My Tinder History #10すっぽかされた
◆ドタキャンした人。留学前の話、まだTinderの使い方を心得ていなかった頃の話です。
会う前にチャットを重ね、電話も何回かしただけなのに、とても気になる存在の人がいました。彼は電話で、某ファッション雑誌メン○ンモデルの最終候補に残ったことを教えてくれました。
チャットでは、振り返ると恥ずかしくなるような思わせぶりな会話ばかりでまんまと浮かれてしまった自分が情けないです。
約束した日、彼は来ませんでした。
2年後、彼と再びTinderでマッチします。
Tinder上で私は自分の写真を使っていなかったので彼は気付きもしませんでしたが、LINEに切り替えて私が誰か分かると驚き、面白がっていました。
ドタキャンしたことを謝られ、今度は絶対に会うと誓われ、わたしの最寄駅まで実際に会いに来てくれました。
第一印象は今でも覚えています。ボロボロの服を着て、髪を束ねていて、煙草を吸っていて、鼻毛が出ていました。
山下公園や日本大通りを練り歩き、関内にあるホテルファニーズというラブホで遊びました。
彼は「お姫様、仰せのままに」と、私の服を靴下から一枚ずつ丁寧に脱がしました。
ドアーズのバンTを着ていたので『Light my fire』を流してもらい、ベッドの上で裸のまま二人で手を組んで踊った記憶もあります。
彼は皮肉にもloveというチャームのついたネックレスをつけていました。
その時、彼には彼女がいました。
わたしは彼をクズだと罵り、馬乗りになって首を絞めたい衝動に駆られた気がします。実際にそうしたと思います。
「誰も叱ってくれないから、そう言ってくれると嬉しい」と彼は言ってました。
帰り際、また会おうと言って私物のサングラスを渡してきました。
UNIQLOの中国製のサングラスだったので何の手形にもなりません。次の月、わたしは引っ越したタイミングでそれを捨てました。