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ナレッジマネジメント白書を発行する意義

今回の対談参加者
👤 奥村 智(呼び名:ともさん):any社員(2023年4月入社)、コンテンツディレクター
👤 堀 城斗(呼び名:堀さん):anyフレンズ、ストラテジックプランナー

シリーズB資金調達記念 any的アドベントカレンダー🎄本日は第6弾!テーマは「ナレッジマネジメント白書」です!今回は対談形式でお送りします。


Qastのマーケティングを超えanyの想いをカタチに

奥村:
今日は、anyが2023年から年次で発行している「ナレッジマネジメント白書」について誕生の背景から今日までを振り返っていきたいと思います。
ナレッジマネジメント白書の企画が検討され始めた当時、私はまだanyフレンズで、その背景はうっすらとしか知らないのですが(笑)、改めてこの白書を制作しようと思ったきっかけを教えてもらえますか?

ナレッジマネジメント白書 2023

堀:
そうですね。最初は、Qastのリード獲得の施策の1つとして「白書はどうだろう」という案が出てきました。他の業界や会社でもデータコンテンツは世の中に存在していたので、Qastでもやりたいという話になったんです。
私自身もユーザーとして様々な企業の白書を目にしてきましたが、明らかにリード獲得のためのコンテンツとして作られているものがほとんどで、コンテンツとしての面白さや調査の質の高さが物足りないものが多いなと個人的に感じていました。
anyの一番の強みは、ナレッジマネジメントという、これまで解決されてこなかった課題に本気で取り組んでいる企業であることです。情報やサービスがあふれている現代において、anyらしい 白書を作るにはどうすればいいか、を考えたとき、公平性を担保した、質の高い白書を作ることが重要だという結論になりました。
それによって、その姿勢に共感していただき、サービスに興味を持っていただけるお客様と出会えるのではないかと。それが、この白書の方向性を決める上で大きなポイントになったと思います。

奥村:最初から年1回のシリーズ発行で行こうって決まっていたんですか?

堀:
白書構想の初期段階で、ビジネス目的だけでなく、ソートリーダーシップを発揮するという点を重視して、毎年制作していくことにしました。
元々は1回きりのプロジェクトとして立ち上がりましたが、
消費期限の短いコンテンツが溢れかえる現代において、資産性のあるコンテンツを作ること、そして、毎年制作することで、過去のコンテンツが現在にも貢献していくことを考えました。定点観測することで、資産性のあるコンテンツに変わりますよね、昨年と比べてどうだった、5年前と比べてこんだけ変わった・・とか。

奥村:
最初はQastのリード獲得が前提にあったのですが、結果的には、「anyらしい白書とは」という思考からany全体のブランディングに繋がったと感じます。その点について、もう少し詳しく教えていただけますか?

堀:
ナレッジマネジメント領域において、anyは日々、知見を蓄積し、サービス開発や顧客支援に活かしています。今後、ナレッジマネジメント市場でリーダー的なポジションを取っていくためには、真摯に企業や組織のナレッジマネジメントに向き合い、ナレッジを蓄積していることを内外にアピールすることが重要だと考えました。
ナレッジマネジメント領域では、アカデミックな論文は数多くありますが、企業が本格的な調査や白書を公開しているケースは少ないです。
そこで、Qastやanyのブランドステージにおいて、本格的な調査を実施して白書を制作することで、その領域のソートリーダーシップが取れるのではないかと考えました。
それが結果的にanyのブランディングにつながったのだと思います。


データ調査でも「any的」を貫くために

奥村:
いざ、白書を作ろう!と思ったとき、どのように着手していったのかをもう少し知りたいです。まず、白書を作る上でどんなピースが必要でしたか?

堀:
公平性を担保するための論点の洗い出しと調査設計がまずは必要ですよね。
そしてもう一つ大事なのが「編集力」です。
調査結果を「白書」として成立させるには編集力が不可欠です。そこはともさんが適任だと思い、当時anyフレンズだったともさんに協力を依頼しました。

左:コンテンツディレクター ともさん、右:ストラテジックプランナー 堀さん

奥村:
そういって頂けて嬉しいです(笑) 調査会社を選ぶ際の話も印象に残っています。
たしかに編集者も重要ですが、調査会社も非常に重要ですよね。堀さんが数社を候補として挙げ、コストや質などを考慮して、役員の武雄さんと検討した結果、クロスマーケティングさんに依頼することになったと思います。その際、調査会社が「any的かどうか」という点が議論のポイントになっていたのが、個人的にとても印象的だったのですが、そのあたりについて教えてください。

堀:
初めての取り組みで、リスクもありました。例えば調査内容について、自分たちが考えている論点に対して思うような結果が出なくても、公平性を担保しつつ伝えるべきことを伝える白書にしなければいけませんでした。
調査結果は残るものなので、絶対に曲げてはいけない部分です。
そういった不確実性の高いチャレンジの中で、私たちの意図を汲んで柔軟に対応してくれる調査会社なのかを見極めるため担当の方と何度も面談を実施したのを覚えています。

奥村:
調査会社が決まったあと、初回は特に、調査項目を構成するまでが大変だったと思いますがどうでしょうか?

