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スロウトレインとおじさん。

新年あけましておめでとうございます。

大晦日に続き今日も更新してみます。
いつも年明けは調子がいいんですよね。笑

年末年始、いろんなコンテンツがあって見事に追いついておりません。贅沢な悩みですね。

録画してるものやサブスクにくるものは多少猶予があるとして、「TVerにしかない」みたいなやつは早めに観ないといけなくて焦り始めております。

このnoteも本来は1つのコンテンツに対して1つの記事を書いた方が良いというのは解っているのですが、なんかその辺も「混ぜながら書きたい」という欲求があるのでそんな風に書いてみます。雑記ですね。

今年は更新頻度を上げるぞ!
という意気込みとともに。どうぞお読みください。




「スロウトレイン」

新春スペシャルドラマ「スロウトレイン」を観ました。

鎌倉に住む葉子(松たか子)、都子(多部未華子)、潮(松坂桃李)の姉弟は、交通事故で両親と祖母を一度に亡くした。月日は経ち、二十三回忌の法事の帰り道。都子が突然「韓国に行く!」と葉子と潮に告げる。この告白をきっかけに、三者三様の姉弟に、“人生”という旅路の分岐点が訪れる。
それまでの「3人での幸せ」から、「それぞれの幸せ」と向き合っていく葉子、都子、潮――。
そして物語は日本の鎌倉から韓国の釜山へ。

(公式ホームページより)


「アンナチュラル」や「逃げ恥」でおなじみの野木亜紀子さん脚本のスペシャルドラマ。上記のキャストに加え星野源さん、宇野祥平さん、井浦新さんらが出演するということで今回の年末年始のテレビ番組の中でも僕の中で“観るべきコンテンツの筆頭”だと楽しみにしていました。

特別な事件が起きたりするわけではないけど、その町に暮らす人達の日々の営み、生活や人生が丁寧に描かれたとても良いドラマでした。

特に星野源さんがメチャクチャ良かった。彼の文章や音楽、ラジオも大好きですがやっぱりお芝居も好きなんだということが改めて解りました。映画「罪の声」をもう一度観たくなった。


ザ・野木作品。

野木さんがこれまでの作品でも描いてきたようなジェンダーや“女性の”孤独なども丁寧に描いていて。

鎌倉と韓国を舞台にした作品で、「世の中の2時間ドラマがみんなこれくらいのクオリティになったらそれだけでその舞台となる地域のとても良いプロモーション映像になるのに」なんてことも思いました。

あとこれは演出の部分かもしれませんが、野木作品でもおなじみの「登場人物のファッション素敵だな」とか「部屋のインテリアが可愛い」という感想も持ちました。松たか子さんは首のところが丸いコートがよく似合う。

同性愛に国際結婚と若干「要素多いな」とも思いましたがフィクションだし最後はとても上手くまとめられていたので文句なしだったのですが(薄っぺらいお涙頂戴作品へのアンチテーゼも最高でした)、この作品を観ていて僕は“あること”に気づき引っかかってしまったのでした。




あちこちオードリーSP

大晦日に放送された「あちこちオードリーSP」も観ました。

いつもの居酒屋?とは違い、まるでラジオブースのようなセットに伊集院光さんとパンサー向井さんというラジオスターを招いて4人だけのフリートーク。

これをオンタイムで収録してノーカットで放送するという試み。M-1から数日前の収録とのことで多忙を極める演者および裏方の皆さんからするとこれが一番効率が良いのでしょう。

「むか喋リスナー」そしてリトルトゥースとしては最高の組合せでこちらもとても楽しみにしていました。

特に向井さんから投げかけられた話題、昨年若林さんが審査員として初参加したM-1グランプリの話や「ミドルエイジクライシス」の話など興味深い話が山盛り。

テーブルを囲んで4人で喋ってるだけなのにこのクオリティ。流石でした。まさに「居酒屋で飲んでるみたいに」の最上級品を観ているよう。来年はぜひとも2時間SPで。笑

若林さんがいつもキングコングの名前を出すのが個人的に嬉しかったり。今回みたいにただただ喋るようなトーク番組を2組でやってくれないかなー(「あちこち〜」だと結局“TVショー”になってしまうのでもっとじっくりと話す感じのやつで)


おじさんだけ“ぞんざい”に扱ってもいい問題。

以前この「あちこちオードリー」で若林さんも語っていたのですが、今やこれだけジェンダーだルッキズムだと言われている中でおじさんの扱いだけずっとアップデートされてないという話があって。

おじさんだけは雑に扱ってもいいとされている風潮。いや「風潮」というより「事実そのもの」。「当たり前にそこにある状態」というか。

実はこれと同じことを前述した「スロウトレイン」にも少しだけ感じてしまったのです。

松たか子さん演じる葉子が勤める会社の社長さんが「家庭で居場所がない」としょんぼりするのがちょっとしたオチのようになっているくだりがあって。

今作も「“女性の”孤独」に関しては本当に丁寧に描かれていました。

ちなみに劇中で「孤独」ということについて一番核心を突く発言をしたのは宇野祥平さん演じるマッチングアプリの男性だったわけですが、そんな彼の孤独を具体的に描写しているシーンはありませんでした。

そういえば「アンナチュラル」でも飯尾さん演じる坂本が、井浦新さん演じる中堂さんに暴言を吐かれてパワハラで訴えるシーンが出てきますがこれも結構コミカルに描かれている。

例えばセクハラをこれと同じテイストで描いたらまぁまぁ叩かれそうな気がします。でもおじさんがヤラれているシーンはコミカルに描かれてしまう。

うーーーん…

までも、これってたぶん揚げ足取りですよね(!)

無理難題というか、非常に野暮なことを言ってるような気がしてきました。

「求めるところが違うだろう」という。

それまるで、寿司屋に入って「こんがり焼いたスペアリブが出てこなかった」と言ってるようなものでお門違いも甚だしいのではないのかと。そこは求めちゃいけない部分なのかもしれませんね。


この作品に何を求めているのか。

鎌倉という素敵な町を舞台に早くに両親を亡くした姉弟が悩み、葛藤しながら暮らしていく姿を丁寧に描いている。「結婚しない長女」や「直感で動く次女の国際結婚」、「弟の同性愛」を散りばめて。

ここにリアルな男性の感情や生活は不要なのかもしれません。

といいつつ「本当にそれでいいのか」みたいな感情もある。なんか女子校でのことを「社会のすべて」とされてしまっているような感覚というか。

いや本当に難しいですよね。

かといってここに地面師のああいうエグいシーンを入れればいいのかというとそうでもないし。多少なりともクズっぽい人が出てきたらいいのかなぁ。いや求められてないのか別に。プラトニックな作品に野暮なこと言うなよということか。


さいごに。

と、年始早々モヤモヤしたままこの文章を書き終えたいと思います。笑

お分かりいただけているかとは思いますが、決してこの作品を否定したいわけでも揚げ足を取りたいわけでもありません。ただイチ視聴者として少しだけ気になったなー、というお話でした。

あ、「あちこちオードリー」で話していた「“誰も傷つけない笑い”なんて無い」という話にも通じるかもしれませんね。

よくバラエティ番組などで女性に対して配慮に欠ける発言があると叩かれたりしますが、おじさんが雑に扱われているときだってもしかしたら少しは傷ついているおじさんがいるかもしれないよ、という。

おじさんはそんなこと言いませんけどね。最初から誰からも守られていないので上手に弱みを見せることすらも忘れてしまった生き物、それがおじさんなのです。

もしかしたら世界で最も孤独なのはおじさんなのかもしれませんね。笑

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