X-MENシリーズ観た。
3作目までは昔観た。それ以降はテレビでやっているのを断片的に観た気がする。なので1作目から公開順にもう一度観てみた。
X-メン
X-Men(2000)
懐かしの1作目。面白い映画だった。
ウルヴァリンに対してマグニートー、相手が悪すぎる。主人公にとっての最悪の敵がいきなり出てきて勝てるわけ無いやんて思ってしまった。役者がみんな生き生きと演じているというか、楽しそうと思った。ジーンとかストームのような美女よりもあどけないローグの方が魅力的に映った。リアリティがある。11歳でアカデミー助演女優賞をとった人らしいから演技力の賜物か。1作で終わり、でもいいような終わり方で逆に好感が持てる。1作目から次回作への伏線を全面に出されても疲れてしまうものな。
X-MEN2
X2(2003)
マグニートーはいい悪役だなぁと思った。彼の考え方とか価値観は理解できるしイアン・マッケランといえばロード・オブ・ザ・リングの印象が強いから強キャラ感がすごい。今作は主人公たちと協力して共通の敵と対峙する。でもそこには彼の思惑があって……という話でストーリー的にめちゃくちゃいい悪役を演じている。同時に相棒のミスティークも良い働きをしてファンは多いと思う。個人的には一番好きなキャラクタかもしれない。彼女は何者にもなれるけど、何者にもなれないのだ。でもマグニートーだけは唯一の理解者で、でももしかしたらただ利用されてるだけかもしれなくて、それでも彼女の居場所はあそこしかない。とてもかわいそうなキャラクタで愛らしい。
前作に比べて激しい戦闘シーンと派手な演出が今作のウリだろう。爪伸ばす敵の死に様が面白くて、金属を注入されて目とか鼻とか口から溢れて死ぬ。役者としてもそんな死亡シーン作ってもらえたら自分で爆笑だと思う。
ところで、ジェイソンは放置してよかったのか? 映っていないところで助けているのか? あまりにもかわいそう。
X-MEN:ファイナルディシジョン
X-Men: The Last Stand(2006)
昔テレビで観たときは、短いし盛り上がりに欠けると言うかパッとしない印象だった。今回改めて観て、短いという印象は変わりないけど、意外と面白いと思った。ハル・ベリーの人かっこよすぎ。この作品だけで観ると、希望もありながら重要なキャラクタがいなくなってしまうので、非常に暗いという印象だ。最後に続きを期待させる終わらせ方をしたので今後どうなっていくのか気になった。
やっぱりジーンは最強キャラだったんですね、っていうかそれは覚えていた。そして最後のマグニートーが座っているシーンも。駒をピクリと動かせていたのは覚えていなかった。チャールズ・エグゼビアとマグニートーが一緒に出てくるシーンが敵対しているけどじつは仲良し、みたいな感じで良い。ジーンの攻撃で粉々にいろいろ破壊されていってウルヴァリンは再生するから大丈夫なのはわかるけど、骨格のアダマンチウムは破壊されないのかよって誰もがつっこんだはずだ。そしてやはりミスティークは駒でしかないみたいなところも良かった。相変わらずかわいそうだった。好きになった。
あと、治療薬のきっかけになった少年がいる部屋が真っ白で、少年は丸刈りで、『THX-1138』みがあってよかった。
ウルヴァリン: X-MEN ZERO
X-Men Origins: Wolverine(2009)
断片的に観たことがあって、ところどころ記憶にあるシーンがあった。でも細かいところとかは覚えていなかったもしくは観ていなかったので新鮮だった。前3部作の前日譚であるので、いつものキャラクタはほとんど出てこない。でもサイクロップスとチャールズ・エグゼビアが出てきたのは良かった。ガンビットの人が印象的だったので今後のシリーズで出てこないことを知って悲しい。
映画としてはシリアスな作品で、個人的には好き。暗いけど。スリーマイルといえば原発で有名なあそこかと思ったらその通りで原発でどんぱちやっていた。映像は面白い。
X-MEN: ファースト・ジェネレーション
X-Men: First Class(2011)
キャストも良かったしストーリーも良かったけど、前作との矛盾が気になる。完全に違うリブート作品にすればよかったのに、ウルヴァリンはヒュー・ジャックマンだからそういうふうにも見れない。
マグニートー、プロフェッサーX、ミスティーク、ハンクの出会いが描かれていた。初期三部作を改めて観たいと思う構図で、初期三部作を観たあとに観た感慨もあって、前日譚映画はずるい。前作がウルヴァリンのエピソードゼロなら今作はXMENのエピソードゼロだった。そういう意味では前作の邦題は考えものだ。
