ベトナムまでチーム8を追いかけて、SGO48を見てきたお話(社会主義とアイドルとパレードと現場主義)
悪いけど 私は
社会主義
(ベトナム共産党に)誓ってる
抱き寄せられても無理よ
政府批判はできない ごめんね
(SGO48 アオザイツーリング公演 ユニット曲「社会主義」の歌詞より)
民主主義の国に生まれ、
資本主義の産湯につかり、
自由主義とか新自由主義とかよく分からないけど、
キリスト教原理主義でもイスラム原理主義でもなく、
芸術至上主義にかぶれることなく、
実存主義って何?と勉強することもなく、
主義も主張も何もないはずだったのに、
選抜総選挙という民主主義を売りにしているAKB48を好きになり、
そーいやー憲法主義とかいう本出したメンバーいたなーと名前を忘れたメンバーが一瞬脳裏をよぎりつつ、
民主主義で選ばれたはずなのに「神7」と自らを「神」と神格化する矛盾には目をつむりつつ、
握手会売上至上主義に疑問を覚えつつ、
それでもなお我々を魅了してやまないAKB48を見るために、
行ってきました、
日本国内ではなく、
東南アジアは、
ベトナム社会主義共和国へ。
社会主義の国へ。
「パジャマドライブ公演」をBGMにしながらこれを記す。
(最初の歌詞のようなものは、パジャマドライブ公演のユニット曲「純情主義」の替え歌になります。「パジャマ」をベトナムの伝統衣装「アオザイ」に、「ドライブ」をベトナムは二輪文化なので「ツーリング」に変え、さらに「純情主義」を「社会主義」に変えました。一応念の為説明させていただきました。)
■ 海外イベント、5日前に告知
2018年11月13日、チーム8公式サイトで11月18日のイベントが発表された。
今までもギリギリ発表のイベントは多々あった。
むしろ5日前発表はチーム8現場ではイージーなほうである。
「前日発表当たり前」に慣れたエイターなら難易度「中」くらいという判定。おそらくは「この程度で音を上げるなんてたいしたことないね」とマウンティングしてくるであろう案件。
しかし謎のローマ字「HANOI」という、「IN HANOI」という、聞いたことはあるかもしれない程度の、電飾に彩られたけばい看板の「HANAKO」でも「HANATARO」でもない「HANOI」の文字。
海外イベントのギリギリ発表、それも今までイベントが行われたことがない国、ベトナム。
遠征慣れしたエイターでも5日前発表の海外イベントは流石に二の足を踏む人が多かったようだ。
かくいう私も二の足を踏みかけたが三の足で踏みとどまり、三本目の足、おっと三本目の足とは通常はポコチンの暗喩なのだが、私のポコチンは足とは程遠い、太さも長さも硬さも有さないキャップのような実質「点」、一次元の産物なので存在していないに等しいものなので、そんなポコトークチントークは求められていないことは重々承知しておるゆえ、話を戻すと、二の足を踏んだらこれはもう理が勝ってしまい、理性が天使化して囁いてくる理性の声に誘われてしまうと思ったので、「海外まで高い金を払ってアイドルを見に行くことは愚かなこと」という理性の声は聞こえない理性を発揮して、その発表を見た瞬間にGOOGLE様を開いて「成田 スペース ベトナム」と入力したのでした。
「迷ったらおしまい」。
この時ばかりは熟考や価格比較をすることを放棄。
GOOGLE様のお導きに従い、たとえそれがビックデータの思うがままの、集合知の手のひらで転がされ、最もこちらが損をする広告主のサイトだったとしても、そこを疑ったらそもそも「アイドルを見るためにベトナムに行く」という行為自体、人として正しさの欠片のない行為を疑わなければいけなくなるので、検索結果の1番上に出てきたサイトをそのまま鵜呑みに航空券を予約するという、液状化現象により地盤沈下して大分低くなった清水の舞台から飛び降りる程度の思い切りを発動し、ベトナムまでの往復航空券を予約したのです。
マカオ航空とやらの、マカオ国際空港経由ベトナム行き往復42860円。
正直。
安いと思ってしまった。
「どうせ8万円くらいするんでしょ?」とパソコンに話しかけながら、本当に往復8万円もしたらそっとサイトを閉じようと思っていた私の目に飛び込んできたのは往復26000円の文字。
5日前でそんなに安いの!?LCC万歳!
サイトを進めていくと、空港使用料やらなんちゃらで、先程の42860円になったのだが、ギリギリのくせに安いではないか!と思った。
昨今、国内LCCもギリギリ購入だと大分ぼったくってくる。
それが適価なのかもしれないが、しかしてしかし、片道1万円以上がずらっと並ぶギリギリ時の国内LCCに比べれば、海外なのに安いとは思うし、実際これ以上安く行くのはなかなかに海外LCC慣れしていないと、なかなかなかなかになかなかきつい。
■初海外
そうそう。
私は齢を重ねたこの年齢まで日本国を出たことがない。
初海外旅行でもある。
しかし、通常の旅行とは違う。
いい齢のおっさんが少女を追いかけんの?
今更そんなことに対してヲタクを名乗っている自分が自虐するのもお寒いので、その世間一般に眉をひそめる事象に対しては目を閉じておくとして、それとは別に、初海外旅行が旅行計画を密に詰めることなく、実質思いつきで、しかもわざわざベトナムに行くというのにハノイ市内くらいしか観光できない旅程を組んだことである。
つまり旅行ではない。
つまり遊びではない。
つまり遊びじゃねーんだよ。
「遊びではない」の反対語「仕事なんだよ」。
“7:00からの駅伝に、濵咲友菜、下尾みうがSGO48メンバーとともに参加し、10:00頃からのイベントには6名で出演します。”
■ シチュエーション:寄席
さてここで、舞台は東京は浅草、新宿、上野、池袋に移ります(パン、パン)。
浅草、新宿、上野、池袋と申しますと(パン)、寄席があるわけでございまして(パパン)。
講談師(パン)神田松之丞氏の活躍は皆さんご存知(パン)、今伝統芸能の講談に注目が集まっているのでございます(パンパパン)。
ここで(パン)今風の言い方をすると(パン)カミングアウトとでも言うのでしょうか?(パン)わたくしことアンチッチ(パン)実は(パパン)修行中の身なのであります。
「行進師」
行進師(パン)カンジダあそこアンチッチの嬢(パンパパン)。
わたくし名前を「カンジダあそこアンチッチの嬢」でございます(パン)。
行進師?(パン)
行進師とはなんぞや?なんですか?なんなんですか(パパン)。
これすーなーわーちー、パレーダーーーーーーーーーーなり(パンパパンパンパパン)。
寄席ではなく行進現場で日々切磋琢磨、行進追従修行に邁進しておる身でございます。
落語家は日本に東西合わせまして800人以上おりますが、しかし講談師となると全部で80人程、しかもその約半分は女性なのでございますな。
さあそこで(パン)行進師になりますと(パン)なんとこれ(パン)東、西の区別なく(パン)それこそ国境の区別なく、なんとこれ(パンパパン)1人しかいないのでございます。
そうなのです。
日本に行進師は一人(パン)1人(パン)独人(パパン)。
私だけなのです。
むしろ私なのです。
私だけが行進師。
私という存在が行進師。
そもそも。
行進師とはなんぞや?
行進師なぞ存在しないのではないか?
