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38:墓について考えてみる

冷静に考えれば誰でも理解できると思いますが、墓参りはいつか必ず行けなくなります。自宅の裏庭にでもあるなら歩く元気があれば行けますが、それでも限界は確実に来ます。寺の墓所、公営墓地、地域墓地ならより早く行けなくなるし、子供の少ない現在は墓守がいないとか、近い将来に於いて墓守不在の現実が見えてる家族も多いはずですから、墓についてじっくり考えてみたいと思います。

『墓が無ければ建てるな』

現在墓の無い家族はラッキーだと思って良いだろう。
最大要因は墓を守る子供達が少ない、いない現実が多いことで女の子ばかりなら墓守不在確定が多く、男女1人づつでも男の子が県外に出たら墓守不在となる確率は各段に高くなります。また墓守させるとは子供に足枷あしかせめるようなものです。墓は建てないを基本とする時代です。

『墓閉じで出した遺骨を寺の永代供養墓は愚策』

この現実は多いでしょうが不条理に気づいてるでしょうか?
墓は公営、民間、寺、地域問わず数万円~数十万の『永代使用権』を購入した土地に自分で建てたもので、墓を買ったと思ってる人も多いですが墓とは『永代使用権』を購入するのが大多数の墓、もし墓を購入したなら墓の土地権利書があるはずで無ければ自分の土地ではありません。

使用権を購入した墓閉じする際の費用は全て家族負担であり、閉眼供養の読経で数万円の布施を払って墓閉じするのが普通です。

① 墓所は再販し、永代供養墓利用は規定の金額徴収される
墓を閉じて遺骨を持ち帰るなら何の恩恵が無くて当然ですが、出した遺骨を出した寺の永代供養墓に入れ替えるとは、更地にした墓所は再販する訳で、永代供養墓に入れる費用は別途規定の金額を徴収するのです。

②寺は一軒から2回、定価で墓地永代使用料を受け取る
墓閉じするとは、墓守がいなくなるなど寺に迷惑を掛けまいとする檀家の心遣いから発生する行為、されど寺は最初に立てた墓所の使用権は一切返却もせず破棄し、新たな永代供養墓の使用料は定価請求する。なんだかなぁ、、
何の連絡も無しに無縁墓にする家族も多い時代を考えると、正直で真っ当な人達には永代供養墓使用料は割引しても罰は当たらない気がするけどな。

③ 墓閉じしても永代供養墓利用は檀家のまま寄付も請求されます。
また寺の永代供養墓を使うとは檀家を続けることだから屋根修理、山門修理などあれば今まで通り寄付を請求されます(寄付の請求自体が変だけどな)

④ 永代供養墓最長何年で、その後の遺骨はどうなりますか?
これは全ての寺に共通する問題で寺が永遠に続かない限りいつか遺骨は放棄されたと同じ末路に成る。廃寺になれば然り、大きな瓶に遺骨を入れたり、コンクリートの中に遺骨を詰め込んだりする寺もあるけど、これらの全ては骨が固まった状態になるに過ぎない。

だから葬儀支援センターではパウダー状の粉骨にして散骨する事で、最後は自然に還すという流れを選択しているのです。これなら、例え葬儀支援センターの存在が無くなっても何も残さない、残らないのが確定する方法であることが最善と考えるからです。寺も潰れる時代ですから過去の慣習を引きずる理念に捕らわれず未来を見据えた対策を取るべきと思う。

『墓から出した遺骨は2つの流れで処理される』

1. 墓から墓に移転させる事を『改葬かいそう』と呼ぶ
 ・墓所在地役所発行の「改葬許可証」が必要
 ・現在埋葬している「墓地管理者に署名・捺印」が必要
 ・上記2つの書類を新たな管理者に渡す必要があります

2. 出した遺骨は「手元供養」又は「散骨」なら改葬ではありません
 ・手元供養と散骨は改葬に当たらず行政の改葬許可は要りません
 ・現在埋葬している「墓地管理者の承認」あれば問題ありません
 ・寺で火葬証明書を管理してる所は殆ど無く返却されません
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注釈 散骨は許可されてる訳ではありません。散骨を罰する法律が無い為に行政は口を出せないのです。但し散骨する条件として粉末状にしたり、散骨によって迷惑を掛けるなど常識的なモラルを守るのは当然、例えば海洋散骨の規定はありませんが常識ある業者なら数海里沖に出るとか、漁業関係者の迷惑に成らず風評問題を避けるなど善処するでしょう。また山林散骨なら自社名義の山林使用、更に散骨場のある地域住民への配慮もするでしょう。
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『墓の実態と骨壺の状態』

