アニソン視点によるディスクガイド 009 南沙織
南沙織 / 17才(A面)
昔を振り返る歌番組では『17才』しか取り上げないけれど、ファーストアルバムのA面は名曲ぞろいで、どれが代表曲でもおかしくないのです。そしてなぜ南沙織がアニソン視点に引っかかってくるかというと、このアルバムはキャラソン的だからです。
南沙織は沖縄出身です。デビュー時の曲には海をイメージした曲が多く『17才』もその一つではありますが、僕が紹介するのは『島の伝説』と『潮騒のメロディ』です。
『島の伝説』は南国の子守歌のようなのんびりとした曲調。歌詞も古風でおとぎ話のよう。南沙織が歌うことで現実味というか、物語性を帯びて聞こえてきます。
一方の『潮風のメロディ』は曲の軽快な感じとは裏腹に、言葉は少なくも詩的で優美な歌詞が印象的な歌です。『17才』の「私は今 生きている」という歌詞も同様に、南沙織の歌は命を懸けて恋をしている感じがそれとなくだけど鬼気迫るように聞こえるのが不思議です。
次回はたまこまーけっと。