なるほど。
そう言うのでございますか。そう言うのでしたら、つまりこれ。
わたくし(パン)ペテン師ということでございます(パンパパン)。
アンパンマン体操よりも「パン」と「パパン」を多用させていただきました。
説明不要とは思いますが一応、「パン」と「パパン」は講談師が振りかざす、扇子と張り扇の音でございます(パンパパン)。
行進師は2018年、活動の場が枯渇していた。講談師の比ではなく、絶滅の憂き目にあっていた。
チーム8はパレードをやらず、STU48はティッシュを配らず。
これでは行進師もクソもない。ただのニートではないか。困った困った。
行進師=パレーダー=ニート=無職=ニート=パレーダー=行進師
…。
なんと!
天動説は嘘で、宇宙の中心は地球ではなく無職であったと言うのですか?
コペルニクス先生!これが世界の真実だと言うのですか?
そんなわけはない。
なぜなら、行進師が無職ということになると、私が日頃「遊びじゃねーんだよ」とイキっていたことがすべて「遊び」になってしまう。
認めるわけにはいかない。そんなことは。
しかし芸を継続できない。なぜなら現場がないから。パレード現場なくして行進師は存在し得ない。
幾多の伝統が消えていった近代現代。こうして行進師の灯火も、今まさに、消えゆく運命なのだろうか。
否。
「ベトナムへ行け」
70年代のアメリカだったら徴兵からの出兵からのベトコンに殺されていたかもしれないような要望だが、天から聞こえてきた「ベトナムへ行け」は行進師としての私にとって私の全存在の存続をかけて従わなければいけないことだったのです。
天啓とはまさにこのこと。
濵咲友菜、下尾みうが駅伝に参加するというではないか。
駅伝とはこれ走ることなり。マラソンなり。
走るメンバー、追いかける私、それすなわち実質パレード。
パレード現場ということになる。パレード現場ならそれは行進師にとって仕事。
「遊びじゃねーんだよ、バーカバーカ」
こうしてわたくしことアンチッチこと行進師ことパレーダーこと人間の屑からこぼれ落ちた埃の集合体は成田空港からマカオ国際空港を経由してベトナムの地へ降り立ったのであります。
■ ベトナム入国
21時半を過ぎたくらいのベトナム。
肌にまとわりつくジメジメ。
空気が質量を持ったようなムシムシ。
これぞ日本の夏。
否。
ここはベトナムはハノイ最寄りの空港、ノイバイ国際空港。
空港に降り立ち、とりあえず5000円をベトナムドンに両替。
1000000D。
100万という単位を財布に忍ばせて歩くのも人生初である。
空港を出て、事前に調べておいた「86バス」という名称の、市内へと向かう空港バスに乗る。タクシーでぼられる恐怖心からバスを選択。
実際この「86バス」は市内まで35000Dと、約175円で長距離移動できるのでコスパを考えてもお得です。
ベトナム人、西洋人が入り交じる車内に初海外の日本人が一人。
ベトナム語も英語もできぬ、狙われたら即死亡確実の情弱鴨葱。
しかしバスの車掌さんは優しく、外人の乗客には代金回収がてらどこで降りるのか聞いて回ってくれるスタイル。
これまた事前にダウンロードしておいた、電波がなくてもGPSだけで自分がどこにいるか分かる地図アプリの画面を出して、会場になる公園あたりを指差す。
オフライン地図アプリ「maps.me」
すると「次の次で降りろ」みたいなことをジェスチャーを交えて教えてくれた。
よく分からないけどおそらくホアンキエム湖からそんなに遠くないバス停で降りる。
アプリの地図を頼りに翌日の駅伝のスタート地点とステージの確認をしなければ。
さすがに徹夜で並ぶような、日本からの遠征民がいないことはなんとなく察していたから、ヲタはいないだろうと確信していたし、いたとして1~2人くらいなら勝手に並んでいてくれってなもんです。
前日の段階から会場付近の道路に車が入れないよう、カーキ色の警察がバリケードを作ってホコ天にしていた。
スマホをいじっている社会主義国家の警察を横目に公園にたどり着く。
「リー・タイトー公園」
ホーチミンに並ぶベトナムの英雄「リータイトー(李太祖)」の大きなブロンズ像がシンボルの公園。
この駄文の主な舞台は「ホアンキエム湖」「リー・タイトー公園」であることを先に記しておく。
公園内には案の定、もちのろん、ヲタクはいない。
ヲタクはいない代わりにSGO48がステージ上にいた。
■深夜SGO48に遭遇
…。
…いたんだよ。
照明のない、公園の電灯のみの真っ暗なステージにいる、顔がよく見えない女の子たち。それがSGO48である確証はない。
ない?
…。
舐めんな!舐めんじゃねーぞ!
確証はある。
あるに決まっている。
なぜなら、なぜなら俺が来たからだ。
俺様がベトナムに来たんだから俺に合わせてSGO48がリハをやっているに決ってるんだろうという確信。俺様的自信、大事なのよ。
はるばるベトナムにまで来た甲斐がある。
前日リハもひとつの現場と数える風習があるでお馴染みのアイドルヲタク。私だけかもしれないが。
スマートフォンに目をやると23時30分は過ぎている
0時にほど近い時間に少女たちがリハーサルをやっている。
ここはベトナム。
南国ゆえ、涼しくなった夜遊ぶ風習があるから、深夜に青少年が出歩いていようが、働いていようが問題ないのであろう。
ここ数年の、コンプラ合戦コンプラ監視合戦の日本ではもはや見られない、オープンな場所での少女たちの深夜リハ。
これだけでも「ベトナムに来て良かった」「これが社会主義か」と驚嘆したのだが、そんな私をコンプラ棒でぶん殴ってきたのがステージの前にいたマダムたちである。
今振り返ってもあの集団が何だったのかは分からない。
よそ行きのような身なりのいいマダム集団たちがステージ前の椅子をプチ円状に並べ、歓談していた。
円の中心にはケーキのようなものっぽいなにかが置いてあったり、花束的なものが立てかけてあったり。
パッと見たら、そのマダムの中の誰かの誕生日でも祝っているのであろうか?
だが日本の常識はベトナムの非常識。そんな格言があるのか知らないが、我々ごとき平和ボケした、実は言論の自由を謳歌している日本人が憶測でマダム集団が何の集会をしていたのか決めつけるわけにはいかない。
事実を事実として記載する。
マダムたちは、次の日のイベントの観覧椅子を勝手に円状にし、中心にケーキのようなものを置きつつ、終盤ギターのようなものを持ったおじさんが演奏を始めるとマダムたちみんなで歌っていたのである。
歌うマダムたちとステージ上で翌日のリハーサルをするSGO48。
ベトナム歌謡曲なのか祝福ソングなのか。
マダムたちの歌声が響く公園。
SGO48メンバー全員の「アリガトウゴザイマス」「ヨロシクオネガイシマス」という日本語での挨拶が響く公園。
深夜の公園。
なんなんだ?
ここは本当に日本か?