堀:
白書を作成する時点で「ナレッジマネジメント」というカテゴリーが明確に決まっていたことと、日々の事業推進の中で白書に関わるメンバーのみなさんが疑問に思うことはそれぞれの頭の中にあったことで、調査項目は比較的スムーズに決まったと思います。実際は各メンバーに「知りたいこと」を挙げてもらい、構造化して設問にする作業が主でしたね。
ただ、1冊目を振り返ってみると、論点が不足していたことなど、反省点はいくつかあります。初回だったので反省点があることは当然のことですが、論点の洗い出しにおいて、より多くの人を巻き込むことで、網羅性や優先順位の整理がもっとできたのではないかという学びもありました。

※調査設計途中のデータのため、実際の設問とは異なる場合があります。

白書を通じて誰に何を伝えたいのか?

奥村:
そもそもこの白書を読んでもらう方には、「ナレッジマネジメントは企業が取り組むべきもの」という前提で調査結果を見てもらわないとデータが示す意味が伝わらないと思ったので、その前提をしっかり作り出すための構成やテーマ設定は意識しました。

 堀:
他にもマーケティング的なアプローチで、ターゲットも明確に定義しました。ペルソナ像としては、経営企画、DX、IT部門の部長職などで、ナレッジマネジメントの重要性を認識しているけど、会社として取り組むのが難しいと感じている方々を想定しました。
白書を通して、上層部を説得できるような情報を提供したいと思っていて、白書を読んだ時に、どのような感想、読後感を持つのかや、どうすれば響くのかから逆算して、白書として適切な構成を検討したんですよね。

奥村:
そうですね、それらの対策として、調査の前にその時のテーマに合わせた一般論を入れることにしました。まず企業をとりまく社会背景や課題を取り上げて共通認識を作った上で、その解決手法としてのナレッジマネジメントの重要性を説明する流れにしました。そのあと調査結果をご覧いただくことで、データの見え方も変わってくるはずと。

 堀:
データ結果のサマリーだけでは、読後感を作り出すのが難しいんです。読む前に読者の頭の中をある程度セットアップする必要があったので、そこはともさんがしっかり前段を作成してくれましたよね。

奥村:
テーマ選びについては、1冊目は直球で「日本企業の課題とナレッジマネジメント」にしようとすぐに決まりました。2冊目についてはチームで少し議論もしたのですが、「ナレッジマネジメント×AI」をテーマにしました。ちょうどそのタイミングで、QastにAIが導入されて、プロダクトとして変わっていく局面でもあったので、タイミングがよかったですね。

ナレッジマネジメント白書 2024「AI時代のナレッジマネジメント」

見えてきたナレッジマネジメントの現在地 

奥村:
初回の白書作成で最も難しかったのは、「発行に寄せて」でした。このプロジェクトメンバーそれぞれの思いや考えがあり、それをanyとしてどのようなメッセージにまとめるかが難しかったです。実際、最後に書き上げたものは、当初私が書いたのとは全く違うものになっていました。堀さんはどうでしたか?

「ナレッジマネジメント白書2023」発行に寄せて

堀:
そうですね。白書制作中は、リード獲得を含むビジネス的な目的と白書としてのクオリティを両立させることを常に考えていました。結果的にはいろんな部署の人の様々な意見を取り入れながら、うまくバランスを調整できたと思っています。

奥村:
調査は2023年1月から始まりました。データ分析は大変でしたが、想定外のデータはあまりなかった印象です。ただ、2年続けて作ってみて、ナレッジマネジメントがなかなか浸透しないという事実が改めて分かりました。

堀:
ナレッジマネジメントは学問として確立しており、論文も存在しますが、企業におけるデジタルツールの普及やDX化に伴い、ナレッジマネジメントの重要性が増していると感じます。調査結果からも、ナレッジマネジメントの重要性が改めて確認されましたね。
でもそれと同時に、回答者それぞれのナレッジマネジメントに対するイメージにばらつきがあることも分かりました。
ばらつきが見えたのも、この白書をリード獲得コンテンツという目的だけではなく、質にこだわったことで、読者の態度変容を作り出すことができたから、マーケティングとしての目的も達成できたと思います。


