【TENPURA】天ぷらと相性の良さそうな既存食材纏め【前編】
それは、妻との何気ない会話から始まった。
俺「天ぷらにすれば何でも美味い説ない?」
妻「あるねー。かぼちゃの天ぷらすきー。」
ふとした事から天ぷらの話題になった。
海老天、ちくわ天、芋天etc
天ぷらといえば、上記の食材が話題に挙がるだろう。
野菜が苦手なお子様でも、天ぷらにしてしまえば美味しく残さず食べられる。そんな不思議な力が、天ぷらにはあるのだ。
私は最近になって、大根の天ぷらという物を知った。
生まれてこの方、大根を天ぷらにするという発想など微塵も無かったが、いざ食べてみると非常に美味であった。
サクサクの衣にホクホクジューシーでほのかな甘みを感じる大根。衝撃的だった。
そんな経験があってからか、私の中では【何でも天ぷらにすれば美味い理論】が出来上がっていた。
俺「今までに無いような食材で、天ぷらにしたら美味しそうな食材選手権やろうぜ。」
妻「いいよー。」
私はまず最初に、無難だが天ぷらとして食べた事の無い食材[白菜]を挙げた。
葉野菜の天ぷらといえば大葉等が代表的だろう。冬野菜であれば、マイナーではあるが前述した大根。
その両方の要素を併せ持つ白菜の天ぷら。想像しただけでもよだれが出そうだった。
だが、妻の発想は私の遥か先を進んでいた。
妻「んー、うまい棒。」
夜の寝室に電流走る。
私はしばらく言葉を失ってしまった。
通常、この流れであれば野菜か魚、肉類といった所謂原材料を挙げてくるであろう。
しかしながら、妻はその予想を真っ向から弾き返したのだ。
俺「駄菓子を···揚げる!?」
ガンダムSEED某回でフォビドゥンにビームを曲げられたキラみたいな反応をしてしまった。いや駄菓子て。
だが、ここで負ける訳には行かない。
妻の発想は確かに凄まじいが、美味いと断言出来るかと言うと疑問符が付く。
揚げる物はあくまで美味くなければ。
そして、そっちがその気ならと私は駄菓子の範疇で尚且天ぷらにしたら美味しくなりそうな物を候補として挙げた。
俺「よっちゃんイカ。」
高らかに宣言した。
そう、イカ天というベースがあれば美味しくなる事は明白!
うまいぼうには驚かされたが、駄菓子アレンジであれば高校時代お小遣いの大半をカードゲームに使い極貧生活を送っていた私にアドバンテージがある。
何とか勝負を五分に持ち込んだと思った。その矢先だった。
妻「パン。パンの天ぷら!」
再び走る電流。
私は耳を疑った。ワクチンの副反応か眠気でぼんやりしていたから、きっと聴き間違えたに違いない。
そう思っていたのだが、どうやら聴き間違いでは無かった様だ。妻は確かに[パンの天ぷら]と言ったのだ。
ただのぶっ飛んだ発想ではなかった。そこには確かに美味そうだと思わせる要素が含まれていた。
揚げパンである。
天ぷらは塩か天つゆで食べる。その固定観念が私の選択肢を自然に狭めていた。確かに揚げパンのように甘くすれば、パンの天ぷらは成立するかもしれない。
盲点だった。
天ぷらはどんな自由な発想で作っても良いんだ。
私は知らない内に型に嵌ってしまっていた。
完敗だ···
いやそもそも勝負では無いのだが。
選出された食材は以下の通り。
俺:白菜、よっちゃんイカ
妻:うまいぼう、パン
信じがたいが天ぷらの材料である。
まさかの前後編。次回、実食編に続く。