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【小説紹介】宇宙人に出会ったときの教科書『プロジェクトへイルメアリー』
こんにちは、hallo、你好、bonjour、GutenTag、Buongiorno。!!!
あんよです。
今回お話するのはこちら↓↓↓
『プロジェクトへイルメアリー』
![](https://assets.st-note.com/img/1691577159358-JXCtW6FMbR.jpg)
■あらすじ
グレースは、白一色の奇妙な部屋で、たった一人で目を覚ました。
アームに看護されながらずいぶん長く寝ていたようで、自分の名前も思い出せなかったが、推測するに、どうやらここは地球ではないようだ……。
断片的によみがえる記憶と科学知識から、彼は少しずつ真実に近づいていく。ここは宇宙で自分がいるのは宇宙船の中。
ペトロヴァ問題と呼ばれる災害によって、太陽のエネルギーが減少、存亡の危機に瀕した人類は「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を発動。
宇宙に向けて最後の希望となる恒星間宇宙船を放った……。
![](https://assets.st-note.com/img/1691577539510-UCkkqr2omC.png)
■感想
『火星の人』で火星に一人取り残された男のサバイバルをリアルに描き
『オデッセイ』として映画化された作者アンディ・ウィアー の長編3作目。
![](https://assets.st-note.com/img/1691577743359-GXt639VZ20.jpg?width=1200)
記憶喪失系の物語は主人公とともに謎を解いていくゾクゾク感がたまらないので前情報一切なく読んだ方がいいと思います。
この本の表紙に関しても宇宙ではなく、宇宙船の室内にしてもっと状況をわからないくしてもいいかなと。宇宙だと気づくまでにも割と時間あるので。。。
前情報入れたくない方は本を手にとって1ぺージ目を開くまでは目をつぶった方がいい。普段から暗闇で過ごす訓練が大切です。
ここはどこ? わたしはだれ? の記憶喪失から始まる物語。ジャンルとしてはハードSFになり、聞きなれない用語もあふれ理屈がわからないところも出てきますが、それを凌駕する話運びのうまさで最後のページまで連れて行ってくれます。
記憶喪失の主人公が少しずつ記憶を取り戻していく、という構成のおかげで、設定を小出しにしながら科学と物語の理解が深まっていく為、ほんとに読みやすく工夫してくれてるなーと感心させられます。離乳食ぐらい優しい。
そしてこの作者の醍醐味と言えば
例えば会話で↓↓↓
A「カレーを作りたいのに肉がない。代わりになるものを見つけなければならないんだが。。。」
B「うーん。。。こんにゃくを薄く切って使うなんてどう?」
A「素材が全然違う!!そんなのうまくいくわけ。。。。いや、ちょっと待てよ。ラードをしみこませれば・・・・・(以下省略)
のような会話が多く出てきます。好きです。
これめっちゃ好きです。
なぜ記憶喪失で目覚めたのか
なぜ自分一人なのか
宇宙人となぜ出会うことができたのか
すべてが解き明かされてスッキリできる上に『火星の人』と同じで本当に明るい気持ちで最後のページを終えることができる。
この作者の壮大かつ大量の知識が押し寄せてくること+世界規模ですごいことが起こったのに最後の最後は個人だったり、小さなグループに照明が当てられて終わっていくのが心地良くて好きです。
■作者
作者はアンディ・ウィアー
15歳の頃からサンディア国立研究所にてプログラマーとして働き始める。
この時点から天才臭さが漂ってきますが
![](https://assets.st-note.com/img/1691578258387-MTFv1jYhZX.png)
2009年から自身のウェブサイトで連載を開始した、リアルな科学描写で火星サバイバルを描く『火星の人』を連載していましたが読者から熱望され2011年にkindleで出版。最低価格の99セントで売りだしたが、発売3ヶ月で3万5000ダウンロードを記録しSF部門の売上げトップ5に入り込んできた。
火星着陸への軌道プラグラムを一人で作ってしまった科学オバケなお方なんです。
『火星の人』が面白くて次作『アルテミス』が出るとのことでよだれたらしながら手に取ったけど全然楽しめなくて。。。火星一発の人なのかなーって思ってたら、もうこれです。
ちゃんと戻ってきてくれました。次回作も楽しみに待ってます。
■好きだった表現
宇宙人の表見が感動的なまでにリアルでその生態までも考えつくされて、正直なにゆえ こんなところまで設定が行き届けるのかページをめくるたびに驚かされます。設定に対して気きかせすぎじゃない?実際に存在してるんじゃないか???
・言葉が音階になっていてそれの翻訳をしなければならない。
映画『メッセージ』と似たところもあります。主人公は翻訳こんにゃくを持ち合わせていません。だいたいの映画は宇宙人がきてもすでに英語が喋れたり、仕組みを説明しない超最高スーパーウルトラとんでもテクノロジーで瞬時に翻訳していたするから、この試行錯誤でハッとさせられます。
・向こうに疑問詞は存在せず
「あなたは元気。質問。」と問いかけには質問を付ける
・人類と同じぐらいの科学技術を持つが、発展している分野が少し違うという点
■最後に
なんとこの作品このnoteにも書かせていただいた『スパイダーバース』のフィル・ロード&クリス・ミラー監督で映画化が決定していて2024年から撮影開始とのこと。
あの2人が表現する宇宙を早く観たい。
ロッキーはスパイダーバースのGO HOME MACHINE×岩 みたいな表現に
なるのかなあなんて妄想を膨らませながら待ってます。
興味持った方はぜひ手に取ってみてください。