日本はいつからこんな国に、に、なっ、て、
あ。
ベトナムだった。
ベトナムでした。
ベトちゃんドクちゃんマダムちゃんでした。
うん。
それはやめよう、笑えない。
歌うベトナムマダムたちと、日本語で挨拶する練習をするSGO48メンバーたち。
その風景はまるでフェリーニの映画でも見ているかのようだった。
そうか。
そうだ。
ベトナムは元フランスの植民地。
そうか。
そうだ。
フェリーニはイタリアの映画監督。
そうか。
そうだ。
関係ない。
ちなみに、私の稚拙な文章ではこの光景を表現できていないことは重々承知しておりますので、こちらを参照していただければ。
公園内には、さすがハノイ市最大級の公園だけあってフリーWi-Fiが飛んでおり、それによってすぐさま先にベトナムに到着していた知り合いに連絡。
リハにも間に合ったので、見終えてから二人で適当なバーに入り、約275円のビールを2杯飲んで別れる。
その店は観光客用の深夜までやっているバーのようで、若干割高だったが、そもそもベトナムは安いから、安いという感想しかない。
歩いてその日の宿であるところのドミトリーへ向かう。
日本から予約して750円。おそらく現地予約ならもっと安いのだろう。
ドミトリーにしたのはわけがある。
もちろん、いつ何時であっても1万円10万円を捨てられる富豪でしたら、ホテルでいいのですが、貧乏の言い訳としては、次の日の駅伝、スタート時間は7時。
遅く到着して朝早く出発する、ならば寝床だけでいいんです。
あと漫画喫茶かカプセルホテルがないベトナムが悪い。俺は悪くない。
チェックインの時刻は思い出せないがチェックアウトは5時半。
寝た時間は3時間なかったはずだから、今後の48海外イベント前日はどうせ朝早く動くだろうから最安ドミトリーにしようと思ったのでした。
旅行じゃない。ヲタ活をしに来たのだから。
■11月18日駅伝当日
早朝の公園。
ホアンキエム湖ほとりの公園。
なんと爽やかな現場なのだろう。
ただし気温と湿度は相当な不快指数。
市民ランナーやウォーキングする人に溢れ、そこかしこで体操をする人人人。
健康を求め、健康体の極地点になっている早朝の湖のほとりの公園にいてはいけない人間。
二日酔い、ヲタク、不健康の三重苦を患っているわたくしことわたくしが早朝の公園に立ち入った。
空港の金属ゲートの健康版があったら、聞いたことがない音の警報音が鳴り響き、公園内に入れなかったであろう。
駅伝イベント。すなわち日越交流イベントなので、ベトナム在住の日本人がそこら中に集まっている。
日本語もちらほら聞こえる。
昨夜のベトナムマダムの洗礼のようなことはさほど期待できない予感。
無秩序を味わいたい身としては、しっかりとした柵にしっかりとした導線にしっかりした設備が無秩序への期待を砕いてきた。
日本のチーム8の地方イベントと遜色ない、ちゃんとしたイベント会場。
駅伝会場なのにバイクが駆け回っているようなことはまったくない。
ごくごく普通の、市民ランナーが汗を流すイベント。
そこにSGO48とチーム8が参加すること以外は普通の駅伝イベントだったのだろう。
前日お披露目された、最も新しい48グループことSGO48の初仕事は「駅伝」。
「駅伝」がアイドルとしての初仕事。
最高だ。
最高だな。
これを最高と言わず何を最高と言うのか?
デビューは雑なら雑なほどいいに決まっている。
売れた時に滑らない話になるのだから。
劇場デビューでもない、コンサートデビューでもない、メディアデビューでもない、駅伝デビュー。
そもそも駅伝ってなんだ。
ベトナム人みんなバイクだよ!バイクばっかだよ。どこもかしこもバイクだらけだよ!
駅伝だというのにハノイ駅関係ないよ。
やるならガススタンド伝だろ。
いくら「EKIDEN」が英語にもなっているからといって、ベトナムの少女たちがアイドルになって最初にやる仕事が駅伝でいいのだろうか?
いいんです。
でもこれでいい。
これがいい。これを欲している。全アイドルにこれを欲している。
SGO48は私の欲しているものを提供してくれたし今後もくれるはず。
期待はすぐに現実となる。
スタート地点付近で待っていると前日夜に見たSGO48メンバーがやって来た。
もちろん歩いて。
引率の先生に導かれる修学旅行生のような、女学生たちがただ歩いて公園に来ましたという、ごくごく普通の歩みで正面入口から堂々の登場である。
すぐにiPhoneを向けて、手を降ったりピースをしたり。
初々しいとかよりも、あまりにも普通に来て普通にしているから、前日お披露目ということもあって、普通の女の子たちにしか見えないのが実際のところ。
しかし、後にベトナムで国民的な存在になる可能性は十二分にあるので、有無を言わさずがっついておく。
するとメディア用なのか、集合写真を撮る流れになり、私もカメラマンの横に座っておこぼれSGO48集合ショット。
ここですっかり油断していたベトナムの洗礼を再び受けることになる。
メンバーが並んでカメラに向かっているとどこからともなく陽気なベトナム人が集合ショットに入り込んでくることが2回。
南国らしい陽気な性格だから仕方ない。というような、ざっくりとしかその現象を分析することは不可能であるが、だがまあどうしようもねー。
なんなのだろう、この感覚。
俺みてーだな、どいつもこいつも。
あいつらは俺だ。あの2人は俺だ。
こいつとこいつは俺だ。
名誉ベトナム人になれる気がした。
その写り込んだ2人はランナー側の人で、決してヲタクサイドの人間ではなかったが、少女たちが集合で写真を撮っていたらついでに入ってやろうという性根、嫌いじゃない。
かくいう私もそういう悪ふざけをするために生まれてきたのではないかと、DNAに刻み込まれているのではないかと思うくらいには、似たようなことをしたことは多々ある。
日本なので、日本サイズのスモール非常識なのだが、チーム8の親族たちがコンサート終わりの駅前に集まって集合写真を撮っている時、バレないように映り込む位置に移動してピースしたことはある。
気づかないふりして写り込んだこともある。
そんな普段の自分を客観視する機会をくれた陽気なベトナム人2人。ありがとう。
スタッフに怒られている光景も含めて「俺みてーだな」という感想しかない。
SGO48メンバーが何をするために出てきたのか、駅伝の応援でもするのか、控室にでも行くのか、どちらにしろ追いかけるから動向を注視していると、スタート地点に人だかりが。
なんといつの間にか駅伝メンバーがスタート地点に入っていたのである。
SGO48に気を取られてチーム8メンバーに気が付かなかった。
これだから初物ヲタは…。
などと自戒することなく、ダッシュでスタート地点へと赴く。
駅伝参加メンバーはAKB48チーム8とSGO48混合4人チーム。
・下尾みう
・濵咲友菜
・レ・サニー(Lê Sunny)
・ヒカリ(Châu Ngọc Đoan Thảo)
サニーちゃん!
君を探していたんだよ!
ベトナムメンバーの中にサニーちゃんがいないと思っていたら、駅伝メンバーだったのだ。
サニーちゃんことレ・サニー。
それ以外不明。この時点では。
前日のお披露目画像でなんとなく幼そうなサニーという名のことをうっすら覚えていたから。
あとは「サニー」という響きがいいから覚えた。
それだけ。それだけの情報で暫定推しを設定しておりました。
まさか昨日お披露目、今日駅伝という、デビューしたのか、それをデビューと呼んでいいのか分からない状態のサニーちゃんは、まさかまさか、そこに来ていた日本人ヲタクが勝手に自分のことを推しメンにしているとは知る由もないわけで。
スタート地点に立っていたレ・サニーちゃんはこの後自分にがっついてくる日本人がいることをまだ知らないのであった。
今にして思えば、駅伝のスタート地点がアイドルとしてのスタート地点というメタファーにもなっていて、ここからレ・サニーのアイドル人生がスタートする地点でもあったわけだ。
そして、アイドル人生スタート直後から秒で厄介なヲタクに付きまとわれることになる。
果たしてレ・サニーの運命やいかに!?
