電工2種技能試験対策 2023候補問題1の罠編
今回は、2023年の候補問題1から練習を始めるのは得策ではないという話とその理由を説明します。
候補問題には通常の VVF ケーブル以外のケーブルを使うものがいくつかあります。断面の丸い VVR ケーブルや、アース線が入っているもの、そして候補問題1 では、EM-EEF 2.0 ケーブル、通称エコケーブルが登場します。
このエコケーブルですが、実は扱いにくい厄介なケーブルです。なので、VVF ストリッパを初めて握る人にはハードルが高いのではないかと思っています。少し道具に慣れてから取り掛かったほうが良いと思うので、候補問題1から練習を始めるのは得策ではないと思っています。
エコケーブルの厄介なところ、それは
『電線メーカーによって同じエコケーブルでも加工のしやすさが違う』
という点。
ホーザンの練習キットには加工しにくいエコケーブルが付属している
加工しやすいエコケーブル前提で練習すると加工しにくいやつが試験で出てきたときに大ピンチ
追加のエコケーブルを Amazon で探していたときに気づいたのですが、Amazon では 2 種類のケーブルを切り売りしています。
富士電線のエコ電線と住電HSTケーブルのエコグリーンです。
ホーザンの練習キットに付属していたのも電線に「エコグリーン」と書いてあったので、後者のものでしょう。
この2つのエコケーブル、物自体は同じ EM-EEF/F なのですが電工試験で使われる VVF ストリッパによる加工難易度が違いすぎるのです。
富士電線のエコ電線
こちらの電線は加工しやすいです。VVF ストリッパで VVF ケーブルと同様に、外装を剥くことができます。いろいろな解説動画を見ましたが、エコケーブル加工の難易度に言及されていない動画は、こちらを使ってるのかなと思います。
ただ芯線被覆は硬いので、一本ずつ剥いた方が芯線に傷つけることなく加工できるかと思います。
住電HSTケーブルのエコグリーン
エコグリーンは富士電線のものと比べて非常に加工しにくいです。おそらく現場では VVF ストリッパではなく、ワイヤーストリッパ (ガッチャン) とか使うので苦でもないんだと思いますが、ここでは VVF ストリッパ使う前提ですすめましょう。
VVFストリッパで行けるところまで切り込みを入れてから、無理せずに電工ナイフかニッパで外装を少しずつ切っていって、最後はペンチとかで引っ張って千切る感じですかね。これは十分に時間を掛けて、とにかく欠陥を作らないこと、これが重要です。
芯線被覆剥きは富士電線の場合と同じように一本ずつやりましょう。
心配ならエコグリーンで練習を
2023年の候補問題では 13 問中の最初、候補問題1 にエコグリーンが潜んでいました。13分の1の確率なので、まあほとんどの人は対策しなくても、運よくエコグリーンから逃げられるでしょう。ただ、もしエコグリーンを触ったことのない、心配性の人、完璧主義者の人は、早めに入手して触っておきましょう。
次回は、VVR, EM-EEF などの特殊なケーブルの外装剥きについて、もう少し詳細に手順を載せます。