5年目のXIIX観察日記(XIIX LIVE TOUR 2024 So Many Stars 10/20公演)
2024/10/20 仙台PIT
XIIXが「XIIX」として命名されて5年目の記念日。
恋人同士というのは、4年を区切りに恋から愛へ切り替わるというのを見たことがあるが、自分のXIIXというバンドに対しての感情は、常に「好き」と「愛してる」の反復横跳びであった。
は?
そんな存在のバンドが始動してから5年。
大好きなバンドが続いているというのは、有難い話である。(ただ、自分がこのバンドを追っているのは3年程度であるが)
そんな節目に始まったツアー、「So Many Stars」。
「たくさんの星空」。
そのタイトル、そしてMCで話してた内容の通り、セットリストの全ての曲が力強く、そして今まで見たことの無い光を放っていた。
前置きはここまでにして、今日起きたこと(見えた範囲で)、感じとったことをつらつらと書いていく。5年目の記念日なので。(MCのタイミングってどうやって覚えるんだろうな。うろ覚え。)
SE
今ツアーのためのSE。
XIIX(ツアー)の時は、「無機質な浮遊感」を感じたSEだったが、今回はなにか温かみを感じる。
サポートメンバーの登場から間を空けずに須藤優と斎藤宏介の2人が登場。
今日のサポートメンバーは、ドラム岡本くん、ギター粂ニキ、ピアノは札幌から参加されたという初めましての宮川純さん。
客席にぺこりと頭を下げて、各々楽器を手に取る。
1、E△7
SEの幻想的な雰囲気をそのまま引っ張りながら、サビの独唱からスタート。
白いスポットライトに照らされた斎藤宏介が「転がる」と歌い出した瞬間に、会場がグッと世界観にすぐさま引き込まれる。
サビの1フレーズが終わると、いつものギターフレーズからのイントロが始まる。
幸せだなぁ。この曲は。
「この一瞬だけ 目をそらさないでいて」
このライブという煌めいている一瞬を、見逃さないようにしててね、と言わんばかりの歌詞を歌いきり、曲が終わるとギターを下ろす斎藤宏介。
2、シトラス
👏👏👏👏から始まるご機嫌ミュージック。
曲の途中途中で両手をグーにして顔の前でグルグル。
(さては今日、とても機嫌が良いですか??)
1番サビ終わりの「水を差すよ」からの「こんばんは、仙台ぃ〜!!!!」で会場の熱気もドカ沸き。
仙台という土地名を叫んだ後に、すかさず音に合わせて「エイッ!!!」の合いの手をするギタボ。
(その合いの手初めて聞きましたけど、さてはとても機嫌が良いですね??)
特別な夜の幕開けだと、思い知らされる。
個人的にライブのシトラスは、音源にないラストの「もしも僕のものになるなら〜」からの疾走感溢れるサウンドが大好きなのだが、今日は歌の音程が縦横無尽にはね回っていて、これぞライブだと訴えかけられているようだった。(音が外れていたというのではなく、アレンジの数が凄かったという話。)
全体的にオクターブが上がっていくアレンジで、同時にこちらの高揚感も上へ上へと連れていかれる。
ここで、ギタボは手に握ったマイクをスタンドに戻し、アコースティックギターを肩にかける。
3、月と蝶
歌い出しで、つい拳を突き上げてしまう。
足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない。
歌に合わせてブンブン身体を揺らすので、首が飛ぶ。
ラスサビ前、アコギの音を出す時のギタボの右腕の動きが好き。
(ただ遠くへ〜それだけなのに)
4、Vivid Noise
ギターが2本になってからの勢い・鋭さの進化が著しい点もあるのだが、特筆するべきは間奏のソロ回し。
「この5人でXIIX」と全員が音で叫んでる姿に震える。
ギタボのギターソロで締め括るソロ回し。
「胸の奥に揺れる 灯火がひとつ」
直前の怒涛のソロ回しから嵐が去ったかのような空気の中、スポットライトに当てられたギタボが1人歌う。
ジャッッッ!!!!
