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「コンサルタント」はウサンくさい?
「コンサルタント」にまつわりつく負のイメージ
コンサルタントという肩書にはなんとなく怪しげなイメージがつきまといます。バブル期には「経営コンサルタント」と称する反社会的勢力の人たちが少なからずいて、不動産売買や株価操作などのダークサイドで暗躍していました。
コンサルタントというと「舌先三寸、こむずかしいことを無責任に並べ立てて相手をケムに巻いてお金をぼったくる」ウサンくさいイメージが付きまとう傾向が今でもあるようです。
ウサンくさくないコンサルタントだっている
今でもまあ、もしかしたらそんなインチキコンサルもまだ絶滅はしていないのかもしれませんが、しかし僕の周囲で「コンサルタント」として実際に活躍している人たちは、非常に誠実にクライアントのために知恵をしぼり、頭も身体も時間も使い倒して働いています。
クライアントのためのベストな選択はなにか、クライアントの置かれた混沌とした状況を整理し、内的・外的環境を調査分析し、その答えを様々なデータや取り組み事例から見つけ出そうと、あらゆる可能性を考えて思考と議論を重ねて努力しているのです。
無形サービスの葛藤
コンサルタントの仕事がいまひとつ理解されにくいのは、見たり触ったりできない「無形サービス」であることが理由のひとつだと思います。
良質のコンサルティングを実際に受けたことのあるクライアントであれば別ですが、コンサルティング未導入のクライアントでは、先入観に邪魔されてその価値が予測しにくいのです。
果たしてコストに見合う価値が得られるのかよくわからない。これが「コンサルタントはウサンくさい」と思われてしまう原因だと思うのです。
コンサルティングの意義
専門的な知識や経験を生かして、クライアントの困りごとを解決するための具体的な手助けをするのがコンサルタントの仕事、と僕は定義しています。
だから、意見を言ったり、批評をするだけではコンサルティングの仕事ではありません。
問題点だけを指摘したところで、クライアントはそれをどう解決していいかわからない、漠然とした改善提案をレポートされただけではどう進めていいかわからないからこそ、コンサルタントに依頼をするのです。
クライアントは何に困っているのか、原因はなんなのか、そもそもクライアントはどうあろうとしているのか、クライアント自身では意外と整理しきれていないことがよくあります。
「◯◯が原因なので××を導入したい」というクライアントも少なくないのですが、原因分析が実は的外れということもよくあります。
「岡目八目」という言葉がありますが、当事者から一歩引いた立場でこそ見えるものがあり、それを見つけ出すのもコンサルタントならではの仕事なのです。
コンサルタントの正しい使い方
コンサルタントはBPO業者ではありません。
もちろん、クライアントのために資料作成やワークショップのファシリテーター、個別ヒアリングのインタビュアーなどをすることはあります。
しかしそれは、クライアント自身が行うことに障壁があり、第三者が行うことが必要な場合です。「忙しくて人手が足りないから」コンサルタントに丸投げ、という発想は(仕方なく引き受けることもありますが…)コンサルタントの使い方として適切ではありません。
一例で言うと「人事評価制度がないからウチの業種向けのテンプレートをくれ」というような極端な依頼もありましたが、僕はお断りさせていただきました。
クライアントにきちんとした価値が提供できず、単なる「お飾り」になってしまうだけだからです。
経営トップの目指す成長目標と、そこに働く社員さんの思い、クライアントの現状を把握し、そのギャップをどう埋めるかの施策を立てたうえで、目標に向かって順調に進んでいるかを測るのが人事評価です。
人の評価をするツールではなく、会社の目標を各社員がどのくらい達成してくれているかを計測するのが人事評価制度だと僕は考えています。
クライアントは、自ら成長すべき「プレーヤー」です。コンサルタントはプレーヤーの成功のためにサポートする伴走者であり、コーチです。
クライアント自身が課題を解決し、自ら成長目標を達成するためのスキルを発見し習得するためのガイド役、参謀、知恵袋となるのがコンサルタントです。
トンネルの出口を見つけ、一緒に出口から明るい外に出るまで付き添うコンサルタントであろうと、僕は志しています。