皆さんは墓の内部をしっかり見た事があるでしょうか? 数百の墓を見れば見るほど『こんな所に入りたくない』と思うのが今の墓です。

地上に出てる墓石や墓所は綺麗になってますが、墓石の下はカロートと呼ばれる空間があり、東西南北の四面はコンクリート、下面底はコンクリートで塞がず「土」のままで数十cm~1mほどの深さがあり、中間部に棚が設置された墓も多く、上面は墓石が置かれ塞がれています。

棚の上か土の上に骨壺を置きますが、地域によりカロート内部が見えず、墓石下部に穴を開け、焼骨を撒いたり麻布で包んで入れる墓もあります。当然中は真っ暗、多湿でジメジメとしており虫も這ってます。

骨壺の中の焼骨はびっしょり濡れて、中には骨壺の口切一杯水が溜まってるケースも良くあることです。ただ雨水が入ってる訳ではありません。常識の範囲で考えると焼骨は完全乾燥され骨の内部はスポンジのような隙間がありますから押し入れの除湿剤のような働きをする為、湿気を吸って濡れるのと骨壺は陶器ですから温かくなれば壺壁面に水滴が付き、骨壺内に流れ落ちることで水一杯になるのでしょう。

墓に自分が入るとしたらと考えると、外側より内面を居心地の良い場所にしないのは何故と思う。稀に墓の後ろから扉を開けて墓下に入ると棚があり、骨箱のまま置いても腐らない風通しの良い墓もありますが、骨箱のままカロートに入れたら箱は湿気で腐るのが今の墓です。

そう考えると数十年前に流行った地域のロッカー墓地のほうがまし、いずれにしても墓は閉じる前提で考えて無難、間違っても自分の代だけを考えての建立をしてはいけません。子供や孫の代で墓閉じが必要なら相応の費用が掛かるのは間違いないからです。

後々墓閉じが必要な家はリタイヤ後でなく『現役中の墓閉じ』を肝に命じておくと良いでしょう。現役中なら収入がありますから墓閉じと遺骨処理費用も何とかなるでしょうが、毎年のように下がり続ける年金と老いれば医療費が増えますから墓閉じまで回らない現実がやってくるからです。

『お勧めは散骨+手元供養』

墓から出した遺骨は完全乾燥してから専用機械で粉骨してから『一部は自宅で手元供養』他は散骨するのがお勧め、全て散骨せず適量をビニール袋等に貰い故人の親の墓、自宅の庭、ゆかりの場所など少量撒いても良いです。

自宅の手元供養はファンシーショップ等で可愛い小物入を買い、ジップロックの付いた小さなビニール袋に粉骨を入れ、火葬証明書と一緒にして、仏壇でも居間でも好きな場所に置き、気が向いたら居間でお茶を入れて一緒に飲んだり、食事したり、旅行にも持って行けるし、彼岸、盆、正月などいつでも手を合わせられます。

最後は自分と一緒に散骨して貰えば何も残さず、後世に迷惑を掛けることもありません。ただ理由は分りませんが、骨壺のまま自宅保管した人達は大半が数年後には精神的に煩わしくなったり、負担に感じる現実を見てきましたから、大小問わず骨壺では無い容器に入れたほうが無難です。

『永代供養散骨は増えるだろう』

当社には「永代供養散骨」なるプランがあります。
東日本は全骨拾骨で7寸骨壺を使用しますから粉骨して大半は散骨し、一部粉骨適量を手元供養するか、少量を(10cm角の専用容器にビニール袋入りの粉骨を入れる)当方専用永代供養墓に最長三十三回忌の永代供養まで納骨可能(年会費1家族毎2,000円骨数関係なし)三十三回忌を超えた粉骨は当方散骨場にて散骨(無料)というプランで、墓参りに行けなくなったり、転勤等で移転する際は取り出してくる事も可能(要5,000円)何処にでも持って行けるよう火葬証明書も入れてあります。2022年2月現在、このプランは当方にしかありませんが、業者、寺が内容を知れば同じシステムの永代供養墓が増加するでしょう。

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参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」
家族の死後に後悔しない為の一冊


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