と空気を切り裂くギターの音が生み出す緊張感はヒリヒリとしながら、次はどんな手で来るのだろうとワクワクさせられ、そのままラスサビ。
4曲目にしてテンションMAXの状態でMCへ。
MC1
鳴り止まない拍手を「貰えるものは貰っておこう」精神で浴び、そこから「1020の日」について触れる2人。
ギタボが自分達の記念日を「私事」って前置きしたのが個人的には笑ってしまった。みんなそれをお祝いに来てるのに。
すってぃが曲作って聴いてもらうことが感謝と言っていたけれど、XIIXが音楽を生み出してくれる「奇跡」を続けてくれていることに感謝なんだよな…と思いつつ、ギタボにとって5年目というのはまだ序の口らしく記念日トークは「どうでもよくね?」らしい。(この日の夜にとんでもない爆弾を落とす事を、この時から考えていたのだろうか。許さない(菊池風磨))
5、No More
2番の「誰かにとっての幸せを願いたい」ベースチャレンジ、今までXIIXを見た中で1番でかい音出してた(なんの比較)。弦を弾いた手、めちゃくちゃ下まで落ちてった。その音のデカさに比例してドカ笑いしているすってぃに笑みがぽろり。
ラスサビ前の「ッヘーーイ!」めちゃくちゃ声でかかったな。うれしい。
6、おもちゃの街
すってぃのベースとシンベの切り替えを観るのが楽しいと気付く。左手でベースのネックを持ったまま、右手でシンベに手をかけるとこ、やけにかっこよかったですけど気付くの今更過ぎる。
2サビに入る前のギターのジャジャジャジャジャを弾く勢いが凄かった。気迫。
7、スプレー
はじめましての宮川さんのピアノソロ始まり。
ヤマモトケンタと比べると、もっとセクシーでジャジーな音だなぁと思った。なんだか艶っぽいイメージ。
そこからスタンドマイク状態で始まるスプレー。
そういえばSANITYの時、スタンドマイクの時とハンドマイク公演ごとに割とシャッフルだったような…?と思い出し、感慨。
途中でハンドマイクにフォルムチェンジし、1番は上手で歌って、2番のラップ部分はお立ち台。
すってぃの「斎藤さん気をつけて あんた立場が」の時、右手を耳につけてリスニングの体勢を取ってて笑っちゃった。某号泣議員?
すってぃがギタボの肩組んでたとこ、「僕らは今ここにいる」手前だったっけ。ギタボ、愛情のムーブ返してあげなよ、って思いつつそうしないとこが好き。
ちゃらーん🎶とおしゃれに締まったところで暗転。
MC2
ライブをやる度に階段を上がっているという実感の話に、相槌が止まらない。私の大好きなバンドは、ずっと進化してる。
そして、今回のツアーコンセプトのお話。
ギタボが話し始めたあたりで下手前方で女性の叫び声のような声が響く。
「大丈夫ですか…?…助けてあげてね。」
スタッフさん達が駆け寄って行ったあたりで「続けますね」とMCを続行。
スタッフさんへの絶大な信頼を感じたのと、ザワついた観客をしっかりライブに引き戻そうとするやり方があまりにもスマートで凄い、のひと言である。
その後「So Many Stars」に込めた思い、ライブじゃないと聞けない音、歌、怨念を感じて欲しいと語り、照明が徐々に落とされる。
8、5:03 PM
9、夕映えに紛れて
いや、これ、本当に???????って名古屋初日でなったやつ。
音源でも4th FLOORでもギターの音だけで構成されてる姿しか聴いたこと無かったのと、ライブで聴ける日が来るとは思いもよらなかったのでただただびっくり。嬉しい。
夕映えに紛れてに入る時の「ッパーーーン」とした音と、照明があまりにも綺麗で、立ち尽くしてしまう。
本来ギターの音だけで構成されているこの曲がベース、ピアノ、ドラムと共に演奏されてる状況に「音の厚さ」ってこういう事かと思った。
単純に楽器の数が増えると音が大きくなるよねって話ではなくて、「見える景色の奥行き」が厚くなるのだと気づいたSo Many Stars 2回目。
この2曲、ギターの音だけで作られる音源だと、世界の隅で、1人、人物が寒空の下でかかと鳴らして歩く姿のイメージが浮かぶのだが、5人で演奏される彼らはもっと大きい視界。もっと明るい光に照らされる大人数の団体がイメージできた。「希望」、というのはこういう姿をしてるんだなと思った。壮大な妄想である。
10、曙空をみつけて
夕映えの壮大なクライマックスからそのまま。「また1つ」と歌い始めるギタボ。
(今更気付いたシリーズで、夕映えは「また1つ明かりを灯し」で、曙空は「また1つ明かりを吹き消せば」って綺麗な対象なんだなって。線対称………)
夕映えに次いで、本来ベースのみで演奏されるこの曲も、いつもは少し孤独を感じさせるイメージから一変していた。
みんなで星空を観ると、こんなに綺麗で、こんなに嬉しいんだ。
ほんとに、この、3曲。
どの公演でもいいんで、映像化・音源化しないと許さ、ないよ。
11、Light & Shadow
本日大優勝。
あーた、名古屋の時と全然姿違うけどどうしたの????????????
