アニソン的視点によるディスクガイド #001 フランス・ギャル

FRANCE GALL / GALL (1966年)

 おっさんたちがかわいい女の子たちに歌ってほしい曲を歌わせる、という点ではガールズポップやフレンチ・ポップはアニソンにかなり通じるところがあると思います。

 フレンチ・ポップ代表格であるフランス・ギャルは「夢見るシャンソン人形」で日本でも広く知られています。僕が紹介するのは66年作の「ギャル」。なんといってもフレンチ・ポップ界の巨匠セルジュ・ゲンズブール作詞曲の「アニーとボンボン」。MVを見ていただければわかると思いますが、まぁ、アレの歌なんです、というのは有名な話。それを知らずに無邪気に歌う少女。ゲンズブールの変態さは秋元康以上である。

 このアルバムからもう一曲は「羅針盤」。フレンチ・ポップ特有のマイナーで切ない曲調。

私の庭に、でも庭はないの

私の家に、でも家はないの

花は一つだけ、私の持つ花はこれだけ

 うーん、頽廃的ですな。

 実は僕が一番フランス・ギャルで好きな曲はこのアルバムではなく、前作「ベイビー・ポップ」収録の「天使のためいき」だったりします。言葉に言い表せない幸福とそれでいて大切なものが時間とともに過ぎ去っていくような感覚がこの曲をきく度に訪れます。

 R.I.Pフランス・ギャル。

 次回はたぶん「けいおん!」について。

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