クールな宅配便作業のケーキと鮭
クリスマスシーズンが近づくと
学生時代のアルバイトを思い出します
当時はロン毛のため
アルバイトをあまり自由に選べる立場になかった
友人からの誘いがあり
短期の1ヶ月だけ
クールな宅配便の仕分け作業を
やってみることにした
うろ覚えだが
週5で18時から22時までで
まぁまぁ稼げた記憶(12〜3万程度だったかな)
作業内容はものすごく簡単で
社員も優しく
当たりのアルバイトだった
作業内容は
決められた担当地域の冷蔵コンテナに
冷凍された品物を入れるだけ
地域ごとに割り振られた
3桁だったかの数字と地域名を確認して
ベルトコンベアで流れてくる商品を
ピックアップしてコンテナに積むだけ
社員が見回りしてて
コンテナがいっぱいになったら
新しいコンテナを持ってきてくれる
同じ担当地域のアルバイトと
くだらない話をしながら
やることさえやっていればOKという
ぬるいアルバイトであった
たまに渋滞なのかトラックが全然来ない日もあって
社員さんも暇だから
アルバイト集めて
冷凍に使うドライアイスのかたまりを
倉庫の床で滑らせて
誰が一番ゴール近くにとめられるか
アホなことして遊んだりして
社員とアルバイトは
とても仲が良い感じだった
でもさすが年末の繁忙期
忙しい時は鬼の忙しさ
クリスマス前は
冷凍されたケーキが大量に流れてきました
コンテナのスペースが無くなってくると
新しいコンテナを追加するのですが
コスト的にはできるだけコンテナ数を減らしたい
そうなると当然荷物はぎゅうぎゅうに…
クリスマスケーキが縦に詰めれているのを
何度も目撃していました
ケーキの縦積みはダメだろ…
後日
仕事前の朝礼で
「クリスマスケーキはカップルばかりが食べるわけではありません。
家族が楽しみにしていることが多いです。
クリスマケーキは大事に取り扱ってください。」
という連絡がありました…
とても印象に残っている出来事といえば
あるとき
ベルトコンベアに流れてくる荷物をみていると
遠くから
どんぶらこっこと
箱に入った
大量の冷凍荒巻き鮭が!
なぜか
社員もアルバイトもテンションが爆上がり!
「大量や!今年の冬は鮭が大量や!」
なんてアホなこと言いつつ
せっせと川(ベルトコンベア)から
鮭を水揚げする漁師達(アルバイト)
途中流石に間に合わなくなってくると
百戦錬磨の社員が登場
「船長!任せておいてください!」
とか言いながら
社員2人がベルトコンベアからピックアップして
コンテナ前の社員にジャンジャン鮭を渡しています
アルバイトが
さすが社員はキレがちがう
「アニキたちすごいっス!大量の鮭でも余裕っすね!」
とか言ってたら
調子こいてた社員の2人
ベルトコンベアから
カツオの一本釣りみたいに
コンテナに向かって
ボンボン鮭を投げ始めました
ベルトコンベアからコンテナまでは
まぁまぁいい距離
ベルトコンベアから社員が鮭を投げる
コンテナ前の社員がナイスキャッチして
コンテナに積む
まるで餅つきのようなコンビネーション
そのとき悲劇が
ぶん投げられた鮭
コンテナ前の社員がキャッチできず
地面に落下
すると
神様の悪戯なのか
落下した衝撃で
箱のサイドがパカっと開き
中身の冷凍鮭が
カーリングのように床を
シャーって滑っていきました
落下してから鮭が滑るまで
時間としては数秒だったと思いますが
社員が電光石火のスピードで
鮭を拾い上げ
何事もなかったように
箱に戻して
そのままコンテナに閉まっていました…
倉庫の床を
裸の鮭が滑っていた姿
まるで産卵しているような感じでした
となりのアルバイトのやつ曰く
「鮭が滑り始めた時、鮭の口が開いた」
とか言って
社員もアルバイトも爆笑していましたが
このことは
結局その日の内にきっちりバレて
社員さんはめちゃくちゃ怒られ
中身が出ちゃった鮭は
キチンと探し出されて回収されてました
バイト終わりで
社員さんからコーヒー奢ってもらって
箝口令がひかれたけど(もう20年以上前だからいいか)
床を滑った鮭
いい顔してたよ
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