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私の業績1:RDBの入門書

ずいぶん昔の話になります。
私のキャリアのスタートは「テクニカルライティング」という分野でした。日本語では「技術文書作成」と言ったらいいでしょうか。
1980年代中頃、当時いわゆるパソコンがオフィスに導入され始めたばかりの頃で、盛んにパソコン用ソフトウェアが開発されていました。大企業からスピンアウトした技術者たちが「ソフトハウス」と呼ばれるミニマルなソフトウェア開発会社を立ち上げていた時期でもあります。私はそうしたソフトハウスのひとつに就職しました。私とさほど年齢が変わらない若い社長がひとりでやっているような会社で、私が社員第一号でした。文章が得意だった私はその日からパソコンにまつわるテクニカルライティングを任されたのです。

そして1986年(昭和61年)、満27歳のときに、最初の本を出版します。
パソコン用のデータベースソフトが流行り出していたときで、いわゆるRDB(リレーショナルデータベース)のソフトに関するマニュアル本をメーカーに頼まれて執筆したのです。
ただし、ただソフトの使い方を解説するだけでなく、今でも通用するような情報工学に関する基礎的な発想を解説したり、またミステリーの謎解きを楽しんでいるうちに、自然にデータベースの使い方が理解できる、といった工夫を織り込んだりと、なかなか凝った造りになっています。
表紙のイラストがフロッピーディスクをモチーフにしているというところが、当時を偲ばせます。
今はもうこの手のソフトの需要がなくなっているため、当然この本も絶版になっていますが、私にとっては出版文化に携わった記念すべき最初の業績ということになるでしょう。

『Do「スウィング」 -ビギナーのためのRDB入門-』日刊工業新聞社刊(共著)


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アンソニー  K
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