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阿佐ヶ谷で長居できる場所

暇なので、阿佐ヶ谷で居心地の良い場所について考えた。


一番は、安定のドトールコーヒーだろう。ただ阿佐ヶ谷にドトールは二店舗ある。内、Googleのカスタマーレビューにおいて評価がより高いのはパール商店街内の阿佐谷南口店であるが、私は、ここの接客は、すこし苦手だ。機械みたいなあいさつだ。落ちつかない。

断然、南阿佐ヶ谷駅前店の方がいい。まず二階建てである。食事を持って二階にあがってしまえば、もう大丈夫だ。なぜなら二階には壁に向かう一人掛けの席があり、人の視線とか、人が目の前を通るときのストレスとか、そういったものから解放されるからだ。

ただ問題があり、そのいくつか並ぶ一人掛け席の、向かって右側の端のたった一席以外、スピーカーから流れるBGMの真下に当たるため、実は大変うるさい(と感じる)。しかし唯一、例の一席はというと、スピーカー本体の真下に当たるため、音の被害からは少しばかり解放されるのである。

うるさいというのは、つまり、遠くへ行けば気にならない小さなノイズが気になってしまうということだ。一度気になり出したら、自動的に、頭がノイズばっかり探してしまう。これでは落ちつかない。やはり右端の一席を死守しなければならない。

ところでこのまえ改装する以前は、南阿佐ヶ谷駅前店は、喫煙者にやさしかった。喫煙ブースがちゃんとあって、そこにはいくつかの一人掛け席の列と二、三テーブル席があった。今は喫煙ブースはカウンターだけが設置された立ち吸い(?)仕様となっていて、人ひとり通れるか通れないかの狭さで飲食は禁止。喫煙者がシコシコとたばこを吸いに行く様子を見ているとすこし切ない。



次は、ガストである。ここはすばらしい。少し前久しぶりに来店したところ、なんと、注文がタッチパネルに変わっていた。それに席への誘導もない。店員さんと接するのは、注文した料理が来た時と、お会計と、めったにないような有事が起きてしまったもしものときのみである。上手くやれば入店から一言も言葉を交わさずに店をあとにできる。

またコンセントが、店の入った手前側であれば見た限りどの席にもあった。充電が可能だ。

朝は299円でドリンクバーとトーストがつく。でも正直ドリンクバーもトーストもいまいちだから、チョコバナナサンデーを頼んでランチ前まで(ソフトクリーム溶液をわずかに残しつつ)ねばる。ただしこれは私のような学生だけが許される戦略である。

かと言ってモーニングという時間帯は考えもの。ドリンクバーカウンターにすぐ近い席はジジイ(言葉づかいすみません)が何度も飲み物をチャージしに往復する関係で、よくジジイが座る。この周辺は、おじさんたちの…コーヒーをすする音がよく聞こえ心がざわついておさまらない。



最後はデニーズである。ここは休日は少し混むが平日ならかなり優雅に過ごせる。

店員さんは心なしか固定メンバーのような気がしている。いつも同じ人たちがいる。舞台俳優ではないかと思うほど声がいい男性の店員さんがいた、私はその人を勝手に正社員と呼んでいた。ほんとはどうか分からない。でもどう考えてもあの人は、正社員なのである。

それから、背格好や全体的な風貌が、霜降り明星のせいやそっくりの店員さんがいて、その人のことはもちろん家族でせいやと呼んでいる。私はここに来るときほとんどいつも一緒に来店する人がいるが、その人にこっそりとせいやのことを紹介してから、その人はいつも「今日せいやいるかな」と私にきく。私は、うんいるよ、となぜか強い確信をもって答える。そしてやっぱりいる。いつもいる。

デニーズもドリンクバーがいまいち。また、コンセントがない。テーブルがせまい。それだから、なにか作業をするには平日であってもあまりはかどらず適さない。だが平日の夕方は子ども連れもいないしお客は少ないし、店員もばたばたと動き回らないためとても静かで、それでお店の中は、夕方の光が並木のあいだを通って拡散し、なんとなく、ぼんやり金色で眠たくなってくる。テーブルが狭いので結局はあまり落ちつかないんだけれど、ぼんやりしにふらーっと立ち寄ってしまう。なんか気づいたら、通ってしまっている現在である。



と、ここまでチェーン店ばかり挙げてしまった。チェーン店は、心置きなくでたらめな組み合わせを頼めるし(個人店だと、例えばこだわりのコーヒーに調和するようにこだわって作ったチーズケーキ、というようなものが用意されていたりするので、甘いソフトドリンクとデザートというような組み合わせで頼むことに躊躇してしまう)、長居しても気づかれないし、実は一番リラックスできるのかもしれない。

でもせっかく阿佐ヶ谷なのだから、最後に個人営業でありながらチェーン店並みにリラックスできるカフェをひとつ…


「珈の香」というカフェである。よすぎてあまり人に教えたくない。このカフェは店内が狭く、一人~二人客がほとんどで、たいてい静か。コンセントはない。フリーWi-Fiがある。食べ物や飲み物はだいたいおいしい。

そして最大のすばらしさは、店員さんが全員若い男性だということだ。一時期ものすごいペースで通っていたが、見る限り、どうやら店員は男子しばりのようだ。スタッフが男女混合の飲食店に慣れ切っているため、このお店を知ったことで、男子だけのカフェの居心地の良さを発見することが出来た。私は女性であるのに、女の人のやる声ややさしさ、気づかいがすこし苦手だ。どうしても信じられないのだ。緊張してしまう。一方男子の態度にはわりと関心がない分、あまり気にならない。そのうえ、このお店の男性たちは、良い意味で皆さん、ふつうである。とても良い意味である。空気になれるということである。カフェという空間を作るとき、いかに存在感を出さないか、悪目立ちしないか(?)はとても大事だ。このお店の、お客を放っておいてくれるやさしさは魅力だ。(すてきな空間を提供していただいていつもありがとうございます、心より…)



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いつも読んでいただいてありがとうございます(^^)♡
チャンモカでした

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