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移住して見つけた幸せはなんだったのか

移住をして丸一年がたった。
移住の幸せは何か?
永遠のテーマでありその答えは何処にあるのか。

最近、移住を特集したテレビをよく見る。
長野や山梨、静岡などの地方移住。
ひっそりと山奥でカフェを開業したり、古民家を改装してお店を出したり。
わかりやすい田舎生活が取り上げられている。

私は決してメディアでは取り上げられないパターンの地方移住だ。
長野へ引っ越しちょっと古い家に住みリモートワークをしている。
朝起きてご飯を食べたらそのままPCを開き仕事をする。
夜になるとPCから離れたと同時に帰宅状態。
ご飯を食べてテレビを見ながら寝落ちする。
基本外に出ず一日が終わる。

おそらく、お茶の間がみたいものは田舎で人とのふれあいであったり、自然の中の暮らしだったり。
都会の忙しさから離れ、温もりを感じられるような生活だろう。
私の地味な暮らしは大衆的な幸せではないように感じる。

大衆的な幸せにはわかりやすさが必要だ。
憧れの家に住んでいるとか、社長になったとか、
結婚したとか、たくさんいいねがもらえているとか。
パッと見てわかりやすい成功を提示した方がイメージが付きやすいし達成しようという気持ちになるだろう。
スポーツをやるにしても応援するにしても勝った方が幸福を感じやすい。
勝つことが全てではないが勝敗がわかるものだと称賛を得やすいのは間違いないだろう。

地方移住してすぐはそんな大衆的な幸せに浸っていた。
満員電車のない仕事環境、庭での家庭菜園、薪ストーブのある生活。
どれも幸せだったし自分の憧れのライフスタイルだった。
移住生活をSNSにあげることによって承認欲求を満たしていたようにも感じる。

しかし、理想の生活も数日経てばただの日常。
満員電車はないが、そもそも電車は1時間に一本。
車がないと暮らしていけないという現実。
畑を始めると細かなく草刈が必要で苦労し、そもそも虫が苦手だったことに向き合わされる。
冬になると最高気温が氷点下というよくわからない世界の中薪割りをしなければならない。
不便を楽しむという小さなエキサイティングは日常に変わり都会の快適さを思い知らされた。

それでも私は移住をして幸せを日々感じている。
不便さ以上に幸せを感じられるものがある。
私にとっての移住して日々感じられる幸せとは「山の変化」だ。

毎日、山に囲まれた場所にいるのでここまで繊細な自然の変化をキャッチできる。
ドライブをすると木々の色付きが細かくわかる。
また、仕事のために東京へ行き返ってくると自然の香りが待っている。
山の変化を眺めながらやっぱり山が好きだなと幸せな気持ちになる。
立春や夏至、秋分、冬至など二十四節気の言葉があるように四季以上の変化を感じられる。
自然の変化は飽きることなく日常に幸せを与えてくれる。
こんな地味なことだが移住して感じられる一番の幸せだ。
テレビで見ただけではわからないだろう。

移住して見つけた飽きない幸せ。
今日も自然を感じながら日常を暮らしている。


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