などと、サニーちゃんを見つけてテンションが上ったのはおそらく私だけでして。
ほとんどの、スタート地点に殺到しているヲタクのお目当ては下尾みうなのであった。
■下尾みう
2018年のAKB48を象徴するメンバーはすべてチーム8だった。
これに関しての異論はまったく聞く耳を持たないのであしからず。
東京都代表小栗有以、「Teacher Teacher」選挙シングルセンター。
栃木県代表本田仁美、PRODUCE48からIZ*ONEとしてデビュー。
青森県代表横山結衣、選抜に混ざりミュージックステーションでセンター。
山口県代表下尾みう、PRODUCE48で最終メンバーに残るも落選。
デビューならず。
しかしPRODUCE48でIZ*ONEに選ばれなかったメンバーの中で最も人気がある日本人メンバーは下尾みうなのである。
なぜか?
知らん。
知らん知らん知らん。
顔じゃね?
顔とかスタイルとか?
顔なんじゃね?
とにかく、下尾みうだけやたら人気がある。バズっているという表現が今どきかもしれない。
アンケートも根拠も何もないが、韓国人ウケする顔だったのではないだろうか?
パフォーマンスももちろん素晴らしかったが。
PRODUCE48負け組の中で一番の勝ち組という、説明の難しい特異点に下尾みうはいる。
もともと、はっきり言って、下尾の人気はチーム8の中で下位の方だっただろう。
正確な数字は何もないが、チーム8現場や握手会で超人気メンという場面は一度も見たことがない。
そして何より、ヲタクに恵まれなかったメンバー代表でもある。
山口県での地元イベント仕事を発注していたヲタク公務員が免許偽造で逮捕され、全国ニュースになってしまったことから始まり、チーム8の新公演であるところのトップリード公演でセンターに選ばれた矢先にトップリード新妻氏が新妻容疑者になるというミラクル。
選抜総選挙の速報で名前が呼ばれず、そのことに下尾みうが怒るSHOWROOMの動画を見たことがあるが、察するに、「速報に絶対に入れるよ」とふかしていた、下尾ヲタクの中でも中心的な界隈があったのだろう。
下尾みうが引き寄せてしまったヲタクたち。
ヲタクに恵まれないメンバーは多々いるが、全国ニュースになるような逮捕者を2人も出してしまったのは、これが日本で1番有名なアイドルや女優ならあるのかもしれないが、1AKB48のメンバーの中でも人気の薄かったメンバーに降り注いだヲタ災難としては、歴史に残ると言ってもいい、アイドル史に残るヲタ災難だろう。
とにかく「もっていない」という、「運も実力の内」の芸能界では致命傷であろう属性。
そんな状況から脱出するには、ヲタクがまったく関係ない「実力」でのし上がるしかない。
PRODUCE48とは下尾みうのための企画だったのかもしれない。
しかしIZ*ONEのメンバーになることは叶わなかった。
どうやらここが「底」だったと思う。メンバーに選ばれなかった地点が「底」。だがそこは本当に「底」で、その底の地点から瞬間最大風速で、音速で、下尾みうの存在は大きくなっていく。
もちろんIZ*ONEメンバーになっていたらとんでもないことになっていただろう。
しかしPRODUCE48はアジアを中心にたくさんの人たちが、若者たちが見ていた。
下尾みうは日本を超えて、韓国人気を超えて、グローバルアイドルになっていたのである。
選抜総選挙も握手会人気も飛び越えた、48史で今や最も稀有な人気メンバーになった下尾みう。「外人」という新規客を獲得して人気メンバーになったAKB48メンバー。
もちろん、データやSHOWROOMでのハングル文字を見ていて、下尾みうの海外人気は知っていた。グローバルに人気があることは知っていた。
つもりだった。
今から振り返ればそれは知ったうちに入っていなかった。
やはり現場で見ないと本当のことは分からない。
下尾みうが韓国だけではなく、世界で人気メンバーになっていたことを。
下尾みう論が熱くなってしまったが、チーム8を初期から見てきた身としては、今までヲタクに恵まれなく、運にもあまり恵まれなかった子の大躍進、ジャイアントキリングには感慨深いものがあるのです。
駅伝のスタート地点に話を戻すと、下尾みう目当てのヲタク、ここでは「ファン」という敬称のほうが正しいかもしれないが、とにかく下尾みうを見るためにたくさんの人が集まっていた。
「ミウチャ~ン」「ミウチャンカワイイ」
あたりに響く、片言の「ミウチャン」コール。
しかもほとんどが若い女性たち。
ベトナム人のK-POP好きがPRODUCE48を見ていて下尾みうのファンになったという、昨今日本のアイドルシーンではあまりお目にかからない、メディア発スター誕生感。
さて。
こんなグローバルスターになった下尾みうがなんと今から走るというのだ。
なんということだろう。
そこは、ベトナムはハノイはホアンキエム湖。
日本の過ごしやすい秋の気候ではない。
たっぷり湿度を含んだ空気がジメジメムシムシと攻撃の手を緩めない地獄。
そんな環境で今からグローバルアイドル下尾みうが駅伝をするというのか?
最高。
せーの。
最高!
雑な現場こそチーム8イズム。
柵なしパレード当たり前のチーム8にとって、今最も大事にしなければいけないAKB48のメンバーを走らせることこそチーム8イズムなのであります。
チーム8の初期の色が失われつつある今、下尾みうと濵咲友菜を走らせる。海外で。蒸し暑いベトナムで。
それすなわち地獄。そして天国。
そんな地獄兼天国現場にチーム8の伝道師がいなくてどうする?
