将来の進路を考え始めた研修医におすすめのキャリアスライド4選
将来的にどの診療科に進むかを考えた時に、志を持って迷わず科の選択ができることは素晴らしいことです。しかし、景気や感染症蔓延などを経た現在、医師の給与や待遇についてすべての科で好条件が続く保証はなくなってきたことを皆さんは感じ取っているかもしれません。
真面目一辺倒に目の前の患者へ医療を提供し続けるのは大事ですが、中長期的な視点で日本の医療の動向を知りつつ、将来性のある進路を選択するのもまた大事ではないでしょうか?
厚生労働省の政策に関するホームページを見ていると、厚労省が今後15年間で力を入れていく分野や、中期的な医療ニーズが見込まれる分野というのが見えてきます。「保健医療2035提言書」では、重症化予防や罹患予防の徹底による医療費削減、キュアよりケア、健康寿命の延伸といったキーワードが目につきます。特にメンタルヘルス分野やリハビリテーション分野には中期的なニーズが期待されますね。
今回は、どんなスタイルで仕事をしていくかの視点で選んだキャリア関連スライドを紹介します。
9時17時で病院勤務医が続けやすい!リハビリテーション科
リハビリテーション科は、新専門医制度における19の基本診療領域のひとつです。脳疾患発症後や整形外科疾患発症後、高齢者の長期入院に欠かせないリハビリテーションは、患者の生活の質を支えます。
超高齢化社会における医業のメインを担っていく分野であり、現行の求人も多く、将来性もある科ではないでしょうか。仕事の性質上、救急や急変などによる夜間対応の負担や残業が少なく、9時17時の働き方が十分に可能なのも魅力がありますね。スライドでは、リハビリテーション科の仕事内容がイメージしやすいよう写真やイラストで解説されています。
産業医活動も開業もやりやすい!他科から転科しやすい科、精神科
精神科も新専門医制度における19の基本診療領域のひとつですね。医局に属さなくても専門医が取れるプログラムが多くあり、働く場所が選びやすい科です。年齢が大きなデメリットにならず、他科から転科しやすい点も魅力ですし、若手のうちに戦略的に他科から転科して自分のしたい医業ができる科といえるでしょう。
企業産業医は内科系のみの医師よりも、職員のメンタルヘルスチェックを担える人材がより求められており、開業も初期設備投資を少なく始められます。スライドでは、精神科を専攻した後のサブスペシャリティーについても詳しく紹介されています。
ママ女医が開業の道に進んだのは、内科の専門医取得後
医師になって10年近く経ち、筆者の周りでも、子育てとの両立のために開業の選択肢を持つ人が増えてきました。内科は、それまでの医師経験を役立てた転科が出来るため、精神科と並んで転科、かつ開業がしやすい科といえるでしょう。
このスライド作成者の女医先生は2人のお子さんのママで、腎臓内科の専門医取得後に開業されています。スライド内では、開業医と子育てを両立させていった実例以外に、他のママ女医の働き方が複数紹介されています。そのため、女性研修医にとってライフプランの参考になるのではないでしょうか。
海外志向の先生が選ぶべき科、総合診療科
若いうちは特に、海外勤務に興味のある研修医の先生も多いかもしれませんね。大学医局が留学に強いルートを持つことは多くありますが、若いうちに自力で海外臨床留学や海外就職しやすいのが総合診療科だと個人的には考えています。
海外へのレジデンシープログラムの応募も比較的倍率が低めと言われていますし、医局所属ではない臨床留学経験者にはこの分野の先生が多い印象です。また、総合診療能力は日本の免許が使える国で医業をするときにも特に必要とされる素養です。帰国したのちも、一般内科医としていくらでも働き方を選べるでしょう。
今回は海外勤務経験者のスライドを紹介しますが、Antaaスライドには海外のレジデント経験者のスライドもあります。いずれもご自身の視野を広げるきっかけにしていただければと思います。
キャリアスライドを読んでライフプランに合う診療科を選択しよう
今回は、一般的なメジャー・マイナー科とは少し違った科のスライドを紹介しました。紹介した科以外にも、魅力のある科はたくさんあります。将来性や発展性のある科を選んだり、転科の選択肢を持ちながら戦略的に医師キャリアを構築したりすることで叶えられる夢もあるかもしれませんね。これから専門科に進む研修医の先生方が、ご自分に最も適した科が選べるように応援しています。
文責:珊瑚@緩和
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