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【研修医向け】急変時の知識アップデートにおすすめスライド3選
「研修中に自分の目の前で患者さんが急変した!」確認し、意識がなければ「すぐにナースコールで人を呼んで!」「心肺停止なら胸骨圧迫だ!」と、多くの先生は思い浮かぶでしょう。それは医学生の時からBLSやACLSでトレーニングしているからです。
しかし実際は、目の前で患者さんが急変した時はシナリオ通りにいかないことがほとんど。患者さんの急変時、上級医や救急医がかけつける前に、研修医の先生たちはどのように動きますか?今回は急変時に役立つAntaa Slideを紹介しましょう。
まずは基本の「き」、心肺蘇生法を確認しよう!
普段トレーニングしていないことは、急変時には絶対できません。心肺蘇生の基本の「き」は「ヒトとモノを集める」「絶え間ない胸骨圧迫」です。JCRの蘇生ガイドラインは5年ごとに更新されています。2022年1月時点では、2020年版が最新のガイドラインです。医学生の時に習ったものとは変わっている可能性があるので、最新のガイドラインをチェックしましょう。特に研修医の先生は、少なくともBLSは確実に自分のものにしておきたいですね。
研修医の先生で麻酔科などをローテート後だと、すぐに気管挿管してしまいたくなります。もちろん窒息や呼吸原性の心肺停止であれば、それでもよいのですが、基本の「き」は、胸骨圧迫を中断させないことです。人なし、バックアップなしの状態で気管挿管にトライして、胸骨圧迫の中断時間が長くなることは許されませんよね。バッグバルブマスクやジャクソンリースで有効な換気ができていれば、気管挿管は上級医到着後でもよいかもしれません。
救急医だと心配蘇生を日常診療でトレーニングできますが、そうでない場合、意識しないとすぐに動けません。そこで紹介したいのが、三谷雄己先生の【最新版】BLS・ALS(ACLS)のまとめ【JRT蘇生ガイドライン2020参照】です。ぜひスライドで最新ガイドラインを確認しましょう。
人が集まってきた時どうする?まずは誰が指示を出しているのか確認
院内急変でナースコール、病院によってはコードブルーやRRT発動が起こるとどうなるでしょう。そうです、人が集まってきます。結果、多くの急変現場では人が多すぎて「場」が混乱します。どなりだす医師、よく聞こえない指示、多くのスタッフ……。混乱した現場で先生は、どうしたらよいのでしょうか?
場が混乱した場合に答えをくれる、マツモト ソウイチロウ先生のスライド「院内急変!まず何を考える?」を紹介します。
スライドでは、救急の現場で大切な指揮命令系統について説明しています。混乱した状況では、誰がリーダーなのかを明確にしましょう。リーダーが冷静な立場で的確な指示をして、チームとしてのパフォーマンスを最大限に引き出すことが、救急診療では大切です。先生がファーストタッチした時には、間違いなく先生がリーダーになるでしょう。自分がリーダーになった場合はどうすればよいのか、シミュレーションしておきましょう。
急変したのは、子どもかもしれない!?小児の心肺蘇生のポイント解説スライド
院内急変は、必ずしも成人に起こるわけではありません。BLSやACLSでも小児の蘇生について勉強しますが、実際の講習などで割かれている時間はとても短いです。小児の蘇生、PALSを確認しておきましょう。
小児の急変時は、救急医であってもかなり緊張します。常日頃から最悪のシナリオを想定して、すぐに動けるように知識を確認しておきたいですね。小児の急変時のポイントは「成人とのバイタルサインの違い」と「呼吸原性が多いこと」です。
小児の急変に対しては、田中 雄一郎先生のスライドで勉強しましょう。スライドでは初期の評価方法のポイントがわかりやすく解説されています。症例提示で具体的なバイタルサインやチェックすべき点を勉強できるのもよいですね。
急変時対応ができれば当直も救急外来も自信をもてます
今回は、急変時の対応についてのスライドを紹介しました。滅多に起こらないことですが、起こってしまえば初動の対応で患者さんの予後は大きく変わります。そして多くの場合、ファーストタッチは救急医ではなく、病棟や外来で日々研修中の先生たちです。
ぜひ、自信をもって対応できるように、Antaa Slideを使って定期的に知識の確認をおこないましょう。
執筆:すたば@救急医