継続的な発行で、anyにも顧客にも資産となるコンテンツに

奥村:
「ナレッジマネジメント白書」が顧客や投資家に対して、anyがナレッジマネジメントに本気で取り組んでいることを示す武器になっていると感じますね。実際に物として見せられるので・・。
あとは展示会でご来場いただいたお客様にナレッジマネジメント白書を渡すと喜んでくださるので、作ってよかったと思っています。

堀:形になってるって強いですよね。

奥村:
白書を毎年出すことで、企業がナレッジマネジメントに関する十分な情報が得られる状態になることが理想ですよね。
先日、展示会にご来場いただいた際に白書をお渡ししたある企業のご担当者様から問い合わせがありました。その方は社内DXを推進しており、社内向けにDXハンドブックを作成するために、白書のデータを使いたいと連絡してきてくださったんです。
社内向けに使ってもらえるなんて、すごく嬉しいかったです。

堀:
当初、ターゲットを決め、社内啓蒙にも使ってもらうことを意図していました。その意図が実現した事例ですね。素晴らしい。

奥村:
従業員数の多い企業のDX推進をリードしている方からの問い合わせでした。ペルソナ通りですね。

堀:
先ほど、白書を作成する際にペルソナ像を明確にしたと話しましたが、ペルソナ像を議論する際、Qastのサービスのコンセプトや意義に共感し、自らナレッジマネジメントを推進してくれる方々をターゲットとしていました。
白書を通して、そのような方々から共感を得ること、象徴的な顧客との出会いを作り出したことも、白書の良い成果の1つだったと思います。


「働き方」の変化を映す白書のシリーズ化

堀:今後の白書の展望についてどう考えますか?

奥村:
1冊目、2冊目はデータの集計をマーケティングチームで行いましたが、3冊目はより質の高い白書を作成するため集計の段階からもっと他の人を巻き込んで作りたいと思っています。

堀:
たしかに白書作成のプロセス自体、非常に有益な経験だと思います。普通の会社であれば、マーケティングチームでやってね、って感じで出来上がったものをマネージャーやディレクターがチェックして公開、という流れが多いと思います。ただanyでは、早い段階からそれぞれの意見を出し合い、落としどころを見つけていくというanyらしさがプロセス自体に存分に含まれているので、そのプロセスを一緒に体感できる人を増やすことは意味のあることだと思います。

奥村:社内で白書の輪を広げていけたらいきたいですね。

堀:
あとは、ナレッジマネジメントって企業の生産性向上や人材育成などを達成するための手段で、且つさまざまな目的に応じていかようにでも活用できるものなので、その隣接領域の話題も深く取り上げられたらもっと面白くなりそうだなと思っています。
例えば2冊目で取り上げた生成AIの活用に関しても、すでに2冊目で取り上げた時に比べて今はより活用の浸透具合や重要性が増しています。
いかに適切な情報を生成AIにインプットできるかが、アウトプットの品質を左右しますし、その結果、企業のデータ管理や社内整備がその企業の競争力に直結します。

奥村:
私たちは、ナレッジマネジメントが企業や事業に成果をもたらすものと考えて白書を作成しましたが、AIの導入によって、ナレッジマネジメントの手法や成果がより具体的に、かつスピーディになってきたと感じます。なので、白書を通じて新しく分かったこと、実感できたことを今後の白書に反映したいです。

堀:
ナレッジマネジメント白書は、見方を変えると”現代の働き方白書”という側面もあるんじゃないかと思っています。例えば、2029年には白書を見て「5年前はまだ生成AIを使っている企業と使っていない企業がいたけど、今じゃ考えられないよね」みたいな会話をするような。
定点観測を続けることで、過去の働き方との比較ができるようになっていくと思うので長く続けることで、意義が増していくと思います。

奥村:
あと、今は2冊だけなので立てられないけど、3冊あると束ねて自立できると思います。笑

堀:よりシリーズ感が出ますね。

奥村:
PDFでダウンロードしていただくこともできますが、冊子だとデザイナーのゆうきさんの超こだわった美しいデザインが映えるので、冊子を手に取っていただく機会も増やしたいです。
3冊目が出たら、展示会には3冊揃えて持っていきたいと思っています。
ブースでQastのご案内をさせていたただいた方には3冊まとめて差し上げるので、ぜひ展示会ではQastブースにお立ち寄りください!

奥村:
今まさに「ナレッジマネジメント白書 2025」の企画中ですが、今回改めて堀さんと白書の背景を振り返る機会をもらったことで、初心に帰って最新版に向き合えています。まだまだお話しきれていないこと(こだわりぬいたデザインのお話とか!)もあるので、次回発行の際にはぜひまたここで。「ナレッジマネジメント白書 2025」もぜひご期待ください。(自らにプレッシャーかけてます。笑)



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