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人見知りと1輪のひまわり#1
幼稚園時代、母は私を病院に連れて行くことを担任の先生から勧められたと大人になってから聞いた。
極度の人見知りな私は幼稚園でまったく喋らない子だったから、発達に異常があると思われていた。
だけれど、家では笑顔で話す姿を知っている母は病院には連れて行かなかった。
この極度の人見知りは小学校3年生くらいまで続いた。
幼稚園での運動会の駆けっこは、スタートの笛がなって他の子が走り出す中、1人スタートラインに固まって立っていた。見かねた先生が手を繋いでゴールまで連れて行ってくれた記憶は今でもうっすら覚えている。
小学生になった私は、人前で名前を呼ばれて返事をすることすら恥ずかしくて毎日ストレスだった。
さらには皆んなに注目されると顔が真っ赤になっていた私は「リンゴみたい」とよく冷やかされた。
人見知りな性格からできるだけ存在感をなくして生きることに努め、今でも存在感を無くすのは得意技。
そんな中、この性格に変化が生まれてきたのは小学校3年生の頃。4月に担任の先生が変わり、そこでの出会いが大きなきっかけだと感じている。
新学期早々、先生は自己紹介のときに自分の名前とともに「ジャック」というあだ名をみんなに伝えた。ジャックの所以は覚えていないけれど、どんな担任かを簡単に言ってしまえば、先生らしくない先生だった。今から20年前にはギリギリ通用してたけど、今の時代だったらきっとアウトな先生だった。
ただ、子供ながらに感じていたのは、形式的な接し方じゃなくて、多少マニュアルから外れても大切なことは何かや生きて行く上での知恵(雑学含め)、人としてのあり方を教えてくれる先生だった。
そんな先生の授業を受ける中で、クラス各人1輪のひまわりを育てることになった。