札幌行ったフォロワーさんもびっくりしてたから、今日だけの演出なのか、今日以降の演出なのかが気になるところ。
前までは、柔らかい白のスポットライトを重点に、キラキラしていた事には変わりないのだけど、こんなにカラフルなLight & Shadowを初めて見た。
5個の半円ミラーボールが、ずっとグルグル、グルグル。
赤、青、黄色、たくさんの色がグルグル、グルグル。
サイレンのような、走馬灯のような。
あまりにも照明の光が鮮やかだから、逆光でメンバーの姿はシルエットでしか見えない。
演者がスポットライトで明るく照らされる「Light」で、ステージが全体が暗い「Shadow」の構図がこの曲の演出の醍醐味だと思っていたが、今回はまさにその逆。ステージが眩しいほど明るくて、演者が暗い構図。
未だにこの照明の意味を上手く飲み込めていないが、グルグルと回るミラーボールが走馬灯に重なり、たくさんの色の照明が絵の具をグチャっと投げつけたような、「綺麗」だけでは言い表せない人生の汚い部分のようにも見えた。これが斎藤宏介の音楽に対する「怨念」、というものだろうか。
ラストの「このまま」「それでも」のボーカル、余りにも強い。
12、次の朝へ
前曲にすっかりやられ、拍手が覚束無いまま打ち込みの音が入る。L & Sに強く後ろ髪を引かれているのに、ライブは止まらない。
粂ニキ、たくさんのワーミーをありがとう……Bメロでツインギターの有難みを感じます。
13、アカシ
セッションではないけども、短めの同期音が入ってのイントロ。
Bメロのコーラス?が入る時、少しマイクから離れて身体を揺らすギタボににっこり。
ラスサビの「たった1つの」のヒリついた歌い方に胸が痛む。
アカシ演奏後、「いつもは2人だけど、今日は5人でXIIXです。」というニュアンスの発言をし、メンバー紹介へ。
「ドラム、岡本啓介!」と紹介された岡本くんがそのまま勢い良くドラムソロを叩き始める。そのまま粂ニキ、宮川さん、すってぃ、ギタボの順。
「ギター、俺」って言ってたのも好きだけど、すってぃから「斎藤宏介〜!」って呼ばれるのも微笑ましくて良い。
「後半戦行きまぁす!!!」
14、LIM!!!!!
時計の針(メトロノームなのかも?)音の入りがないまま、そのまま歌い出し。
流れが気持ちえぇ〜〜〜。
Bメロの時にいつもニコニコして頭の上でクラップする粂ニキ愛らし過ぎる。
2番後の間奏で向かい合って弾いた後にすってぃが下手に戻ろうとしたら、ギタボがフェイント入れてルートをブロック。コーラスが「……ぎる!」ってなっちゃってて、笑った。名古屋は単にはしゃいで間に合わなかったのも微笑ましかったね。
15、Border=Border
パンパンパンパン!!!!!て激しいビートが突然流れ始め、「新曲を持ってきました」ってパンデミックサドンデスのライブ音源みたいなこと言われてテンションぶち上がり。お前に会いたかったんだよ!
未だに歌詞のリスニングが曖昧なので早く音源を出して欲しい。後半あたりに「お新香」にしか聴こえないとこあって本当に困っている。
「Border=Border!」って合いの手入れるとこで、マイク持った右手を天井に突き上げたり、客にレスポンス煽ったりするような動きしたり、ほんMany Stars、SANITYのハンドマイクと様変わりしたなぁと。楽しそう過ぎて、こちらが幸せ。
16、うらら
ハンドマイク継続。
「やばいどうなっちゃってんだよ〜堂々巡り」まで後方の粂ニキと対面で、客に背を向け体制を低くしてノリノリで歌唱。「このアッリッサッマッ!!!」でステージ前方へ突撃。ジャッジャッジャッ!!!。
「言葉に注意 壊れちゃう普通に」、そろそろ本当に壊れそうじゃない?????いや、それを見たいですけど。
2サビ前の「そっと影を落としてく」の時のドラム、ライブでしか聴けない栄養って感じで大好き。
17、ユースレス・シンフォニー
始めの「アオッ!」って今まですってぃも叫んでたっけ…?いや、「アオッ!」の瞬間首振ってるから確証がないので、次の渋谷で検証したい。
イントロを2回し。
ギタボ、前半は上手前方で弾き、後半は粂ニキと向かい合って弾いて1番へ。ギタボさん、粂ニキのソロでずっとやけにニコニコしてたりしてるから本当にこの人の事好きなんだなぁと思ったな。
間奏の、ベース後のギターソロ。
今年のEleven Back以降、この曲のギターソロの入りがとても気になる年頃なのですが(名古屋はピックスクラッチ)、今日はなんか左手でネックギュンギュンさせて入ってきた!(語彙がバカ)ユースレス・シンフォニーのギターソロの入りがキショいと、嬉しいので、声出た。
MC3