今回はキューバ危機がこうして起こったという話。実際の歴史に絡めてくるのが面白いと思う。そしてケビン・ベーコンの能力強すぎ。キューバ危機を起こしてそれに乗じて事を起こさなくても災害レベルの強さを持っているのだからそういう意味ではシナリオに疑問点がつきまとう。
ウルヴァリン: SAMURAI
The Wolverine(2013)
きたよ。間違った日本感。好き。サムライとかニンジャとか出したら日本に忍者がいるってバレるのであまり映画で描かないでほしい(?)。あとやっぱり気になるのは、ジャパニーズYAKUZAの下っ端のCHIMPIRAが英語堪能なわけない(知らんけど)。そして日本人同士で会話しているシーンは日本語にしろ。もちろん真田が話している相手の役者が日本人に見えるけど日本語できない可能性もあるけど。それならもう全部英語で喋ったらええやんとか思う。
ヒロインのきれいなねーちゃんが父である真田と対峙するシーン、迫力あってよい。びびって娘役なんてできなくなると思う。やられるところまで含めて真田かっこいいですよね。膳膳。
ていうかウルヴァリンが日本刀使ってジャパニーズチャンバラ殺陣なのかと思ったら、全然そんなシーンはなかった。そして日本をなめすぎである。増上寺からどうやって上野駅まで逃げたんだ。途中の街並みはイメージだと言い訳しても「上野駅」と明確に書いてあるからそこは逃れられない。逃げ過ぎでは……。それともそれ含め架空の日本なのか。そんなこと気にするのは日本人だけか。撮影している側もおかしいと思わないのか。日本の雰囲気が伝わればいいのか。そうかもしれない。謎の天窓のある上野東京ラインを取り入れた新幹線上のバトル。絵的におもしろいからよい。せっかく長崎まで逃げたのにそこからまた東京に一瞬で戻るのはさすがにちょっと待てと思った。しかも車で。アウディで。そんな長距離運転したらかなり疲れる。それも数時間で移動しているようにしか見えない。何キロあると思っているんだ。1200キロぐらいあるみたいだから、仮に120km/hで走っても10時間かかる。そして最後の敵のアジトにつく頃には冬になっている……??? それは日本関係なくおかしい。長崎は夏頃だった。半袖だったし。長崎のシーンは4月ぐらいで気温が高い年だったとして、最後のアジトが新潟や福島の山の方かもしくは道北(東京から500kmと言っていたからそれはないけど)で雪降った日だとしたらぎりぎり無くはないけど。それから、日本人は別れ際に抱き合ってキスしたりは普通しない。それはべつにツッコミポイントじゃないかもしれないけど。ちょっと007みがありましたね。
ずっとジーンの幻覚が見えて、いつもララァのことを言っているシャア・アズナブルとかいうやつみたいだった。ちょっと情けないウルヴァリン。でも人間味がある。最後のシーンはちょっと興奮した。
そういえば冒頭のHARAKIRIシーンで介錯はしないのかって気になった。ていうかあのシーンの状況もよくわからなかった。
X-MEN: フューチャー&パスト
X-Men: Days of Future Past(2014)
シリーズ完結作! でいいよね。続編なんか作るなよ……。それぐらい名作だった。ハッピーエンドだった。初期3部作の要素をなかったことにせずに、その後のスピンオフも巻き込んできちんとまとめた。監督偉い。もちろん過去作の矛盾点が解消されたわけではないけど。それはともかく非常に良い作品だった。
以前出演していた役者が同じ役柄で出てきたのがよい。ファンサービスとしてちょっとしか出番なくても完結作なら嬉しい限りだ。完結作なら。正直、続編を観たい気持ちと観たくない気持ちがあって困る。観るけど。『ターミネーター3』の結局運命は変えられなかった、避けられないというのが好きなタイプの人間なので、続編でつじつまを合わせるように同じような出来事が形を変えて起こるんじゃないかと不安がある。でもそれは不安なのか期待なのかわからない。
この作品に関しては、感動しかない。
デッドプール
Deadpool(2016)
なんか中途半端だった。グロくするならもっとグロくしないと。ストーリーもいまいち盛り上がりに欠ける。一応XMENたちはちょろっと出てくるのね。敵がもっと超能力あればよかったのだろうと思う。
いろんな映画のパロディとかでてきてそれは良かった。『127時間』ファンとしては。
X-MEN: アポカリプス
