アニソン視点によるディスクガイド 003原田知世


原田知世 / 2000BEST

 今でこそアコースティックでアーティスティックな地位を確立している原田知世ですが、デビュー当時のテレビ出演では声がふらふらで不完全なものでした。しかしそれがまたいい。『時をかける少女』や『天国にいちばん近い島』や『早春物語』などなど、自身が出演する映画の主題歌を自ら歌うことが多く、それはまさに今でいう売れっ子声優のようなものだったように思います。そもそも70~80年代のアイドルと2000年以降のアイドルをつなげて語る番組は多いですが、それらは音楽的な文脈がまったく違っていて、むしろ2000年以降は声優の方につながるのだと個人的には思っています。

 さて、そんな原田知世のアイドル期の名曲が『彼と彼女のソネット』『地下鉄のザジ』です。(地下鉄のザジが大貫妙子版なのは原田知世版が上がってなかったからです。ヴァネッサ・パラディの"BE MY BABY"風リメイク版はYouTubeに上がってたんですが。)

 『彼と彼女のソネット』はフランスの歌手エルザの"T'en Va Pas"に大貫妙子が詞をつけたものです。曲も詞も声も超いいですね。ちなみに声優の宮村優子もカヴァーしてます。

 『地下鉄のザジ』もフランスの小説及び同名映画をもとに大貫妙子が作った曲です。これも原田知世の若々しい声とたどたどしい発音がたまらんのです。

 最近の彼女もとてもクオリティの高い楽曲ばかりで聴きごたえがあります。『MUSIC & ME』というアルバムがおすすめです。

 次回はピチカート・ファイヴ。これを紹介しないと始まらない。


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