次が最後の曲、このツアーの為の新曲を書いたこと、最後にその新曲をやって終わるとギタボが告げ、ラストの曲へ。
18、So Many Stars
「So Many Stars」と言う歌い出しを皮切りに、青と白の、煌びやかな、凛とした照明と空気が会場を包む。
「僕たちが
僕たちでいられますように」
今日聞き取れて、1番強く記憶に残っている部分。
Border=Borderの「君は君のままでいてほしいよ」っていう聴き手に語りかけるのと対照的に、自分達にフォーカスをあてた歌詞。
XIIX(ツアー)が「聴き手の肯定」、Border=Border(ツアー)が「君のままでいてほしい」事を伝えていて、今まで外に向けていた矢印が今回は内へ向けられていると感じたが、これが今のXIIXの現在地ってことなのかな。
ツアータイトルに込められた気持ちが、前までのような客に向けてではなくXIIXのライブそのものへの言及だったのも納得。
決してマイナスな印象ではなく、聴き手と築いてきた信頼関係がある事を前提に、自分達のピントを合わせていく作業を綿密にこれからやっていくんだなぁと嬉しくなったのである。いかんせん、1020年添え遂げるので。
なんて事を考えていたら、本編終了。
ギターを下ろした後に少し前かがみになる体制で「どうもありがとう、XIIXでした。」とギタボが締め括り、メンバー5人はステージ袖へ。
En.1、正者の行進
暗転中にスタッフさんが太鼓設置。
そのままメンバーが出てきてパッと照明がつくと、ステージは準備万端の体制。
いつもの(?)フロント2人の、太鼓の達人 対戦モードで遊ぶドン。
これ名古屋の時キングオブコント直後だったから、頭が富安四発太鼓でいっぱいになっちゃって思い出し笑いを必死に堪えてたけど、今日は大丈夫だった…。
すってぃ 3分クッキングのリズムで叩いてたらしいけど、私は脳内お花畑だから白雪姫の曲(「口笛ふいて働こう」)にしか聞こえなかったな…。
途中で、自分のターンを叩き切ったすってぃの「ハッ!!!!」と気合いの入った声。おもろバンドやん、こんなん。
次のギタボのターンは、スティック投げのパフォーマンスを突如披露。見事にキャッチし応戦。なにこの、おもろバンド。
曲入りの、粂ニキのギターリフを弾くサウンドがま〜〜〜〜〜じでカッコイイね。好き。
En.2、煌めき
特別な日だから、告知したばかりの新曲やります!という嬉しいお言葉。
今日披露するために、演奏する事をアニメの制作側も許諾してくれたらしい。トイズファクトリー、アニメ制作会社とズブズブ過ぎないか???と思いながら、嬉しいものは嬉しい。
アニメのPV見た段階だと、「アカシをもっとキラキラに、もっとポップに」させてるイメージだったけれど、フルで聴いたらけっこう変わったかも(浅い感想)。
En.3、あれ
ラスッットォッッ!!
今日のこの曲で、「XIIX」という生き物の姿を、私は見た気がした。
メンバーに憑依するように黒い物体が身体にのしかかっているような。だいぶ前に映画館で観たヴェノムみたいな、あんな感じ。
ハンドマイクで縦横無尽に動き回るギタボを見て、何かが憑依しているとしか思えなくなってきた。
XIIXという生き物があまりにも重たくて、XIIXが暴れ回るから、順応するためにギターを置いた?
何言ってんだろね。
あと、ギタボのギターソロの時、すってぃと粂ニキ背中合わせのプリキュアしてなかったかい…????
凄いものを観た。楽しかった。
【まとめ】
前年にバンド名を掲げて回っていた「XIIX」ツアーは、「これがXIIXだ」と旗印を2人が音楽業界に突き刺すためのものだったと個人的には認識している。
自分達が立っている場所の確固たる自信があるからこそ、今までリリースしてきた曲たちを今までにない壊し方をしてきたのだろうと今回のライブ全体を振り返ると思う。
3枚目のアルバムを出した際に、ギタボは「XIIXという生き物が、ようやく手を離せるまでに育った」と雑誌で語っていた。(ROCK ON JAPAN/2023.9月号より)
そう、XIIXは生き物なのだ。
特別な日の前日にこのインタビューを読んだからか、私はラストで見えたものをすぐさま「生き物」と紐付けた。
斎藤宏介がギターを手放すほど、XIIXが成長したと気付いていれば(妄想ですが)、去年の7月の私は幸せだったかも。
ただ、まだモヤモヤと考えがハッキリしないので、渋谷・大阪で実像を掴みたい。あと、普通にこれ以上「XIIXいたもん!」と叫んでいたら幻覚を伴う薬物乱用を疑われてもおかしくない。
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