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【ネタバレ感想】マジのガンダムと聞いて行ったらマジでガンダムだった【GQuuuuuuX】
機動戦士Gundam GQuuuuuuXを観てきた。
ので例によって日記兼感想を書こうと思う。
ネタバレ含むけど、見てないのにネット断ちしてない奴が悪いので無罪。
時は2025年1月22日。
GQuuuuuuXの映画公開は気になりつつも、TV版の楽しみが減ると思い見に行く気のなかった僕だったが、なんやかんやあって近場のオタク達と一緒に見ることになった。
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横並びで席を取っていざ戦場へ。
【ジークアクスの“G”の部分】
前半部分の感想をひとことで書く
いや、やりたい放題か??????
まず開始直後、初代機動戦士ガンダム(以後ファーストと表記)でおなじみのアバンナレーションが流れた瞬間に「おいおいやってんなぁ!?!?」と思った。多分劇場にいた全員が同じことを思ってたはず。
事前情報ゼロ。完全新作に胸を躍らせるんるんで観に来たわけなのよ。当然ファーストが絡むことなどこちらは知るよしもなくぶん殴られたような衝撃。
レストランでチーかま頼んだら鈴廣かまぼことモッツァレラチーズが出てきたみたいな感じ。
いやレストランでチーかまは頼まないけど。
ワンチャン劇場版ダブルオーの冒頭のような劇中劇かと思ったがそういう感じでもない。
いやわけがわからない。
制作からしたらしてやったりという感じだろうか。
誰が最初に言い出したか、
「ガンダムを見に行ったらガンダムが始まった」
という言葉がPVのコメント欄で話題になっていたが、実に上手いこといったものだと思う。
ヒグマ相手に夢の獣姦をキメた姉畑支遁を見る杉元のような顔になってたよ
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ちなみにだけど、パンフレットに載っていたインタビューの一行目にはこう書かれている。
ジオンが勝利した世界、その先を描きたかった。
主犯の犯行声明である。
どうもサンライズのお偉いさんからガンダム作品の監督やらん?と持ちかけられ、そこでジークアクスの企画書を提出したらしい。
肝が据わってるどころの話じゃない。
これまで数多の作者達が一度は夢想して「さすがに攻め過ぎかな…w」と自嘲し、わずかな空白に物語を見出してきただろうに。怖いもの知らず過ぎる。
まさしく無敵の人だ。
なるほど日本ロボットアニメ2トップの制作陣が悪魔合体するとこのようなミラクルが起きるのかと。
一緒に観たオタク達は鑑賞後、
「鶴巻と庵野のマイムマイム」と評していた。
さもありなん。
絶対「シャアがガンダム乗ったらおもろいやろなぁw」っていう悪ノリだよあれ。人の版権になった瞬間イキイキするな。シンエヴァ作り直せ。
友人に「誰も庵野たち止めなかったんかな?w」と冗談で言ったら、「庵野と鶴巻に意見できるレベルの奴は全員面白がって一緒にやるよ」と正論でぶん殴られた。
庵野さん、「私関係ないですけど?」的な顔でエンドロールの後ろの方に載ってましたけどあなた普通に共犯ですからね。
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知ってのとおりファースト、つまり一年戦争はアムロが操るガンダムとホワイトベースの奮戦により地球連邦の勝利で終わっている。
そこからグリプス戦役、二度に渡るネオジオン抗争が起き、ラプラスの箱を巡る戦い、マフティー動乱に繋がっていく。その過程で様々な番外作品が生まれているわけだ。
ジオンが勝つ世界線ということは、早い話がニュータイプのアムロ・レイが存在しない世界ということ。(テム・レイがちらっと出ていたのでいるにはいるのかもしれないが)
だからこそガンダムはシャアに鹵獲されて一昔前の食玩のシークレット枠みたいな雑な全身赤色にされるし、新造戦艦のペガサス(要はホワイトベース)は緑に塗られて名を改められている。
ガルマもシャアに謀殺されず、マ・クベも生きて中将にまで昇進している。
まあドズルはしっかり死んだみたいだけどね。
あと地球連邦は相変わらずしっかり腐敗してる。
この監督たちの趣味思わぬファンサービスで何も知らずに観に来たファンたちは、ものの数分で心を奪われたに違いない。
ジークアクス、やりやがった。
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お前に関してはもはや別人だろ
