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【ショートストーリー】雨の終わり
雨の終わり
「ねえ、███。もしも明日、この世界が終わるとしたら、君は最期に何をしたい?」
ひたひたと雨が降る夜に、温かいミルクティーを飲みながら、貴方はそう尋ねた。
「どうしたの、急に。」
私は茶化すように笑みを浮かべながら言葉を返す。
「いや、ちょっと気になっただけさ。」
そう言う貴方の顔が、どこか深い切なさに満ちている気がして。
「何かあったの?」
「……なんでもない。」
「本当に?無理してない?嫌なことがあったら、私になんでも言ってね?」貴方が一人で何かを背負って苦しんでいるなんて、嫌だ。
悲しいことも辛いことも、2人で背負っていこうと決めたのだから。
貴方の悲哀は、私のものでもあるのだから。
そんな独占欲が溢れるも、それを満たすような返事は帰ってこない。
「青空を、見に行こうか。」
貴方が突然そういった。
青空?そんなもの、何百年も前に消えてしまったではないか。
空は常に雲が覆い、降り止まない雨は世界を壊してゆく。
「本当に見られるの?」
「ああ。本当さ。そのために、今まで██████の手がかりを集めてきたんだから。」
貴方が当たり前のように支度をするものだから、
私も夢でも見てるかのような気持ちになって。
いつしか、旅の準備を進めている。
夜顔の美しい雨の宵。
黒灰の空を淡く照らす月光が、確かに太陽の存在を証明してくれる。
不安や期待、それぞれの宝物をカバンに詰め込んで、二人は旅に出た。
ストーリー映像
自己紹介
高帆 按樹(たかほ あんじゅ)と申します。
創作サークル「夜顔のツボミ」にて、小説や音楽、ゲームなどを制作しています。
ホームページや各種SNSにて今後の活動をお伝えしていきますので、ぜひフォローをよろしくお願いします。
HP: http://www.yorutsubomi.tokyo/
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告知
2022年10月22日、23日にWeb上で行われるイベント、「クリエイターズ文化祭」に参加させていただきます。
新作の小説を2冊販売させていただきます。試し読みも用意させていただく予定ですので、楽しみにお待ちいただければと思います。
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