デカルコマニー作品2:幻影の森
デカルコマニーの技法を二枚の画用紙を重ねるかたちでやることによって、ほぼ同じ画面が二枚手に入ります。この二枚を両方使うことによって、思わぬ効果が現れます。
この作品の場合、一枚目の画用紙に、木立ちの中に佇む鹿を描きました。
デカルコマニーで盛った絵の具を割り箸や筆の柄で掻き取ることで鹿や樹木を造形しています。盛った絵の具の下から隠れていた色が出てくるのが意外な効果。
ただし、掻き取った絵の具は捨てるしかないので、もったいない気もします。
さて、もう一枚の画用紙には、一枚目を近景と考えた場合の遠景を描いてみました。
これを、ちょうどいい具合に重なり合う部分でつなぎ合わせると、鏡面効果のようなものが出て、対称性と近景+遠景の奥行とが同時に実現されます。
この絵では、湖面に映った遠景の手前に鹿がいるような感じに見えませんか?
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