誰かわからんかったわ最初
【ジークアクスの“QuuuuuuX”の部分】
好きなシーンややり取りはたくさんあるがその辺りのこまい言及や考察はTV版放映の時に取っておくとして、何はともかくキャラが可愛いっす。
①キャラクターについて
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主人公のマチュがやべー女という風の噂を聞いていたのでどんな狂った奴が出てくるかと身構えていたが、なんてことはない普通の女の子だった。
またオタクの大言壮語に騙された。
(シリーズには初対面第一声でいきなり殺害予告をしたり、俺がガンダムだったりする話の通じない主人公がわんさかいるので)
明るい髪色、三日月型のピアス、短いスカートにカーディガンを羽織ったまさしく今時の女の子だ。
襟足だけママ譲りの紺色の髪がオシャレ。
スマホ両手持ちでたぷたぷしてるのも可愛い。
目がでっかいのでジト目がよく映える。
竹さんのデザイン、合うのかな?と不安だったがしっかりマッチしていた。彼女のイラストは西尾維新作品でよく目にして好きだったので、好きなイラストレーターが好きな作品に関わるの嬉しいという気持ち。
先ほど書いたメロおじさんもそうだが、メインキャラクターがしっかりキャラが立ってるのもいい。
クールで無愛想だけど実は小心者。
どこぞの毒チワワよろしくギャップが光るニャアン
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全女オタク好きそうな野生の渚カヲルことシュウジ
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他にもポメラニアンズの面々は憎めないコミカルさがあるし、エグザベを始めとするシャリア・ブルの部下達はどことなくエヴァ味を感じて好感触。
総じてみんな表情と動きが豊かで、これまでの宇宙世紀になかったポップさがあって大変よい。
②ストーリーについて
ファーストをぶち込んできた点を一旦置けば、内容自体は割とベタではある。
ボーイミーツガールあり、ガールミーツガールあり。女の子が巨大ロボに乗って戦うみんな大好きを詰め込んだ欲張りセット。王道。だからこそ良い。
これは水星の魔女をリアタイしてる時にも書いたけど、最近のガンダムは展開の動線がしっかりしている。
戦いに巻き込まれ、やむにやまれずモビルスーツに乗り込み、やがて戦禍の中に身を投じていく。
これまではこれがある意味のテンプレであった。
これはこれで当然良いのだけど、戦争が主軸になりシリアス一辺倒になりがちというジレンマがどうしてもあった。
しかしこの間にクランバトルという概念、ある種スポーツとしての戦いを挟むことで、一介の女子高生であるマチュをスムーズにMS戦に参加させ、戦争や差別をテーマとしながら女子高生としての日常を描く、ただの子どもの目線で世界を見る幅を持たせている。水星の決闘システムもそうだったが、このあたりが実に巧みだと思う。
また演出面では音楽の話も外せない。
ここぞというところに流れる米津玄師のテーマ曲、『PLAZMA』がまた良いんだ。
ガンダムの戦闘シーンはよく壮大なオーケストラの劇伴で彩られるが、ジークアクスは今をときめくアーティストたちの曲で演出されている。
(エンドロールに星街すいせいの名前があってびっくりした。全然違和感なかった)
オケだけ聞いたらちょっとYOASOBIっぽさもある。小並な感想だが「イマドキだなあ」と感じた。
本人がタイアップ曲作るの好きと公言しているだけあって、しっかり作品の世界観を落とし込んだ曲を仕上げてくる。あらゆる人気作に主題歌を任されるだけのことはある。
彼の曲作りは底が見えん。恐るべし。
【総評】
どちゃくそ面白かった。
語彙力乏しくて恥ずかしいがこれに尽きる。
冒頭数話の再編ということで戦闘シーンなどに目新しさはあまり無かったが、それを補ってあまりある驚きをくれた。
自分が大体の宇宙世紀の作品を見ているからというのもあるだろうけど、柔らかなタッチとコミカルな演出はガンダムを見たことない人でも惹き込まれると思う。
女性主人公の百合と言う触れ込みで話題を作り、明確に新規ファンを取りにいった水星の魔女に近いものを感じるけど、予期せぬファースト要素で昔からのファン達もブチ上がる。ニクい演出だ。
いつ始まるのかも決まってないようだけど、可愛いマチュの飛んだり跳ねたり泣いたり笑ったりする姿を観るのが今から楽しみだ。
MS戦もカラーの演出が加わってさらに派手になるだろう。どこまで進化するのか想像もつかない。
TV版、待ってます!!!