だから行ったのだ。結果論だけど。
ゆけば分かるさ、地獄絵図。
現場しかないんだよ。
この世には色々な主義も主張もあるだろう。個々人みんな主義も主張もあるだろう。
にんげんだもの。
もし私が主義を持っているとするならばやはり「現場主義」ということになる。
しかしここで断っておきたいのは、「現場主義」の対に「在宅主義」があるわけではない。
「在宅は死ね」
モニター越しのニコ生視聴者に放った社会学者、濱野智史氏の名言至言は、共に路飲んだハイボール缶のアルコールを経由して、私の身体の血肉になっております。
「在宅が同じ土俵でもの語れっと思っとんのか?われ?」
在宅ごときが現場主義と肩を並べられると思ってんじゃねーぞ。
おめーらは吠えるだけだ。
おめーらが発信した気になっているのは、空の薬莢だ。
実弾は拾いに行くか盗みに行くしかねーんだよ。
「悪いけど私は現場主義。
社会主義の国で気づいたの。
まとめサイトが嫌いなの。
だってまとめは在宅の拠り所。
握手会は現場じゃないの。
だってそこは管理されたサファリパーク。
事件は起きない、ごめんね。
それは現場って言わない。
悪いけど私は現場主義。」
この現場以外に本番なんてものは存在しない。
もともとチーム8が好きになったのは現場でしか味わえない、想定外の事件事故が楽しかったから。
ベトナムという異国の地の、しかも管理のずさんな駅伝に放り込まれたチーム8メンバーの下尾みうと濵咲友菜は昔のチーム8のようだった。
グローバルアイドルを一目見ようと集まった現地ファンたちに混じる日本人の私。
チーム8メンバーに対して私は「認知」がある。
そこだけは唯一の優位性。
下尾みうと濵咲友菜に「!!!」な反応をしてもらう。
濵咲友菜ちゃんに干され気味の私も、さすがにベトナムということで、海外遠征ボーナスにより、ちょっとは反応してくれた。
嘘でも嬉しい、義務でも嬉しい、花いちもんめ。
■駅伝スタート
駅伝のスタート、それイコール私もスタート。
駅伝スタートの銃声が鳴り響いたら、私も走らなければいけない。
走るために、濵咲友菜ちゃんと並走するためにベトナムに来たのだ。最大の目的は「並走」。
「並走」=往復42860円の価値。
第1走者は下尾みう。
下尾目当てのカメコたちがそれぞれの位置からバシャバシャ撮りまくっている中、駅伝がスタート。
濵咲友菜との並走が目的だがそこに下尾みうが走っているのなら、それは並走するしかない。
「落ちているアクティビティは拾え」。
そりゃこんだけグローバルアイドルな下尾みう様の、そんな大人気下尾みう様と並走する動画上げれば、RTいっぱいされるのは誰の目にも明らかなわけでして。
下尾みう、半周×2
濵咲友菜、半周
サニー、100メートル位
運動をしていない。健康ではない。
そんな私がメンバーと並走なんてことできるわけなぞなかったのだ。
まあ、さすがにそれに関しては「知っていた」なのだが。
ここで下尾みうを半周追いかけた直後の私の言葉。
「おえ」
ここで濵咲友菜を半周追いかけた直後の私の言葉。
「おえ」
止まった直後に胃の中の何かが反射的に外に出ようとして、慌てて口に手を当てて公園に撒き散らす難を逃れた。
本当に危なかった。
物理的に反芻を抑えた。
ベトナムの適当な空気的に吐瀉物を撒き散らしても許してくれそうだけど、さすがに日本からゲロ巻きに来たのかてめーとなるのは避けたかった。
運動不足の身体が悲鳴をあげてしまい、顔面は蒼白。
汗を止まらず、身体を冷やすためにトイレの洗面台で顔を洗うことにする。
そこに思わぬトラップがあるとは知らずに。
トイレの手洗い水なんてものは、飲水ではない。
ここは日本ではない。ベトナム。
洗面に使用した水が唇に触れる。
「まずい!」
わずかに唇に触れた水が放ってきた毒々しいドブ味。
気分リフレッシュのために行った洗顔が起因で気分が悪くなる。
そう、ここはベトナムなのでした。
駅伝がメインだったとはいえ、駅伝追いかけた結果汗だるまで死にかけの健康不良おっさんが1匹誕生するという惨事。
それもこれもチーム8が日本でパレードを全然やってくれないから、ベトナムまで来て、走るメンバーを走って追いかけることになったのだ。
ふーざけるなー。俺は悪くない。
公園なので自販機は点在しており、約25円の水を購うことはできた。
水を一気飲みして、貧血一歩手前の体を引きずるように歩く。
濵咲友菜並走でほぼベトナムに来た目的を達成したことになったのだが、ぜえぜえ歩いていると向こうからサニーちゃんが走ってくるではないか。
■レ・サニー登場
下尾みう→濵咲友菜→サニー→ヒカリ
という駅伝の順番、襷の順番、チャンスの順番。
満身創痍だったが、走るサニーちゃんに声援を送る。
「サニーちゃん!がんばって!」
とっさに出てきたのは日本語。ベトナム人少女相手に日本語で応援してしまう。
これが低脳低学歴スペック。
さらにこの時は並走による低酸素でもあった。
低脳低学歴低酸素低収入低層住宅住まいなのにアイドルには貞操を求めるクソ野郎こと私。
そんな低低低私の低日本語応援に対して。
「はい、がんばりますー」
…。
幻聴?
否。確実に「がんばります」が頑張っている口調で聞こえた。
天使?
天使は神様みたいなものだから、わたくしめの卑しく汚れた心に直接言語を超えて語りかけてくれたのか?
近代だったのなら「レ・サニーちゃんは天使だから、私の心に直接話しかけてくれた」という説で押し切っていた。
私はベトナムで本物の天使に会ったと日本で吹聴したであろう。
レ・サニー教の宣教師になっていたはずだ。
だが、時は平成すら終わろうとしている2018年。
スティーブ・ジョブス、あなたは天国に行ったかもしれないが、あなたのせいで私は天使を主張できない。
私の所有するApple社製iPhone7の動画ファイルにははっきりと「がんばります」という日本語で返事をする、レ・サニーちゃんの走る姿が収められているのであった。
「がんばります」
サニーちゃん
…萌えた。
萌えたし燃えた。
私の中の、俺の中のお兄ちゃん魂が燃えだした。
なんとレ・サニーちゃんは日本語がちょっとできるらしい。
なるほど。なるほどなるほどなるほど。
そうなると。
「君に決めた!」発動である。
決めたのである。決定したのである。決断したのである。
何を?
推すことを。
我、推すことと決めたなり。これすなわち行進師の挟持なり。
わたくしアンチッチ、SGO48の推しメンは「Lê Sunny」なり。
推しメンなどという、恥ずかしいヲタク1年生が使うような言葉。しかし逆を言えば、そんな言葉を言わせてしまうくらいには破壊力があったのが、日本語で応えてくれるレ・サニー。
しかもレ・サニーちゃん、走るのが遅いこと遅いこと。
おっせー、おっせー。
「世界じゃそれを萌えと呼ぶんだぜ!」(サンボマスター)
体力がない子なのかは知らんが、駅伝メンバーの中で最も若く、元気がありそうな風貌なのに、2周目走ってくるのを待っていたら、待てども待てどもやって来ず、小さすぎて気づかなかった故実は先に行ってしまったのかな?と不安になっていたら、向こうから歩いているような速度でとてとて走ってきたのである。
「君に決めた!」
大事なことなのでもう一度決めておいた、キメておいた。
ベトナムまで孤独の身で来てみたら、「孤独のグルメ」の有名なセリフ
「こういうのでいいんだよ。こういうので」
な推しメンを見つけることができたのであった。
ほんと、素朴で可愛らしくて、しかも異国の美少女、コミュニケーションはうまくとれない、だがそれがいい、そう、これこそ、この状況こそ
「こういうのでいいんだよ。こういうので」
未来のエースを探しに来たわけではない。こういうのでいいんだよ。
しかし、レ・サニーちゃんが未来のエースになる可能性も十分にあるのは面白い。
つまり「こういうのでいいんだよ」である。
ヘロヘロに疲れた私を一瞬で癒やしてくれたサニーちゃん。
「俺がベトナムに来た理由、それはお前に出会うため」
ガチ恋口上のことは嫌いでも、ガチ恋口上のキャッチーさからは逃れられない。
ふとした拍子に脳内で鳴り響くガチ恋口上。
ガチ恋なの?ベトナムの15歳に?犯罪じゃないの?捕まるよ?いいの?本当にいいの?正気なの?本気で言っているの?新潟はまだ国内だからいいよ。厄介がちょっとなんかしたって。よくないけど。大ニュースになるけど、法が関与するのはその2人の不起訴になった逮捕者だけだろうし。だけどさ。ベトナムだよ?子供だよ?国際問題だよ?子供が絡んだ国際問題ってもう大変の次元が違うよ。いいの?ねえ、ねえ、ねえ。
・ベトナムの 少女を推して 終身刑(ガチ恋川柳)
…。
…黙れ。
そこはオブラートに包もうではないか。
そう、「推す」じゃないほうがいい。
やはり「推す」という言葉はよくない。本気さがある。こいつ「本気(マジ)」じゃんが滲んでいる。
ベトナムに少女を「推し」に行くのでは、あらぬ誤解を招く可能性がある、というかあらぬ誤解を招く可能性しかない。
こういうのはどうだろう?
