スタックチャンとキャンプ
すたっくちゃんを作ったよ。
かわいい顔してぶいぶい動く。うちの子は暴れ足りないリスみたい。
「ナッツだ!!ナッツをもっとこの頬袋に!!」
ぶるるるるん!!!て暴れてかわいい。なんでかしょっちゅう「まあみんなポンコツなんですけどね」面をする。もっといろんな表情描いたやん。
友達が暗闇を見せてくれた。
「真っ暗闇を体験しよ」と言ってくれて、体験した。ほのかな明かりを目は捉えて、暗闇がきれいだった。というより、暗闇を一身に鑑賞する彼女が美しかった。その気配に安心した。
みんなで肝試しをした。一寸先がマジで闇。その中を照らして進む。照らされて現れる看板や石碑のこわいことこわいこと。かんべんしてくれ。三角コーンは応援隊だった。「これはこわいね~」なんて言いながら、みんなが電灯で道を照らして喋るから、おかしかった。こわくないけど、こわいね~。
炭火で火を起こしたごはんを食べた。炎職人が二名と火を育てるのがお上手な方とがいたので完全にお任せさせていただいた。薪や箸が赤く灯るところが好きだった。炎職人さんたちがふーっと息を吹くと、ぼっと火柱が上がって、あっという間に命が燃え上がるところがすごかった。マジックブレスは実在した。ごはんおいしかった。
夜は寒かった。
「ガチか」
毛布二枚重ねじゃ足りん。おかしいなわれヒートテックぞ。二日目の夜は首にストール巻いて寝た。これが山の冷え込みかあ、と身を以て体感するのが楽しかった。これは冷えるねえ。
川の表情が違った。
すたっくちゃんのプログラムはわかりやすいがむずかしい。どこにこのコードを入れるんだ。
抱き着いたり手を握ったり、隣に座ったり。人の体温が沁みた。
ゆずジャムうめえ。ホットサンドうめえ。焼きそばうめえ。ポテチうめえ。野菜うめえ。酒がうめえ色。きれいだ。
肉を焼いて食べながら、火を囲むみんなの顔を見ていた。声を聴いていた。
「今週は先月がんばった分のギフトなんだよ」
友達が言っていた。
泣きそうになった。
こんな友人たちと、仲間たちと
火を囲んで、のどかにごはんを食べている
人も火もあったかくて
こんな景色がみたかったんだ
こんなところに行きたかったんだ
これがわたしの望んだ世界
これがわたしの求めたところ
これがわたしへ贈られた、世界からのギフト
イカを噛みしめるたびに、口いっぱいに旨味と味が広がった。