★乃怒亞女(のどあめ)の映像表現について:まいにち100字【7日目】

乃怒亞女(のどあめ)氏について語りたいと言いつつ、数年が経ってしまっている。以前までは、彼女の作品ひとつひとつについて細かく書きたいと思っていたが、そのせいでハードルが上がったり、VTuberについて書いてるうちに優先順位が低くなっていた。

今日はメモ的ではあるが、乃怒亞女作品の特徴について列挙しておきたい。

・自ら作った詩や小説の一節を二次創作に混入させること。それが原作を壊すことに繋がっていない、絶妙なバランス感覚。

・印象的なモチーフ。画像の歪み、回転、画像の重なり、点滅、分身、反転。特に、人物を円を描きながら表示させる技法は、一目みて乃怒亞女とわかるほど印象深い。

・音合わせと音ずらし。前者が際立って見えるが、何度も見ていると後者のずらし方のほうに特徴があるのがわかる。

・映像素材の多様性。後半になるほど、複数作品からの引用、3Dアニメーションや、実写映像の使用などが増えていく。現在ではかなり普通の方法であるが、実写映像まで組み合わせる例はあまりないだろう(クッキー☆MADでの一転攻勢など)。

・複数人での動画製作。これも後半で顕著になっていく特徴だが、乃怒亞女は「(総)監督」という肩書きで、複数のスタッフをまとめつつ動画製作を行っていた。動画や素材製作のコストが下がった現在では、あまり使われない方法だろう。

乃怒亞女の映像表現は、美学的にも、動画製作プロセス的にも、先駆的な方法を用いている。また、世紀末の雰囲気を色濃く反映しているという意味で、文化史的な意義もある。彼女の作品は、そうした広いコンテクストにおいて読まれていくべきだろう。

また、現在ネットに公開されているものは数が少ないため、9作品すべてを見れるようにしたい。というか、筆者が個人的に見たい。ので、所持している方は是非連絡をください。

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