久々に4クールガッツリやってくれていいぞ
【今後の期待と僅かな不安】
見ればわかるがジークアクスは、
“もし一年戦争でジオン公国が勝っていたら”
というIFの物語だ。
ベルトーチカチルドレンのようなちょっとしたパラレル作品はこれまでもあったが、これほど大胆なIFは他に無かった(と思う。多分)
一年戦争という大前提か゚覆っているため、過去作を履修する必要がなく新規ファンも入りやすい。
もちろん知っていればシリーズとの差異にニヤッと出来るとは思うけど。
けど、けれども、
それでもやはり宇宙世紀は宇宙世紀だ。
「この間の何年か何も書かれてない」
「ここの戦いまだ作品化されてない」
「このエピソード深掘り出来そうじゃね?」
そうやって余白を見つけては様々なメディア作品で後付け、継ぎ足しをしてきた秘伝のタレのようなシリーズだ。
さながら香港のスラム街のように増改築を繰り返され、関連作品はOVAに小説に漫画に資料集にゲームに…と何作品あることやら。ガンダムことRX-78の派生/後継機だけですら二進法を使わねば足の指まで入れても足りない。数も密度も膨大で、もはやその全容を詳細に把握することは非常に難しい。そういうシリーズがベースになっている。
興味を持った新規が「結局ガンダムってアムロとかシャアなんだ」「よく知らないし見るには長いからなあ」と敬遠してしまう可能性も十分にある。
あるいは「そこは絶対変えちゃダメだろ」ってところが出てくるやもしれない。
マジで正直に言うと、この夢のコラボで新しく作るガンダムがファーストの焼き直しなんだ…もういいって…という、まったく別の新しいものを見たかった落胆が少しも無いと言えば嘘になる。
今はいい。
今はまだ監督の茶目っ気ファンサービスのサプライズということで笑える時期だ。
しかしこの先、IFであることを盾にわざわざ取り入れた宇宙世紀をなあなあに扱われたなら……
半端に形式に囚われ中途半端な出来になったら…
そういう一抹の不安もある。
鶴巻監督もインタビューで「企画書の段階で、歴史をひっくり返すのにかなりの抵抗が生じることを覚悟していた」という旨を発言している。
この作品を描き切るという決意を持って臨んでいるだろう。
下手な真似は出来ない。
わざわざ宇宙世紀をテーマに持ち込むということは、それ相応の“ガンダムらしさ”を求められる。
シリーズ45年の歴史はそう軽くない。
新規を取り込む斬新性と、古参ファンを納得させるガンダムのあり方、そのバランスをどう成立させるのか。
1ファンとして物凄く期待はしてる。
エンドロールに名を連ねた錚々たる面子。
日本が誇る制作陣、その手腕に期待したい。
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おいちかた
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では