「リーダーになる」Antaa Academia supported by MEDIVA第4期DAY5開催レポート
このnoteでは、「経営やマネジメントを学ぶ」Antaa Academia supported by MEDIVAの講義内容を抜粋してご紹介します。
第4期DAY5の課題図書はウォレン・ベニス著の「リーダーになる」です。
今までに取り上げたビジネスやカルチャーを導く「リーダー」について学びます。
過去の開催レポートはこちらから御覧ください。
◆Antaa Academiaとは
次代の医療機関経営/部門運営の中核を担うマネジメント層を育成することを目的として、30代〜40代前半を中心とした若手医師を対象に、経営やマネジメントにおいて、翌日からすぐに活用できる実践的なノウハウや考え方を身につけることを目的としています。
毎月第4土曜日の19:00からZoomで開催される月例会では、各回ごとに課題図書が設定され、課題図書の振り返りレクチャー、講師小松さんの課題図書を医療機関に結びつける講義、参加者同士のディスカッションなど、書籍をもとに全体での学びを行っています。
◆講師紹介
小松大介
◆課題図書振り返り紙芝居レクチャー
課題図書をまだ読みこめていない人でも安心!紙芝居レクチャーで本の概要を振り返ります。
今回はメディヴァ安松さんによる紙芝居です。
南カルフォルニア大学のリーダーシップ研究会を創設し、4人の大統領の補佐も務めたウォレン・ベニス氏の執筆したこの本では、まずリーダーシップの基本要素である5つの要素が挙げられています。
ビジョンは情熱を向けて前に進める。
そして進めるにあたり誠実さが必要となる。
誠実さを元に信頼を勝ち取り、新しいことにチャレンジしていく好奇心と勇気を持つことがリーダーシップの基本要素となります。
そしてこれらを進めるにあたり大事になってくるのが自分を知ることです。
自分を知るための4つのレッスンとして
・自分の最高の教師は自分
・責任を引き受ける
・貪欲に学ぶ
・経験を吟味し、理解する
を挙げ、リーダーになるうえでいちばん大事なのは「自分自身になること」だと書かれています。
リーダーへ成長するために必要なのが、
・世界を知ること
・直感に従うこと
・混乱をくぐること
・自分を広げること
・人を味方につけること
の5つです。
自分を広げるところでは、吟味から戦略的思考を身に付けて自己表現をしていく流れについて説明され、こうした自己表現の統合がリーダーシップに結びつくことが書かれています。
そして本の最後では未来をつくる10の要因についてが挙げられています。
人は認められると頑張れるというピグマリオン効果や、感覚的なところを鋭く磨くための知覚、戦略的提携も大きなことを進めるうえでは大事であることが述べられていました。
◆前回課題「カルチャーモデル」振り返り
今回の講義に入る前に、前回の課題であった、「カルチャーモデルの振り返りとして学びをどんな風に実践したか」についてディスカッションを行いました。
小松さん自身もルール規範に人事評価まで入れる必要があるということを再認識し、自分の施設内での施策として、ビジョン・ミッションとあわせつつ人事評価も取り入れることを検討したそうです。
◆「リーダーになる」講義の目的
前回のカルチャーモデルではビジネスとカルチャーの両輪の視点が重要ということを学びました。
こうしたビジネスとカルチャーを導くのがリーダーです。
リーダーとは生まれつきのものではなく、組織に関わり、責任を持つ中で培われていくものです。
今回の講義は、リーダーになるための基本的なステップ、より良いリーダーになるための普遍的な姿勢や考え方、そして今後リーダーとして具体的に振る舞うための実践的な手法を身につけることが目的です。
◆リーダーになるためのステップ
まずはリーダーになるための7つのステップを医療界に当てはめて解説していきます。
リーダーの基本5要素では、週に1度は各病院の院長と会っている小松さんが、リーダーとしても特に優れていると思った3名の先生を例に挙げて説明されました。
ここではマネージャーとリーダーの違いについても触れられています。
次に「自分を知る」という要素では、リーダーは他者から学ぶが、他者によって作られることはないという点を強調されていました。
「医者というのは、医者になったことでミッションを達成したような感覚に陥ることがあるが、医者としてアップデートしながらあるべきに医師に向かうことも重要である。そして、役職が上がってもなお、リーダーになるべく日々成長していかなければならない。むしろ役に任命された時こそその役回りについて自分ができることをしっかり考えるべき」
と、いうのが小松さんの考えです。
重要なのは、自分がしたことに対して何が返ってきたかで、スタッフやお客さんにもらった自分に対する意見から、自分を客観視したうえで責任を引き受けることがリーダーとしての成長に繋がるそうです。
◆リーダーへと成長するために必要なこと
リーダーへと成長するために必要なことの一つが「世界を知る」ということです。
この本にも書かれているように、知ることはもちろん大事ですが、自分がまだ知り得ないことがあるということを意識することも重要になってきます。
何か問題が起こったときに、自分の知る範囲以外の要素が存在するということを知っておくことが対処の糸口になることもあることを、例を挙げながら解説しています。
逆境から学ぶという点では、小松さん自身も数々の逆境を乗り越えることで自分自身が非常に成長したと感じたそうです。
トラブルからは一度逃げるとその先もずっと逃げ続けることになる、困難なことがあったときにはじめは一度立ち向かってみることが成長のチャンスだ、ともアドバイスされていました。
さらに、リーダーとして大切な要素の一つとして、混乱時に泰然としていられるかどうかということがあるそうです。
コロナ禍で経験したように、情報も少なくみんなが不安になっている中、一緒になって慌てるのはリーダーではありません。
混乱時だからこそ、冷静に状況を整理するのがリーダーの役割となってくると言います。
失敗したときは一回クールダウンしてなぜそうなったのかを、感情を横においてよく考える冷静さも大事だそうです。
人を味方につけるということについては、誠実であることの難しさ、そしてスタッフの大事さについても言及していました。
◆ディスカッションタイム
今回のディスカッションのテーマは
「講演を聴いて、改めて自分自身のリーダーとしてのあり方について、これまでとこれからの視点で整理する」。
各チームに分かれてディスカッションを行いました。
◆本日のまとめ
今回は過去の回よりも一歩踏み込んで、具体的なリーダーになるための方法についての講義となりました。
ただ、今日の課題図書やこの講義で伝えているのは、リーダーになるための方法論であって、こうしたらいいということではありません。
リーダーシップは教えられるものではなく結局は主観です。
今日の講義の中から自分に必要な点を主観的に拾ってもらうことでリーダーへ近づくことができます。
これまで学んできたマネジメントやカルチャーモデルといった客観的視点と、リーダーとしての主観的な視点を高めることで、適切なチームマネジメントを実現することができます。
◆次回について
次回は特別回として、メディヴァ代表の大石佳能子氏がモデレーターを務める「かのこの部屋」を開催します。
「リーダーシップの旅」の著書であり、大学院大学至善館や全人格リーダーシップ教育機関アイ・エス・エル(ISL)の創設者でもある野田智義氏をゲストとしてお招きして、お話を聞かせていただきます。
講義後は大石代表との対談も予定されています。
次回の特別回のレポートもお楽しみに!