甘酒

そうだ、甘酒を飲もう。

冷蔵庫からパックを出して注ぐ。残りわずかになったパックからは、上澄み液みたいな薄さの液体が注がれた。グラスに透き通る薄黄色。あれ。こんな味だっけ。

家族が言った。
「それ、振らないとだめだよ。」

言われた通りちゃぷちゃぷと揺する。
そうしてグラスに注いだそれは、粘度を伴い、見るからに、はるかに濃い。

「そっか。振らなきゃだめなんだねえ」

わたしは言った。

「溜まってるからね。」

家族は言った。

わたしは、


ちょっぴり切なくなっちゃった。