電工2種技能試験対策 [超重要]VVF1.6加工練習編
組み立て開始!!
複線図が描けたら回路を組み立て開始。
この組み立て作業のなかで一番重要なのが VVF1.6 ケーブルの加工です。
この VVF1.6 ケーブルの加工のために、
シースと呼ばれる外装を剥く
芯線を覆っている被膜を剥く
の 2種の作業が必要です。で、試験問題を見てもらえばわかるのですが、試験課題ではこの2種の作業を行う回数が圧倒的に多くなっています。この2種の作業をミスなく、しかも「短時間」で出来るようになることが合格への道です。この動作を基本として何度も練習して指が覚えるまで繰り返します。
練習の結果、VVF1.6ケーブルの加工が短時間で安定してできるようになれば、時間に余裕ができます。他の難易度の高い部品の加工作業に、余った時間を配分することで、焦りによるミスを減らすことができるでしょう。よく出てくるこの 2 つの作業をみっちりと練習して時短、あまり試験に出てこない作業に余り時間を配分することで練習不足をカバーする。
この作戦、お判りいただけましたか? OK ならば、さっそく練習を始めましょう。
VVF1.6ケーブル加工練習のコツ
まず、VVF1.6 ケーブルの加工に絞って練習を行いましょう。コツは2点
外装を剥くときに芯線被膜が傷つかないようにストリッパの刃を意識する
芯線被膜を剥くときには合格ゲージを使ってワンアクションで剥く
順に説明します。
外装剥きとストリッパの刃
VVFストリッパで外装を剥く作業ですが、ホーザンさんのVVFストリッパの解説動画を見ると、以下のようになっていると思います。
ケーブルを左手、ストリッパを右手に持つ
ケーブルをストリッパの対応する太さ、芯線数の位置に挟む
ストリッパを握り、外装に切り込みを入れる
ストリッパの握りを緩める
左手の親指でストリッパの上の刃を押して外装を千切ってそのまま剥く
うまく剥けない場合は少しケーブルをこじる
おそらく、初めてこの作業をする人は 5 のストリッパの刃の上を左親指で押して外装をプチっと切るというところで四苦八苦されてると思います。
外装が剥けたとしても内部の芯線被膜に傷をつけてしまったり、ひどいときは大きな傷で芯線が露出してしまうこともあるでしょう。
これを防止する方法はあるのでしょうか?
答えは
外装を剥くときは左親指をストリッパの上の刃に、右親指をストリッパの下の刃に置いて、ストリッパの刃が上下に傾かないようにバランスを取りながら、ストリッパがケーブルに平行に動くように両指に力を入れる。
力を入れるときでもストリッパは緩めたまま、握りこまない。
それでも外装が切れない場合はケーブルを「左右に」こじって引っ張る。絶対に上下方向にこじってはいけない。
こんな感じです。外装を剥くときに右手をケーブル位置へスライドさせているところにご注目ください。
詳しい説明をします。まず、VVF ストリッパの仕組みを見てください。
VVFストリッパの外装を剥くところは、上下に付いた連続したカマボコ状の刃でケーブルを挟み込むようになっています。刃は上下についており、左右にはほとんどついていません。
こういった構造なので、ストリッパが上下(手首が回る方向、丸いドアノブを回すような方向)に傾くと、外装内部にまで刃が侵入して芯線被膜を傷つけますし、ミスなく外装を剥きたいならストリッパを上下に傾けることなくケーブルと平行に力を込めて押すことが重要となるのです。
上下のバランスをとるのが難しければ、右親指をケーブルを挟んでいるところの直下にもってくるように握り直してから、両方の親指で押し出すと感覚がつかめるようになります。
3芯線や太いケーブルも同様です。ケーブルが噛んでいる部分になるべく近いところを押すことで、微妙な力加減をしやすくなるのです。
もし外装が千切れない場合は、ケーブルを左右にこじりましょう。
上下にこじるとその方向にストリッパの刃がついているので内部の芯線被覆に傷がつきますが、左右なら傷をかなり防止することができます。
「ケーブルをストリッパの上下の刃に触れさせない」というのが鉄則です。
慣れてきたらこれをミスなく素早く繰り返せるように練習しましょう。
前述しましたが、この外装剥きが試験での頻出作業の一つなのでここで時短できるようにすることが最も効率の良い練習なのです。2~3時間ぐらい、繰り返し練習すればものすごく早くできるようになりますので、施工時間が縮まらなくて悩んでいる方にお勧めしたいところです。
合格ゲージでワンアクション被覆剥き
まず言いたいのは
「VVF ストリッパ使うなら合格ゲージを一緒に買っとけ」
です。
合格ゲージを使うことの時短効果がただ事ではないのです。
ホーザンさんの解説動画見ても分かるように、
ストリッパの真ん中辺りの目盛りで芯線を剥く長さを計り、指で固定する
ストリッパで指が触れる位置まで芯線を挟んで被覆を剥く
という、2つのアクションで芯線の被覆を剥きます。しかしこれを経験された方ならわかると思いますが、指で長さを固定しても、指の肉厚の分で測定誤差、作業誤差が発生してしまい、結局ペンチで切り直すとかいう時間ロスが起こりがちです。なので、時短のためにもこの作業をやらずに済ましたいところなのです。
ですので、このロスをなくし、さらなる時短をするために、
合格ゲージで芯線の長さを計って、そのままストリッパで被覆を剥く
というように、一連のアクションで芯線の被覆を剥くことにします。
このワンアクションで各部品に必要な長さ(ストリップゲージに示されている長さ)だけ正確に芯線被覆を剥きます。芯線剥き長 10mm, 12mm, 20mm の三種を繰り返し練習しておきましょう。また、合格ゲージの 10mm, 20mm の目盛りは見やすいですが、12mm は少し分かりにくいので慣れておきましょう。
またケーブルの芯線の太さと芯線の数で VVF ストリッパの被覆を剥く場所が違うので注意しましょう。前項の外装剥きと比べると難しくないですが、練習を繰り返すことで、剥く場所の取違いミスのような起こりがちなミスが起こっていないか確認する習慣をつけておきます。
今回は、技能試験対策の肝となる VVF1.6 の加工練習について説明しました。個人的な見解ですが、技能試験はケーブル剥きの出来不出来が合格か否かを分けると言っても良いぐらい大きなウェイトを占めると思っています。隙間時間があれば VVFケーブルと VVF ストリッパを握り、外装剥き、芯線被覆剥きの練習をするのをお勧めします。