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マルモッタン・モネ美術館に行きたい(今初めて名前を知りました)

昔から漫画やアニメを見るのは好きだったけど、絵を見るのが好きという感情は全くなかった私が、大学で「印象 日の出」という作品を見て何故かどハマりしてしまった。

そもそも美術が苦手で、中でも絵を描くのが大嫌い。勉強はそこそこ出来たけど美術だけはずっと平均以下だったから、美術全般への苦手意識があった。

何より1番苦手だったのが、描くものや作るものが決まってなくて、「運動会の思い出を書きましょう」とか言うやつ。どこの何を書けばいいのかわからないし、常に動き回っている風景のワンシーンを頭の中で切り取って、頭に思い描きながら絵に書き起こすなんてのは、私には到底無理です。

だけどやっぱりその分憧れもあって、絵を描ける人は本当にすごいなと思っている。浦沢直樹の漫勉とか大好き。白い紙に物語や感情や感動が描かれていく様子を見ていると、努力とセンスと才能とかいろいろすごいなと思う。自分と明らかに違う世界が見えていそうだから。

そんな、絵に対してなんとも言えない気持ちを抱いている私が「クロード・モネ」を知ったのは大学生の頃。

教育系の大学に行っており、美術の教育、みたいな授業があった。たしか。芸術家を古い時代の人から順番に紹介していく内容で、絵を描かされないらしいし、怒られないと聞いてたから、部活の疲れを癒す睡眠時間に出来そうだと思って受講した。

そこで出会ったのが、「印象 日の出」。何これめっちゃ好き、と思ったのだが、先生は「パソコンのデータだしプロジェクターだと色が違うな」と言っていた。

モネとかルノワールとかが印象派と呼ばれてて、でもそれは褒め言葉じゃなかったとか、印象派ははっきり線を書かないで光を捉えるんだよとか、説明をしていた。たぶん。

それを聞いて、なんとも言えず惹かれてしまった。

私は物事の白黒をはっきりさせるのが苦手だ。そういうものの見方をする人も苦手。この世界に白と黒ではっきり分けられるものなんてない。グレーが好き。

だけど、そういう意見もあるよねって受け入れ過ぎると自分の意見がないとかと言われるし、あれもこれも良くてどれが良いか決められないと優柔不断だと言われる。良し悪しを判断してすぐに解決できる判断が早い人ができる人で、なんでも汲み取ろうとして悩む人は時間がかかってしまうからできない人だ。

もちろん自分は後者でそんな自分が嫌だったけど、変えることは出来ないし変わらないだろうと思っていた。

そこで、この印象派の絵である。

そうそう!そうなのよ!と、勝手に共感して感動してしまった。

はっきりくっきり物事を表すことだけが正しいわけじゃないですよね。だってこんな曖昧だけどちゃんときれいだし絵だし光をキャッチして、何よりも、何かが伝わる。そして後世に語り継がれて、私が勝手に勇気をもらっているんですから。

これ以来、モネの大ファン。それどころか、美術館で絵を見るのが好きになった。

私は絵を描くのが苦手だから、どうやってこんな絵を描いているのか、急に興味が湧いてしまった。まずは絵を見て、ほー、すごいな、となってから、これって何で描かれてるんだろ?と気になる。なんでこの部分はこんなに本物みたいなんだろう。なんでこんなに空がきれいなんだろう。草が生きてる。こんなに細かく街を描いてすごい。でも近くで見ると点なのか。すごい。どうやって描いてるんだろう。好奇心が止まらない。

地元にあった美術館の展示が変わると見に行って、美術館に行ったら好きな絵を一枚決めて、そのポストカードを買ってコレクションするのが趣味の一つになった。今改めて見てみると、木や空や自然がきれいに描かれている絵を好きになる傾向があるということに気付いた。

そして今私は、肉眼で、木や空や自然を見ることができる山の中に住んでいる。川が綺麗だなとか、山が白くてふわふわだとか、緑が生きてるとか、感じながら生きている。

だけど山の中すぎて、美術館にはなかなか行けなくなってしまった。

だからやっぱり、本物の「印象・日の出」をまじまじと見たい。


#一度は行きたいあの場所

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