電車とバスで一日東国三社を巡ってみた
執筆・撮影:yamaaaaaaaan
編集:タケゴラ
サムネイル:AKIRA
※取材は2020年11月2日に行いました。まだまだ世間は落ち着かないですが、この記事でホームタウンに行った気分を味わっていただけたらと思うとともに、1日も早くコロナ禍が収束することを願います。
「かしま」と聞いて何が思い浮かびますか?鹿島アントラーズを応援する方だったら、まず「鹿島アントラーズ」。次は「カシマサッカースタジアム」でしょうか。でもかなり早い段階で、「鹿島神宮」も頭に浮かんでくる方も多いのではないかと思います。
日本建国・武道の神様である「武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)」を御祭神とする鹿島神宮。アントラーズが毎年必勝祈願を行うだけでなく、カシマスタジアムで試合がある日には多くのサポーターが試合前に立ち寄り、勝利を祈願する、アントラーズには馴染みある場所です。
この鹿島神宮は、ホームタウンの一つである神栖市の息栖神社、フレンドリータウンの千葉県香取市の香取神宮とともに、東国三社と称されます。江戸時代より、伊勢神宮参拝後にこの三社を巡拝することが人気だったそうです。今でも東国三社巡りを目的としたバスツアーなどを見かけます。
ただ、車ならばアクセスのよいこの3つですが、実は公共交通機関ではなかなか行くのが難しい…。バスツアーがあるのも納得です。
そんな中で飛び込んできたのが「10月から神栖市コミュニティバスが新たに鹿嶋市、香取市、東庄町方面へのバス路線本格運行の社会実験を期間限定で開始。そのルートには、小見川駅から鹿島神宮までの便も」というニュース。これを耳にして、「これはもっと気軽に、一人でも東国三社巡りできるんじゃない?」と胸を躍らせながら、時刻表とにらめっこ。そして、行ってみました神栖市コミュニティバスと電車を使った東国三社巡り。今回はそんなお話です。
はじめに
どこから回るか、いろいろなルートが考えられますが、今回選んだのはこのルート。
息栖神社→鹿島神宮→香取神宮
神栖市コミュニティバスの情報はこちらから
※神栖市コミュニティバスは交通系ICカードが使えます。
※今回利用したバスは一部、社会実験路線がありますので、事前に神栖市公共交通案内サイト「かみす交通ナビ」でご確認ください。また、本文中記載の時刻は、2020年11月2日現在のものです。
息栖神社へ
スタート地点は鹿島セントラルホテル。
神栖市コミュニティバスは、鹿島セントラルホテルの前から乗車できます。
10時00分発小見川駅行きのバスに乗り、約10分。息栖神社で下車します。バスを降りたら、目の前が息栖神社です。
息栖神社は路の神、井戸の神である「久那斗神(くなどのかみ・岐神とも書く)」を御祭神としており、鳥居からまっすぐ伸びた先に本殿があります。境内はぐるりと見渡せるほどこじんまりとしていますが、なかなか見るポイントは多いので、ゆっくりじっくりどうぞ。社前の一の鳥居の両側にある忍潮井(おしおい)は、伊勢の明星井、伏見の直井と並び、日本三霊水と言われていて、本殿横の御神木とともにパワースポットだそうです。
息栖神社のホームページはこちらから
鹿島神宮へ
続いて、息栖神社11時3分発のバスで鹿島神宮へ向かいます。神栖市と鹿嶋市を結ぶ国道124号線を北上してバスは進みます。鹿島神宮駅への到着は11時45分。駅から鹿島神宮へはちょっぴりキツイ上り坂ですが、がんばって上りましょう。
参道には、スタジアムグルメでもおなじみのエミールさんや、ホームタウンガイドにも載っているまるさんCaféさん、かしま甘太郎さんなどがあります。沿道のお店の窓ガラスにはアントラーズを応援するポスターが貼ってあったり、フラッグが掲げられていて、アントラーズのお膝元だと感じることでしょう。鹿島神宮の近くにアントラーズのロゴの入ったマンホールもありますので探してみてください。
日本三大楼門の一つに数えられる朱塗りの楼門をくぐったら、拝殿は正面右手。アントラーズの勝利、タイトル奪取、完全制覇、怪我人の早期復帰をしっかり祈願しましょう。参拝を終えたら、右にある大きな木にもご注目。ここにはアントラーズの選手スタッフの必勝祈願絵馬が掲げられています。
拝殿からさらに先、歴史を感じさせる巨木が覆う静寂な参道を進みます。途中には愛くるしい瞳の鹿が暮らす鹿園、武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)荒魂を御祭神とする奥宮、滾々と湧く御手洗池、地震を起こす鯰の頭を押さえていると古より伝わる要石。どれもこれも鹿島神宮の見どころです。
