
レンタルビデオの店員のオススメ
学生時代のアルバイト先
レンタルビデオ屋は
当時は珍しく宅配もアリの繁盛店
なんと
途中でお買い物も
請け負ってました
お弁当やコンビニでの買い物などもOK
今のUber Eat'sのはしり?でした
ある程度
店の仕事に慣れてくると
宅配の電話の担当もするようになりました
まだインターネットが
無い時代
情報がほとんどないので
雑誌やカタログなどが情報源の時代です
ネット検索などないので
店員の力量が試されます
当然ですが
ほとんどのお客さんはタイトル指定で
レンタル宅配の依頼をしてきます
ただ
若干特殊なお客様もいました
基本事務所で
24時間待機が多い職種のお客様で
超VIP待遇のお得意さん
お金をバンバンつかう方(会社?)がいらっしゃいました
自分が電話を取ると
「〇〇商事だけど3〜4本ある〜?」
との依頼
実は超VIP用には
こっそり新作などは隠してキープしてあるので
新作をオススメすると
「ん〜、いまいちやな。にーちゃんのオススメな旧作おしえてーや。」
これは緊張…
なにせレジ端末の履歴では
1000本以上は観ているので
うかつなものは
オススメできない
このお客さんへの宅配ビデオ
暗黙のルールーで
・字幕NG(目を離して電話するタイミングがあるらしいので)
・洋画でも邦画でもOK
・長編NG(急な仕事が多いらしいのでサクッと観れる映画)
・アクション、SF、冒険物、サスペンスはOKだけどラブロマンスはNG
電話を持ちながら店内の商品をオススメして
結局ベタな洋画ですが
マッドマックス2(吹き替え)、インディージョーンズ1〜3(吹き替え)
でOKもらい
ホッと一安心
ところが
「にーちゃん、邦画も1本頼むわ〜」
との追加依頼
悩んだ挙句
一番当時好きだったVシネ
「極道戦国志 不動」三池崇史監督作品
をオススメ
電話口でパッケージ裏のあらすじを伝えると
しばらく
電話口で押し殺した笑いが聞こえて
ぽつりと
「にーちゃん、うちらの仕事知っとる?せめて映画は別ジャンルにしてや。」
しまった!
映画に娯楽を求めてるから
現実とは違うジャンル希望か!
「すすすすす、すいませんっ!次に好きな日本映画、
『たんぽぽ』か『幸せの黄色いハンカチ』はどうでしょうか?」
って
どうにかとりつくろって返答したら
「その映画は泣けるんか?」
とのまさかの返事
『幸せの黄色いハンカチ』は泣けます!って返事したら
「両方ともいれといてや。泣けなかったら泣かすぞw」
と言って電話は切れました
どっと疲れて
店長に事の顛末を説明して
タバコ休憩もらって一服してたら
店長やってきて
「ヤクザにヤクザ映画はオススメできないな」
って笑って
端末のそのお客さんのコメント欄に
※ヤクザ映画NGって記入してました
その後
縁あって
その事務所にお呼ばれすることになりましたが
そのハナシは
別の機会で…
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?