X-Men: Apocalypse(2016) スケールはでかい。プロフェッサーがスキンヘッドになった理由が明かされる。ジェームズ・マカヴォイはスキンヘッドのほうが印象あるからキャスティングはグッド。 ほぼ毎回ウルヴァリン出てくるけど、別にそんなに無理やり登場シーン作らなくてもいいんじゃないかと思う。 やっぱりフューチャー&パストで完結のほうがすっきりする。もちろん続編希望の声もあると思うし、原作はあるけどまだやっていないエピソードもあるだろうけど。そしてもちろんそれなりに売れるからフォックス社としても続編は望むところだろう。そしてまたしても続編を匂わす終わり方をする。永久に続けられるな。作中で、スタウォーズに言及して3作目はよくないみたいなセリフがあって、それはこの作品のことを指しているのか。でもマカヴォイがプロフェッサーの作品はまだ続くんだ。
LOGAN/ローガン
Logan(2017)
今風の映画だった。いい終わり方だった。ヒュー・ジャックマンとパトリック・スチュワートがシリーズにけじめを付けた映画。さよならウルヴァリン。さすがにローガンも老眼で、敵のクローン君もヒュー・ジャックマン自身が演じていて、いい演技だった。そんなに歳とっていたのかと思って調べたら当時まだぎりぎり40代だったよ。まだまだタフな男を演じられるなと思う反面、また、グレイテスト・ショーマンみたいな役どころを演じてほしいとも思う。今までお疲れさまでした。ありがとう。
デッドプール2
Deadpool 2(2018)
いい話だった。今回も様々な映画のパロディが出てくるのが良いね。あと、Take on me とか曲もよい。運がいいという超能力、素晴らしい。ウルヴァリン: X-MEN ZEROとの関係を描いたのはいいシーンだと思った。あのウェポンⅪとは違うんだって作中で説明してくれて。あと、すごくどうでもいいけど、デッドプールと聞くと『ダーティ・ハリー5』が一番最初に思い浮かぶ。
X-MEN: ダーク・フェニックス
Dark Phoenix(2019)
やっぱりフューチャー&パストで終わりで良かったやん。
マグーニートー氏がかっこいい。私生活でもああであってフォシベンダー。敵が前作みたく古代から来たり今作みたく宇宙からきたり、もうネタ切れ感。映像化できるからって、原作があるから(あるかどうかは知らん)って映画を作る必要はない。マグニートーが人助けするみたいな、心がなごむスピンオフ映画のほうが観たい。ていうかもっとマイケル・ファスベンダーを観たい。観客はみんな彼に魅了されている。涼しい顔で紳士的な振る舞いをしてほしい。仲間を守るために苦悶の表情で戦ってほしい。
この映画のだめな点は、敵の脅威がよくわからないところ。敵はジーンの力を利用して星を滅ぼそうというか地球を自分たちの第二の星にしようとしていたけれど、まだなにも実行していないからX-MENと異星人の諍いが描かれていただけだった。もっと世界各地で地球人になりすます過程を描いてジーンを探すために(結果として)世界中で事件を起こしたり、そこに現れたX-MENと争ったり、そして最終決戦、というふうにした方が展開としては面白い。ジーンやチャールズの内面に切り込むのもいいけど、それが結構映画の全面に出ているからアクション映画としてはのめり込めない。それぞれのキャラクタの葛藤はわかるし描きたいのもわかる。でもそれならもっとそこにも切り込んでも良かった。少し物足りない。
ていうかこの終わり方だったら、フューチャー&パストの最後のシーンに繋がっていかないと思うけど、また違うパラレルワールドなのか? それともジーンは人間の姿を取り戻すのか? そういうことに突っ込んではいけないのかもしれないけれど、映画としてシリーズ化している以上繋がりは気になる。それぞれの作品が、別々の作者による二次創作ならまあわかる。アメコミはキャラクタの権利が作者じゃなくて出版社にあるらしいので、違う作者が自分の描くX-MENとして描くならわかる。コミックなら。映画も同じスタンスで観たほうがいいのかもしれないけれど。
マイケル・ファスベンダーかっこいいという映画でした。
ニュー・ミュータント
The New Mutants(2020)
個人的には結構好き。スピンオフはこれぐらいでいい。
閉鎖された空間にいる人間だけで映画が展開していく作品は個人的にかなり好きなので、このスタイルは肯定的です。『アイデンティティ』とか『エクス・マキナ』とか『十二人の怒れる男』とか。このスタイルだと、それぞれのキャラクタを丁寧に描くことができる。それぞれに時間を使ってもそれなりにコンパクトにまとめることができる。スケールは小さくても、心理描写に力が入るからシリアスな映画に向いている。
この映画はX-MENの世界を舞台にした青春ホラーって感じだったけど、X-MENらしさが全開じゃなくて逆に良かった。そこがだめという人もいるだろうけど。X-MENシリーズとしては微妙かもしれないけれど、映画としては良いと思った。スプリットで観たあの娘が出ていてそこも良かった。
総評
マイケル・ファスベンダーかっこいい。
終