マジック・ザ・ギャザリングには弱いカードも強いカードも存在しない
おはようございます。
普段マジックに関する配信をしておりますエニィと申します。
「マジック・ザ・ギャザリング」には弱いカードも強いカードも存在しない
昨今、特に下環境において一部のカード、デッキ、セットに対する不満を見かけることが多くなりました。
「一つの指輪はおかしい」「モダンホライゾンのカードが強すぎる」…
それに合わせて、昔の〇〇(任意のフォーマット)はこんなじゃなかった、思い入れのあるデッキで勝ちたいのに最新のデッキにパワーで負ける、といった、変化に対する戸惑いもよく聞かれます。
たしかにカードパワーは年々上昇しています。
スタンダードセットにも下を含めて影響力の高いカードが入り、モダンホライゾンなどの特殊セットは新時代を強制的に到来させるほどの力を持っています。
私の愛用していたデッキも今ではもうパワー不足でしょう。
アップデートを重ねて同じデッキにこだわるビルダーには尊敬を感じますが、多くの人はセットが出るたびに自分のデッキが、カードが、時代に取り残されていくことに不安を覚えるかと思います。
ところで昨日は甲鱗様の日でしたね。
![](https://assets.st-note.com/img/1688679058563-cP983cpg0s.png?width=1200)
皆様はType甲鱗というフォーマットをご存知でしょうか。
ルールは以下リンクから確認していただきたいのですが、
甲鱗様を称えるために作られた、最大限に甲鱗様が活躍できるルールです。
他フォーマットで甲鱗様が活躍しているかはシュレディンガーの甲鱗として未解決問題としておきますが、このフォーマットではラガバンよりも、一つの指輪よりも、甲鱗様のほうが強いと言えます。
あるフォーマットにおいて強いカードは確かに存在します。
しかし、「マジック・ザ・ギャザリング」には強いカードも弱いカードも存在しません。
なぜならば、マジックはユーザーが自由に遊び方を決められるアナログゲームだからです。
そのフォーマットが好きなのか、そのデッキを使いたいのか
マジックは進化するゲームです。
しかし、その進化についていけなくなるときもあるでしょう。
自分の大好きだったカードが最新の強力なカードに押されて行き場を失うのを見るのは辛いことです。
不満の一つも言いたくなります。
しかし、その不満をSNSで発信する前に少し考えてみてください。
自分が何が好きでマジックをプレイしているのかを。
あなたはそのフォーマットの常に最前線で戦うことが好きだったのでしょうか。
いや、あなたは「あの時期」のフォーマットが好きだったのですか?
それとも大好きなデッキで、はたまた大好きなカードで戦いたいのでしょうか。
フォーマットの最前線でプレイすることが好きで、今の環境が好きでないのなら、あなたの力で新しい環境を作ることをおすすめします。歴代の偉大なビルダーの一員になれるかもしれませんよ。
もし、過去のそのフォーマットが好きだったなら、いわゆる「ゲートボール」(遊戯王で使われる、過去環境を再現して戦う遊び方)的なものを仲間とやってみるのはいかがですか?
実際、モダンホライゾン禁止レガシーの大会が開かれて成功した例を聴いたことがあります。
自分の好きなカード、デッキで戦いたいのならフォーマットに縛られる必要はありませんよね。
例えばモダンじゃなくてパイオニアだったら、逆にレガシーだったら…。
そもそも競技プレイをしないのであれば公式フォーマットである必要もありません。
様々なカジュアルフォーマットがあなたを待っていますし、なんならあなたが作りましょう!そうだ!それがいい!
カードを活躍させる方法は様々です。
もしあなたが今、マジックを心の底から楽しめていないなら、あなたが一番満足できる遊び方を見つけられることを願っています。
楽しむことには真剣であれ
カジュアル勢と呼ばれる人たちがいます。
多くの人は自分が一番楽しめる遊び方でマジックを満喫していますが、悲しいことに一部には自分が好きなカード・デッキ・遊び方で勝てないからと他者を攻撃する人も見受けられます。
私はそういう人が嫌いです。
楽しむ、ということに真面目に取り組んでいないからです。
先程も書きましたが、マジックには無限の可能性があります。
この環境で楽しめなかった、となった場合、本当に自分の好きなことをしたいなら、そこに適合するか、新しい場所に行くかという選択が生まれるはずです。
それを文句を言うばかりで可能性を探しもしないというのは、自分が楽しめないのを自分のデッキやカードのせいにしている最悪の行為です。
勝つことが目的であっても、素晴らしいプレイ体験を得ることが目的であっても、そこには努力が必要です。
カジュアルという言葉から、気楽なものをイメージするかもしれません。
しかし、自分の好きなことで楽しむというのは、極めて難しいことです。
普段遊んでいるフォーマットでは自分の好きなカードは通用しないかもしれない、でもカジュアルフォーマットではそもそも遊べるかどうか…。コレクションで満足する?いやでもやっぱりこのカードで戦いたい…
様々な葛藤の中、自分なりに一番楽しめる方法を見つけて追求していく。
真剣に楽しむとはそういうことです。
楽しむために努力してください。できれば周りも一緒に楽しめるようになれたら最高です。
あなたのその手は嫌いなものを殴るためではなく、大好きなカードをドローするためにあります。あなたのその口は文句を言うためではなく、オタクカードを語るためにあります。
一緒に、マジックを楽しみましょう。