推すという言葉に変わる、SGO48メンバーを応援する言葉を作るというのはどうだろう?
「ODA」(おだ)
ODA。これだ。
SGO48メンバーに対しては「推す」でなく「ODA」するのである。
ガチ恋ではないです。
これは政府開発援助なんです。
私はレ・サニーちゃんをODAしているだけなんです。
ODAするためにこれからベトナムに行くのです。
助けに行くのです。
レ・サニー!
助けに行くからな!
開発援助に行くからな!
俺のODAメンはレ・サニーちゃんだ!
■襷
ここで筆者から筆者へ。
著者から著者へ。
読者完全置き去りの質問をしてみたい。
「あなたは誰を応援していくのですか?」
・推しメンであるところの濵咲友菜。
・グローバルアイドル下尾みう。
・ODAメンであるところの異国の美少女、SGO48レ・サニー。
さあ私、どれを選ぶのですか?
…。
(筒井康隆著「虚人たち」ではありとあらゆる小説の実験的手法が示されており、「原稿用紙1枚が1分」という設定のもと物語が進んでいく。だから、主人公が失神している場面では、失神している分数の空白ページが続く。その手法を踏襲させてもらえるのならば、ここから原稿用紙2~3枚分ほどの空白を要求したいところである。だがこの文章は文学などという代物ではもちろんなく、アンチ文学でもない。随筆でもなく日記でもない、そう、ただのブログ。ネット上のブログのようなもの、そのネット界の中でも最下層である便所の落書きに類するブログもどきである。私は空白にする自由を有するがあなた達は空白を「空白」と認識して、読むことをやめることができる。つまり、そんなくだらない、背伸びにすらなっていない、お寒い自己満足文学ごっこパロディーをするくらいなら、さっさと次の場面、イベント本番の話を書くべきなのである。しかし私は困っている。私にも立場というものがある。濵咲友菜推しなのである。それは、それだけが48ヲタとして唯一のアイデンティティなのである。故に「濵咲友菜推し」という肩書が外れた私に、48ヲタク界において存在意義はないのである。それなのに。上の設問、どの子を選ぶかで「レ・サニー!」と青空学級の、ひまわり学級の生徒のごとく、知恵遅れ全開な、元気に手を上げながら即答してしまったのである。しかし私は、どうせこんな長文誰も読まないと思っていても、誰か読む可能性があることが空っぽの頭によぎってしまい保身に走る、失うものがない人間が最もやってはいけない、くだらないくっだらない保身から、ここで第四の仮想推し予定メン、MUM48の名前でも出してお茶を濁そうと思っているのだがどうだろう?チームTPの推しメン候補だった本田柚萱ちゃんは現在療養中である。なので、まだお披露目すらされていない、インドの、MUM48の名前でも出しておいて保身しようかと思っている。本当に世知辛い世の中だ。子供メンの名前を声高に叫びたいし叫びたい。しかしレ・サニーちゃんを選ぶなら何かほどよい理由が必要になる。言い訳だ。見苦しくとも言い訳なくして推し変のようなことは禁物だ。待てよ。そうだ、駅伝。駅伝。タスキ。襷。欅。欅は違う。襷だ。襷を渡す。絆。そうか!)
2~3分位たっただろうか?
実は上の設問の正解は、すでに先の文章で記していたのです。
駅伝という競技の都合上、襷が次のランナーに受け継がれていく。
駅伝走者の順番は、
下尾みう→濵咲友菜→レ・サニー→ヒカリ
であったことはすでに記している。
そう。
濵咲友菜ちゃんから襷を受け取ったのはレ・サニーちゃん。
濵咲友菜ちゃんが襷を託したのはレ・サニーちゃん。
AKB48→SGO48に襷は渡ったのである。日本から越南へ。日越の絆が生まれたのである。
襷は託された。
誰から誰に?
濵咲友菜ちゃんから。
レ・サニーちゃんに。
濵咲友菜ちゃんが。
レ・サニーちゃんへ
襷を渡した。
レ
サニー
ちゃんに。
未来は託されたのだった。
ベトナムと言えば二輪大国。ベトナムで1番有名な日本企業と言えば?HONDA。
そしてSGO48のスポンサーはHONDA。
つまり。
濵咲友菜からレ・サニーに襷が渡ったということは、これは単に濵咲友菜という少女からレ・サニーという少女に襷が渡ったという運動会的なことではなく、そしてAKB48からSGO48に襷が渡ったという単純な話でもないのである。
日本から越南へという国と国の話でもない。
TOYOTAからHONDAに襷が渡ったということだ。
チーム8(supported by TOYOTA)所属、濵咲友菜からSGO48(supported by HONDA)所属、レ・サニーに襷が渡ったということは、「日本」「AKB48」「TOYOTA」から「ベトナム」「SGO48」「HONDA」に未来が託されたということなのです。
濵咲友菜からレ・サニーに渡された襷はただの襷だったのかもしれない。しかしその襷は未来への萌芽だった。
おっと。チーム8がTOYOYAサポートであったということを忘れたとは言わせないぜ。
私も未来に行かなかればいけない。
萌芽を摘みに行かなければいけない。
いよいよ始まる。グローバル48時代。
本店支店というスケールの話はもう終わった。
本店支店を対立軸に語るのは2018年の選抜総選挙で終わったと断言しておく。
これからは国を背負った各国48と韓国K-POPのIZ*ONEが織り成す大航海時代。そんな新時代で共に生きる喜びを享受しようではないか。
いざ行かん。
アジアへ。
アジアの各国へ。
民主主義、資本主義、国家資本主義、社会主義、共産主義、軍国主義、自国第一主義、マルクス・レーニン主義、主義主義主義。
主義渦巻くアジアへ。
純情主義を求めて。
なぜなら私は現場主義。
では現場の話に戻ろうか。
■ステージイベント
駅伝で疲弊した体はレ・サニーのヒーリング効果でとりあえずの回復に成功。
スタート地点まで、息を整えながら歩いて戻るとSGO48メンバーたちが駅伝を応援していた。
スタッフはもちろんいるのだが、目の前にTシャツ短パンの姿の少女たちの集団が、こちらに背中を向けた状態で駅伝を応援している。
無防備な背中とはこのことか。
あまりにもアイドルの背中が目の前すぎるこの状況に、若干の背徳感を覚えつつ、「S,G,O,48!」と応援するメンバーの動画を撮る。
ステージ前の状況を見に行くと、海外のヲタクたちが集まっていた。
なんと「濵咲友菜ハッピ」を着ている人もいた。
わざわざ輸入したのだろうか。
海外のヲタクの比重は、感覚的には女性8割男性2割。
下尾みうがもはやK-POP枠なので、限りなくK-POPの客層に近くなってしまったのだ。
男性の方は濵咲友菜、小田えりな、横山結衣等々、それぞれチーム8メンの推しが分布しているように見えたが、女性は下尾みう一択という印象。
