じるAI市場とAIの活かし方
こんにちは。AIコンサルタント兼エバンジェリストの坪井です。
今回は、「AIの活かし方」として、AIサービスの提供側に身を置いている視点も含めて、最近感じていること・どう活かしたらいいかという点について書いてみたいと思います。
最近のAI市場の変化
私は、最近のAI市場に大きく二つの変化を感じています。
①SaaSによる市場の変化
最近というより、ここ数年単位での変化になりますが、AIのSaaS化によって大きな変化を感じます。SaaSという概念により様々な形で普及したことにより、ユーザー(利用者)にとってAIとは「時間をかけて作るもの」や「不確定要素やリスクを飲み込んでチャレンジしていくもの」という存在から、IoTツールやモノの製品と同じく「できあがったもの」として採用・購入するものになりました。
これによりAIというものがユーザーにとって選択肢の中の一つとして触れる機会が増え、より身近になったことは明確かと思います。
その一方で、AIサービス提供側は、領域によってはハードルが上がっている現状を感じています。
例えば、SaaSでよくあるチャットボットは自然言語処理の技術領域ですが、この領域ではデータの均一性や質を高く保つことがある程度容易であるため、それらを活用した汎用的な機能やサービスを開発・提供することができ、市場が盛り上がります。
ですが、動画解析や画像解析という技術領域は、その特性から外部要因の影響を受けやすく、データの均一性や質を整えることがまだまだ難しい、かつ成功にはそのデータが大きく影響します。
そのため、そういった領域では汎用的な機能やAI・精度・サービスを予め用意することのハードルがまだまだ高いのですが、それにより市場にあるAIへの期待と現実のAIとの間にギャップが生まれてしまっていると感じます。
②chatGPTや生成AIの影響
最近では、やはりchatGPTや生成AIの影響を感じます。
これらが世に受け入れられたことで、AIという存在がさらにぐっと近づいたのではないでしょうか。
AIをどう作るかは議論されがちですが、意外とAIをどう使うかという点は置いてけぼりにされがちだったと思います。
しかし、この記事のように実際に自分たちがchatGPTなどのAIを使う機会が増えたことで、「AIをどう使うか」に焦点が合うことが多くなりました。
これはとても良いことだと思います。
AIサービス提供者として感じるユーザーの変化
市場が変化することで、自ずとユーザーも変化します。
従来はお客様自身の課題を解決するためにAIという技術要素をもとに作り上げるオーダーメイドが中心だったのに対し、最近はお客様の課題を解決できる「既存ツールはあるか?」という探し方に変わったのです。
そのため、技術や可能性ではなく、機能・実績・価格・簡単さといった面で捉えられることが多くなりました。
つまり、開発ありきの考え方ではなく、サービスとしてのAIの提供を求められることが多くなったのですが、実はここにユーザーが陥りやすい落とし穴があります。
前述したとおり、技術領域によってその難易度はバラツキがあります。
その点を見落として検討を進めてしまうと、現時点では実現し得ないようなAIを求めてしまうようなことが起こってしまいます。
例えば、chatGPTみたいなものがあるのだから、動画解析でも同じようにできるでしょう?という感じです。
これは、AIが盛んになってきた当初「AIは魔法のようになんでもできるんだろう」と捉える方々が多くいた時の状態に似ていると感じています。
技術領域ごとに、根本的に異なる難しさや障壁があることに気づかず、一様にAIならできるだろうという主張になってしまうのです。
これは、イコール「早くできるだろう」「安くできるだろう」「精度は高いのが当たり前だろう」という考えも産むことになります。
そのため、提供側とユーザー側でその認識を合わせる「期待値という目線を同じ高さにする」ということが重要になります。
しかし、これには時間がかかったり、理解してもらえないこともあるため、場合によっては提供側の負担が高まっていくことになると思います。
当社が目指すAIを活かした世界
ここまで、市場やユーザーの変化について少しネガティブなことばかり書いてしまいました。
ですが、私はマイナスばかりではないと考えています。
この状況が生まれたのは、AIと人間の距離が近くなったからこそだと思うからです。そして、このギャップを産んでしまった原因は、提供側にも多く存在していると思っています。
従来AIとは、不確定要素やリスクが大きく、開発や利用に踏み切るには勇気が必要でした。そして、その後押しをするために、AI提供側は綺麗事を並べてきたケースもたくさんあったと思います。
「AIが成長すること」「人の代わりに動き、自動化できること」など理想像を大体的に打ち出してきた結果、それがAIなんだと植え付けてしまった側面があると思います。
我々AnyTechが目指すのは、幻想で誤魔化した世界ではありません。
それは、「AIを正しく理解して、正しく使う世界」であり、「提供側もユーザー側もワンチームになり、双方が正しい努力ができる世界」です。
なので、AnyTechはAI開発の綺麗事を言いません。
簡単に作れて精度が高くてすぐに使えるAI…それはまだ夢の世界です。
良いAIには、データの質と量が重要であり、それでもなお一本道ではありません。
それでも、良いスタートを切ることはできます。
そのために、AnyTechは必要なものをご用意しています。
そして、ユーザーに必要な正しい努力は何なのかをお伝えします。そこで双方手をとって、正しく理解して、正しく使うことで、AIを本当に活かした世界が実現できると信じて、これからも目指し進み続けます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー