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ASA2022受賞者に聞くスライドづくりのコツ「“読みたくなるサムネイル”と“読み進めたくなるイラスト”」|最多閲覧賞:shun@形成外科先生

2年目の開催となった「Antaa Slide Award 2022」。
今回のアワードでは、2022年で最も閲覧されたスライドに「最多閲覧賞」、2022年に最も保存されたスライドに「最多保存賞」、#AntaSlideAward2022で最もシェアされたスライド「最多シェア賞」の3つの賞を贈りました。

最多閲覧賞: 「針と糸の選び方 『先生縫合の糸は何を出しますか?』 この問いに答えられない方は必見」(shun@形成外科先生)
https://slide.antaa.jp/article/view/2977fb6947924161

最多保存賞: 「研修医に知ってほしい抗菌薬」(永井友基先生)
https://slide.antaa.jp/article/view/b56bfda9d72e4b06

最多シェア賞: 「2022.12.14時点のCOVID治療薬と濃厚接触者の就業制限の考え方とワクチンまとめ」(新米ID先生)
https://slide.antaa.jp/article/view/0b3016c4d9a744dd

※スライドの名称、URLは、受賞当時のものです。

そしてこの度、受賞した3名の先生に「スライドづくりのコツ」について、インタビューを実施することに。「画像はどうやって用意しているの?」「内容はどうやって決めているの?」などなど、スライドづくりのヒントが盛りだくさんです!

第3弾となるこの記事では、最多閲覧賞を受賞した shun@形成外科先生 にお話を伺います。
形成外科の知識は、知っていればベター、知らなくても困らないものが多い」と話すshun@形成外科先生。「だからこそ、スライドづくりは」と、読まれるために積み重ねられた工夫の数々をざっくばらんにお話いただきました。

伸びると思ったスライドは案外伸びず、受賞スライドは予想外のものに

改めまして、最多閲覧賞受賞、おめでとうございます!

ありがとうございます。すごく嬉しいです!
結構昔に投稿したスライドだったので、「このスライドか」と驚きました。
なんでこんなに見られたんだろう、、、という感じで、やはり需要は投稿してみないと分からないですね。以前、需要がありそうだと思いつくった美容関連のスライドについては、あまり閲覧数が伸びなかったこともありました。

先生も驚きの選考結果だったんですね。今回受賞されたのは、縫合についてのスライドでしたが、どうしてこのスライドを投稿されたのでしょうか。

以前、縫合について他の科の先生に質問された事があり、その時に、「形成外科では当たり前のことでも、他の診療科の先生は知らないこともあるのではないか」と考えたことがきっかけです。
部位や症状などによって、使うべき針と糸が異なりますが、どの針と糸を使うか知っていれば、臨床では理由まで知らなくても困りません。でも、知っていると縫合や傷痕への理解がより深まるためいいのではないかと思いました。
実は投稿するまでは「針と糸なんてニッチなスライドは投稿しても読まれないのではないか」という不安もありましたが、まずはスライドをつくって投稿してみることにしました。

最もこだわるのは目に止まる「サムネイル」

確かに、分からなくても困ることがない知識は後回しになってしまいそうです。それでもたくさんの方に読まれた理由をどのように予想されていますか。

理由になったかは、分かりませんが、スライドづくりの際は、サムネイルに力を入れています。今回の縫合だけでなく。形成外科の知識は、知っていればベター、知らなくても困らないものが多いと考えています。だからこそ、クリックされるようなサムネイルを徹底しています。

確かにメリハリのある色使いや「YOU MUST KNOW.」という文字がインパクトがあり、目に止まりますね。

フリー素材の活用で、読者に寄り添う教材に

そのほかにスライドづくりの際に、工夫されていることはありますか。

世間の教科書やスライドは堅いものが多いですよね。私は難しそうだとそもそも読む気がしないため、図やイラストを入れて、できるだけハードルを下げるように工夫しています。また、説明についても、分からない人に向けて、細かすぎるくらい詳細に記載するようにしています。

確かに先生のスライドは、イラストや写真素材が散りばめられていて、テンポよく読み進められる一方で、分からないところはしっかりと読める優しいスライドですよね!

実際に、形成外科以外の先生や看護師さんなど幅広い方に読んでいただければと思い作っているので、そう言っていただけて嬉しいです。
イラストや写真素材は、イラスト屋やunsplashなどのフリー素材を活用しています。ただデザインを毎回新しいものを作ろうとすると、かなり時間がかかってしまうので、使いまわしている素材も多いです。

需要は読めない、だからこそ、まず投稿してみる

話が前後しますが、先生がAntaa Slideに投稿し始めたきっかけを教えてください。

多くの医者が、初めの頃は同じような道を辿り、同じ勉強をするのを効率よくできないかと思い、最初はブログでの情報発信を考えていました。そこで、Antaa Slideに出会い、医者の間で知識の共有をするのに最適な場所だと思い、Antaa Slideの投稿を始めました

投稿をする前はいつもこの「スライドに需要があるのだろうか。」と考えますが、前述した通り、需要は読めないのでまずは投稿してみるようにしています。

初めての投稿をしたときも同じ気持ちでした。読んでもらえるのだろうかと不安がありましたが、Antaa Slide内で保存されたり、またTwitterで「読みました!」というような反応をいただいたり、みなさんに少しずつ背中を押していただき、励みになりました。

「読まれないかもしれない」と尻込みせず、「まずは投稿してみる」が大事ですね。本日は、改めてインタビューのお時間をいただきありがとうございました。スライドを読みたくなる「サムネイル」、そして、スライドを読み進めたくなる「イラスト」、読者に寄り添ったスライドづくり、大変勉強になりました。


shun@形成外科先生のスライドはこちらからご覧いただけます。