アンケートはとっていないので、正確な数字ではないが、チーム8の下尾みうではなくPRODUCE48の下尾みう人気がすざまじいにもほどがあり、もはや下尾みうwithチーム8という倒錯現象。
あと、これはK-POP女子もだが、女性のカメコが多い。海外は撮可当たり前だから女性カメコも定着しやすいのだろうか。
メンバーのイラストが書かれたステッカーみたいなものをもらう。AKB48のメンバーがベトナムに来るなんてまずないから熱量が違う。
そこで現地の人とほんの少し話したのだが、「from JAPAN」「I love Team8」と適当な英語を発したところ「?」な反応をされて焦り「濵咲友菜推しです」「超絶かわいい濵咲友菜」とか普通にヲタ用語で話したら通じた。
タイ語もベトナム語も声調とかいう日本人には馴染みのない発音が9つあるらしく、これを正確に理解しないとほとんど通じないという。
英語も全員が全員できるとは限らない。
だがヲタク現場にいる人は日本人アジア人西洋人等しく「超絶かわいい」「推し」「よっしゃいくぞ」「ガチ恋口上」等々、日本発のどうしようもないスラング以下の身内ワードが通じる。
ヲタク用語はワールドワイドな言語に昇格していたのだ。
クールジャパンとはなんとお寒いのであろう。
お国が推進するクールジャパンカルチャーなど、ついぞ海外に根付くことはなく。
実態は、有識者が眉をひそめるような乳むき出しの少女の萌え絵が海外の女子にも受け、秋元康が最も儲けるためのシステムこそが最も人々の心を打つアイドルカルチャーとなり、BNK48を中心にアジアに広がりつつある。
「ござる」は通じないだろうけど、MIXやガチ恋口上やコール等で使うヲタク用語はすべて通じるようだ。
正直タイ語とベトナム語を「話す」ことはほぼ諦めているので、これからは堂々とインターナショナルヲタク用語で話しかけていきたい。
プチ交流を終えて、私はステージよりも楽屋パレード主義なので、ステージ裏パレード待機をするためにステージ脇らへんをうろちょろ。
ステージを捨てた不届き者だけが拝むことができる景色というものがありまして。
それがこちら。
SGO48メンバーがチーム8メンバーに挨拶するシーンになります。
注目すべきは、この時のレ・サニーちゃんの髪型が猫耳ということ。
なぜだ!
君はなぜアンチッチが目の前にいるのにそんな迂闊なことをしてしまうのだ。
大学生男女が山荘に行ったら、なんだかんだで町と連絡が取れなくなり、だけども離れでエッチーことをしてしまうくらい迂闊なことだ。ジェイソンだ。
推すしかなくなるではないか。
悔やむべきは、この猫耳レ・サニーちゃんの顔アップの画像を撮ることができなかったことである。これだけは今こうしてタイピングしながら涙が出るほどの大後悔。
「岩合光昭の世界ネコ歩き」でお馴染みの動物写真家、岩合光昭氏も猫耳髪型のレ・サニーちゃんを見たなら思わず「いい子だねー」と感嘆したであろう(「いい子だねー」は岩合光昭様の決め台詞。タモリさんもたまにものまねするほどの超キラーワード。それが「いい子だねー」なのです)。
萌えるね。萌えたね。
アイドルを応援すること、それすなわち萌えること。
レ・サニーちゃんのおかげで原点に戻れた。
原点回帰が萌えの聖地、秋葉原ではなくベトナムのハノイ。
人生とは分からないものです。萌え萌えキュン。
しかし、この集合ショットを撮った後ろが控室のプレハブ小屋なのだが、下尾みうと濵咲友菜はクーラーのない控室にマラソン終わってからずっと押し込められていたようだ。
なんちゅう雑さ。今一番大事にしなければいけないAKB48メンバー急成長株第1位の下尾みう様を走らせたあげくノー空調の控室に閉じ込めておくとは。
SGO48メンバーのようにそのへん出歩かせていればよかったのに。
どうせ普段の8イベントにいるようなやべーやつはベトナムにまで来ていないんだし、あー!い、いた。いる。俺いる。俺いたじゃん。俺ちゃんがいたわ…。
うむ。下尾みう様は安全のために閉じ込めておかなければいけないし、濵ちゃんなぞアンチッチがうろついているのなら絶対に出歩かせるわけにはいかなかっただろう。
そんなほったて小屋にチーム8とSGO48は、部屋は別れていたが、放り込まれていた。
ベトナムなんだからしかたない。それに、濵咲友菜ちゃんなら、こういった冷遇体験をすべらない話に昇華してくれるだろうし、そういう才能は絶対にあるはずだから、楽しみに待つとしよう。
イベント開始の大体午前10時になるとステージ前にはかなり人が密集しておりまして。
サイドの立ち最なら余裕と思っていたら、2列めにたどり着くのもやっとなくらいの人口密集地帯になっていた。
それに、警備員みたいな怖い人の立っている場所、視界の邪魔すぎるという。
しかし日本のような、お客様は神様です、お客様が見やすいようにしゃがんでおきます、すこしずれておきます。お客様は神様ですから。
んなわけねーだろ。社会主義舐めんな!共産主義舐めんな!
警察なのか警備員なのかな人たちは皆かったるそうに、おめーらそこから一歩も近寄るんじゃねーぞと圧をかけてくる。
そんな社会主義空気に包まれながらAKB48のOvertureが流れてチーム8メンバー6人が登場である。
そして。この画像である。
最前列を占拠するカーキ色の制服軍団。
東西冷戦時代のトラウマなのだろうか?あの色の制服、共産党や社会主義の制服はなぜにかくも我々を恐怖に陥れるのだろう?
2019年早々話題の最前管理軍団。
最前を守るためなら暴力を振るうことになんの躊躇もない、アイドル現場で度々問題になる軍団。最前管理軍団。
そしてこちらは最前管理軍隊。
見たかった。
最前管理軍団が最前占拠しているところを、無尽蔵に奪う最前管理軍隊を。
最前管理軍団の暴力に対して一党独裁の権力でねじ伏せる様を。
イケイケ元気な最前管理軍団が国民管理のノウハウで管理されブロイラーと化す様を。
そういうもの、私は、見たかった。
しかし日本から飛んでくるような必死なエイターはいなかったので、おそらく国民管理軍隊は衝突0で最前に座ったのだろうが。
最前列に軍人(にしか見えない制服を着た人たち)。
しかも。
中国、フランス、そしてアメリカにも勝った、ある意味地球最強の軍隊ことベトナム軍。
最強が最前。
ステージにはAKB48チーム8。
その風景はまるでフェリーニの映画でも見ているかのようだった。
そうか。
そうだ。
ベトナムは元フランスの植民地。
そうか。
そうだ。
フェリーニはイタリアの映画監督。
そうか。
そうだ。
関係ない。
…デジャブ?
この日本人的感覚でいうとシュールな光景をツイートしたところ、RT等々で結果ベトナム関連のツイートで1番インプレッションを稼ぎました。
これを撮るためにベトナムに来たのだろうか?