ちなみに、カシマスタジアムは鹿島神宮を抜けて行くことができます。試合前、鹿島神宮で必勝祈願を済ませ、歩いてスタジアムに向かう方も見かけます。鳥のさえずりや虫の鳴き声に耳を傾けながら、森からのパワーをたっぷり浴びつつ、歩くのはとても気持ちがいいものですので、天気の良い日はこうやってスタジアムに向かうのもおすすめです。
鹿島神宮のホームページはこちらから
香取神宮へ
最後の目的地、香取神宮へ。香取神宮へは鹿島神宮駅から電車に乗ります。香取神宮へは、佐原駅からタクシーもしくはバスを利用、または一つ手前の香取駅で下車し徒歩もしくはタクシーを呼ぶの4つの選択肢が考えられます。ここでは、香取駅から歩くという方法を選択します。
13時23分鹿島神宮駅発のJR鹿島線に乗り、電車に揺られること約15分。香取駅で下車します。香取駅から香取神社への道は比較的簡単で、のどかな田園風景を楽しみながら、途中に出ている案内に従って進みましょう。
歩くこと約30分。アップダウンを繰り返した先に駐車場があり、お団子や蕎麦の茶店が到着を待っていたかのように出迎えてくれます。
「経津主大神(ふつぬしのおおみかみ)」を御祭神とするここ香取神宮は、国運開発の神、武道の神、交通安全の神、農業の神、海上守護の神として信仰されています。朱塗りの大鳥居を越えると、石灯籠が両脇に並ぶ参道が広がります。緩やかなカーブを描く参道に敷かれた玉砂利を踏みしめる足から伝わる感覚からも厳かな気持ちになることでしょう。
力強く立つ朱色の楼門の向こうには黒を基調とした本殿が見えてきます。楼門をくぐり近寄ってみると、それは黒漆に極彩色が施されたとても美しい社殿。楼門の朱、本殿の黒、そして取り囲むような木々の緑。そのコントラストも目を楽しませてくれます。
本殿からさらに奥の鹿苑、参与所の向かいの御神木、パワースポットと言われる要石、経津主大神の荒御魂を祀る奥宮。香取神宮が所蔵する国宝・重文などが展示されている宝物館も拝観することができるので、時間があれば、立ち寄ってみるのも良いでしょう。
香取神宮のホームページはこちらから
さて、これで東国三社巡りは終了です。ご利益抜群、関東最強のパワースポットと言われることもある東国三社巡り。いかがでしたか?それでは、駅に向かいましょう。香取駅へなら16時1分発の電車(鹿島神宮方面)、15時50分発の電車(佐原方面)に間に合うことでしょう。今回は鹿島神宮駅へ。時間もたっぷりあったので、今回は香取駅までのんびり歩いて行きました。
今回のルート
8:00 東京駅
↓(高速バス)
9:30 鹿島セントラルホテル着
10:00 鹿島セントラルホテル発
↓(神栖市コミュニティバス)
10:11 息栖神社着~散策
11:03 息栖神社発
↓(神栖市コミュニティバス)
11:45 鹿島神宮駅着~散策
13:23 鹿島神宮駅発
↓(JR鹿島線)
13:40 香取駅着
↓(徒歩)
14:25 香取神宮着~散策
15:25 香取神宮発
↓(徒歩)
16:01 香取駅発
↓(JR鹿島線)
16:18 鹿島神宮駅着
御朱印を集めている方は…
神社参拝の証に御朱印を戴くことも最近の神社巡りの人気を後押ししています。御朱印を戴く場合は、特に時間に気をつけましょう。本殿・拝殿近くの参与所・祈祷殿が受付です。
おわりに
神栖市コミュニティバスの「鹿島神宮駅~小見川駅」路線(※息栖神社~鹿島神宮駅間で乗車)は現時点では2021年3月末までの試験運行なのですが、ぜひ今夏やそれ以降も継続して運行してくれることを期待したいものです(このスケジュールならば、19:00キックオフの試合に間に合うのです!)。
ちなみに、鹿島神宮と香取神宮は広大な境内と見どころの多さ、拝殿・本殿からバス停までの移動を考えると、滞在時間は1時間~1時間半くらいはみておいたほうがよいかもしれません。今回はちょっと欲張って、一日で東国三社を巡ってみましたが、状況が落ち着いていれば、試合観戦と絡めて二日に分けて回ってみたり、年末年始の外出を控えていた方は初詣も兼ねてホームタウン観光をしてみたりも良いでしょう。
書いた人
yamaaaaaaaan
愛知県出身。
鹿嶋市とも茨城県ともまったく接点のない人生だったのに、どういうわけか気づいたときにはアントラーズにずっぽりハマっていた。サポ歴は長くないが、アントラーズを中心に、ホームタウン、スタジアム、グルメをまるごと楽しんでいる。
車の運転が超苦手がゆえ、どこまでも歩いて行ってしまう。思い立ったときにはもう行動している。食べるの大好き。
ANTLOVERSのTwitter
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