散歩
僕は元来デブショウである。
けして太りやすい体質、ではない。
どちらかといえばやせ型に近い体質だ(へへへ、いーだろー)
食べても脂肪はつきにくいし、筋トレを頑張ってプロテインを飲んでも一向にムキムキにならない。
だがしかし胴回りの浮き輪肉だけはどうにもならない。アイツはしつこい。どんだけ腰を重点的に動かしても頑として腰にしがみついて離れようとしない。中年とはそういうものだ。これを読んでいる若い読者諸君は心して歳を重ねるように。
・・・違う。こんな百万回使い古されてきたダジャレはさておいて、本題に戻そう。出不精である。外に出るのが億劫なのである。
結婚前は家でゆっくりするのが至高の幸せであった。PCにかじりついたり、マンガ読んだり、アニメ見たり。ワンルームの間取りをだらだら時間を消費していたものである。
移動も当然最小限だ。わが相棒である自転車「とっとこ号(なぜこの名前なのか由来はもう時の彼方だ)」にまたがり、スーパーへと繰り出す。生活物資をカゴいっぱいに乗せ、注意しないと公道に物を落としかねないから歩いて帰ることもしばしば。ちなみに驚くなかれ。そんな10年を優に超える付き合いとなるとっとこ号はいまだ現役である!
そんな生活も結婚すると一変する。週末朝から昼過ぎにかけて外出するのである。しかも毎日。ここだけの話正直なところ、結構ハードである。なにしろ結婚前が先述の通りだったのである。地中をねぐらとしていたモグラがアクティブに地上を駆けずり回っているようなものだ。当然身体にも堪える。
もちろん、事あるごとに冗談交じりに妻にもブー垂れてもいた。僕があまりに繰り返し文句を言うものだから、妻も表情の雲行きは次第に怪しくなる。こうなってしまうと最悪である。この日一日を顔一面に仏頂面を張り付かせた不機嫌妻と過ごすという世にも恐ろしい罰ゲームが待っている。
だがしかし、待てよ。と僕は立ち止まる。
年を経るにつれて、むしろこれは僕が悪かったのではないかと考えるようになる。
つまり僕は休日の時間をだらだらと過ごし、効率的に使えないから、外出してもそれをよしとできないのではないかと考えるようになる。それはきっとその通りで、今も試行錯誤を繰り返しているが、朝や夜の過ごし方を再考することでよりメリハリのある充実した時間を過ごすことができるのは、と考えるようになった。そうして意識を向けるようになったことで実際以前よりはましになったはずだ、多分。
散歩のメリットも大きい。日の光を浴びれば体内にセロトニンが分泌され、ストレスを軽減し、一日を安らかな気分で過ごすことができるようになるという。確かに結婚前の僕はそれはもうひどかった。だらだらと過ごすもんだから、翌日会社の日なんかは「ああ、今日も一日何もできなかった」と嘆く日々だったものだ。・・・ごめん、これは今も大して変わってないかもしれない。いやでも多少はきっと効き目はあるはず・・・多分。
電車に乗って出掛けたり、近くの町を散策したりすることでおいしいお店や居心地のいいカフェを見つけるのも楽しい。ほら、今日だって気づけばこんな映えてる写真が!☆
・・・というわけで今となっては、こんな充実した日々を送れることをむしろ妻に感謝しなければいけないかもしれないね。・・・よし、そうだ。今度散歩に出るときに言葉に出して伝えてみることにしよう。さあ、恥ずかしがらずに、勇気を出して!