ちなみに、本来の目的の駅伝並走動画はさして需要がなかったようで、インプレッションの数字は悪くなかったけど良くもなかった。
最前管理軍隊が下尾みう、濵咲友菜、SGO48、チーム8、インスタ映えする美少女たちをインプレッションで駆逐した。
ベトナム軍は中国、フランス、アメリカ、そしてアイドルにまで勝った。さすが地上最強の軍隊。
ライブは盛り上がっていたが3曲だけでした。ステージだけだったら、はるばるベトナムに来る価値はなかったかもしれない。
ここらへんの神イベクソイベに関しては完全にガチャですから、運に身を任せるしかない。
30分くらいのイベントはあっさり終わる。
■ベトナム出待ちパレード
さあ出待ち出待ち。
気持ちを切り替えて、さっさと出待ちゾーンに行く。
テレビの収録だったりなにかし仕事をしているのをひたすら眺める。
ステージ裏でも、下尾みうの圧倒的人気を痛感。
楽屋ほったて小屋から出てくるチーム8メンバーに対しての声援が、下尾だけスター。
SGO48メンバーは非常にマイペースに楽しんでいるように見えて、たまに手を振ると振り返してくれる。
スタートダッシュの醍醐味はこの「擦れていない」ですわよね。この時期にいかに純粋な、アイドル応援の原点、「楽しい」「かわいい」「萌え」を体験できるかが重要なのよね。
この日のSGO48はもちろん満点だった。もちのろんの超満点。
スタートダッシュを馬鹿にする人はいるし、むしろ馬鹿にするほうが正しいような気もしているが、しかしてしかし、どうにもこの「擦れていない」時期のレスは純度の高い薬物ゆえに、純粋少女たちの高純度を知ってしまうと、また求めてしまう。
そしてスタートダッシュを繰り返す。
おかげで、一生行く予定のなかったベトナムに行くことになった。
本能と快楽に従って生きていけ、さすれば楽しい。
そう、快楽主義のように。
さて、最後の最後、駅伝、ステージときたら、最後はこれ。
出待ちパレード。・
チーム8名物、出待ち入待ちをパレードと呼びパレードとして消化する行為。
この日は150メートルほどの、日本でのチーム8人気だと大混乱で絶対に規制されていたであろう、長距離パレードだった。
動画も撮っていたので見ていただければ分かるだろうが、実質大名行列。
チーム8人気すぎだろ。
私はこのパレードに命をかけているふしがあるでお馴染みのパレーダー、行進師なのでございますから、当然追いかける。
横山結衣と目が合う。
いきなり大爆笑される。
おそらくこの時の横山結衣の心境を察するに
「ベトナム人、ベトナム人、ベトナム人、一つ飛ばして、アンチッチ、アンチッチ?て、えー!アンチッチ!?」みたいな、突然見知った顔のヲタクが不意打ちで立っていたから思わず爆笑したのではないだろうか?
久しぶりに、2年ぶりくらいで8メンに爆笑された。快感、ガンギマリ。
さすがに異国の地の異国のファン相手には神対応をずっと持続しておりまして、チーム8メンもバスまで付いてくるヲタク集団に嫌な顔することなく、むしろテンション高めに対応しておられた。
まあ、あれだけ人気だといい気持ちにもなりますわよね。
「うちらベトナムでもやるじゃん。いけんじゃん」ってなりますわよね。
私も「チーム8すげーじゃん、グローバルやん」って思いましたもの。
バスに乗り、ベトナムのファンに、ヲタクに手を振りながら、リー・タイトー公園を後にするチーム8メンバーたち。
手を振りながら「ベトナムまで来てよかった」と、迷ったらおしまいだから、勢いで飛行機を予約した自分を褒めつつ、時計を見るとまだ全然正午前。
こんなに早く、午前中にイベントが終わってしまうチーム8現場というのも相当レアなのでは?
さて、一段落したしハノイ市内観光でもしますかね。
一段落?
どこに段落がある?
落がある?
オチがある?
オチ。
■ラスト レ・サニー
我々の眼前を横切るリュックを背負った少女軍団。
SGO48メンバーが徒歩にて詣でけり。
そりゃそうだ。徒歩で来たのだもの。徒歩で帰るわよ。
レ・サニーちゃん!今日はありがとう。
感謝を伝えなければいけない。
アンチッチ「サニー!(助けに来たぞ)」
レ・サニー「よろしくお願いしまーす」
アンチッチ「ばいばーい」
レ・サニー「(ばいばーい)」
こうして私のベトナムヲタ活はとりあえずの終止符を打ったのであった。
そして。
上記の、レ・サニーちゃんとのやりとり、文字ではさも良好な、日越の絆ができたかのようなやりとりに見えるだろう。
だがな。
実態はこうだ。
動画。
子供と映像記録って時に残酷よね。
NHKの「映像の世紀」も残酷な映像ばかりよね。
サニーちゃんはいい。
優しい。そして日本語で返してくれる。かわいい。最高だ。
…お気づきだろうか?
マネージャーがめっちゃ警戒していてサニーちゃんを守ろうとしていることを。
それではもう一度…。
…お気づきだろうか?
きゃー!
できれば気づきたくなかったです。
気づきたくなかった。
気づきたくなかったよ。
気づきたくなかったぉ。
気がづがきがたがくがながかったよ。
ががが、気がつきたくなかったかったかった。
SGO48の実質お披露目イベントなのに秒で危険人物になってしまった。
ベトナムまで行ったのに、秒で不審者になってしまった。
原因?
レ・サニーちゃんにがっつきすぎたから?
レ・サニーちゃんにがっつきすぎたから?
レ・サニーちゃんにがっつきすぎたからか?
レ・サニーちゃんにがっつきすぎたからかー?
レ・サニーちゃんにがっつきすぎたからなのですか?
そうです。
です。
デス。
Death!
死。
もう目をつけられてしまった。つまり死。
そりゃそうだ。
昨日お披露目だぞ。
昨日お披露目された、まだパフォーマンスをしていない子にがっつくやつは1200%でやばいやつ。
そしてそいつが日本人。
日本人がいきなりヲタクとしてがっついてくる。
日本人が昨日お披露目された15歳の少女にいきなりがっつく。
がっつかれたほうはどう思うだろうか?
「た、助けて」
「こ、怖い」
「き、キモい」
こうしてアンチッチはベトナムまで行き、SGO48の実質お披露目イベントに参加して、秒で危険人物になったのでした。
一件落着一段落。
オチがついたではないか。
現場主義者の末路。
現場にしか真実はない。
そんな私に突きつけられた真実。
「お前はあぶねーやつってことだ!」
…。
そうそう。
そうそうそうそう。
「レ・サニー」って「レサニー」って表記にすると○○ニーみたいで、シコっている感じでるよね。
でるよね~。
~Fin~
■あとがき
社会主義の国で現場主義を貫こうとしたら破滅主義みたいなオチ。
それでも私は地獄を好むのですが。
レ・サニーちゃんをODAするヲタ活。
グローバル48時代の新しい48ヲタのありかたとはなんぞや。
「助けに行く」である。
レ・サニーちゃん。
必ずまたベトナムに助けに行くからね。
この後市内観光をしたのでハノイ旅行記も別エントリーで上げたいと思っている。
そちらは普通の、旅ブログみたいに、画像多めのさらっとしたレポに留めるので安心してください。
こんな自己満長文は、皆さんに対して需要がないのは分かっているので、やめません。
またどこか面白い現場があったら嫌がらせ長文レポをします。
それでは皆様、また会う日まで。
最後まで読んでいただきありがとうございまサニー。
アンチッチ
パレーダー兼ティッシュレーシーバー兼ラストアイドル評論家兼チーム8の伝道師兼行進師。