これからの統合的夢学の展望
■森羅万象を統合する4象限理論
私たちは、21世紀の新しい「夢学」を始めようとしている。それは、今まで個々ばらばらに行われてきた「夢」に関する探究を統合し、進化させるような新しいパラダイムの創造でもあるだろう。
この手の試みにとって、もっとも包括的で見通しのいい指針を提供してくれるのは、やはりケン・ウィルバーを置いて他にいないだろう。
ウィルバーは、近代的な知のあり方を乗り越え、より統合的な理論を構築するにあたり、まず、外面的なことも内面的なことも含めたこの世の森羅万象を4つの象限に分けてみせる。「象限」とは、空間をX軸とY軸で区切ったときにできる右上、右下、左上、左下の4つの区画を意味する。そして、右上を「それ(it)」(外面的、個的、行動的、客観的)の領域とし、右下を「それら(its)」(外面的、集合的、社会的、間-客観的)の領域とし、左上を「私(I)」(内面的、個的、意志的、主観的)の領域とし、左下を「私たち(we)」(内面的、集合的、文化的、間-主観的)の領域としている。
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