【ジョーブログ×プロ奢ラレヤー対談】自分の生き方にファンをつけるブランディング力
ジョーブブログとプロ奢ラレヤーの共著『怒られる技術』の発売を記念して、2人の対談イベントが実現した。プロ奢ラレヤーは対談イベントに遅刻し、着いて早々「で、今日何するんだっけ?」と発言。さすが「怒られる技術」の著者である。
ジョーブログはプロ奢ラレヤーのフォロワーが少ない時から注目していた。「この子おもろいな〜」と思い、ジョーブログがプロ奢に奢りに行ったことで2人は出会う。プロ奢はジョーブログが阪急電車で叫ぶ動画をTwitterで見て知っていた。だからと言って、動画を追いかけるようなファンだったわけではない。
【ジョーブログ】
137万人の登録者数を抱える大人気ユーチューバー。アメリカ横断や南米縦断、アフリカ縦断、社会の裏側潜入、西成でホームレスなど常にいろんなことを挑戦する姿を発信し続けている。2018年12月はクラウドファンディングで2000万円を達成し、インフルエンサーに会えるバーやインフルエンサーを育てるオンザロードにも力を注いでいる。
【プロ奢ラレヤー】
Twitterフォロワー39,000人超え(2018年12月時点)人から怒られることで生きる住所不定無職の21歳。食事を奢ってもらい、フォロワーの家に泊まり歩くことで生活している。AbemaTVに出演したことで、ますます注目を集めている。プロ奢ラレヤーに奢りたいという人は後を絶たない。
常識にとらわれない2人の対談では、周りからの批判意見でさえも利用して自分のブランディングに活用する生き方について聞くことができた。今やりたいことがあるのに、周りからの批判を恐れて行動に移せていない人にぜひ読んでもらいたい。
【2人の家庭環境】ジョーブログはシングルファザーの貧乏家庭で、プロ奢ラレヤーは大家族で育つ
―――2人はどのような環境で育ったのですか?
ジョーブログ「プロ奢はだいぶ良い家庭やろ?」
プロ奢ラレヤー「俺は西成生まれとかじゃないですよ!」
ジョーブログ「俺はほんまスラム街みたいな借金家庭で、家庭環境は複雑で、小さい頃に両親は離婚してシングルファザー家庭で育った。お金はないし、親は遊び人やから家に帰って来なかった。
何もない環境で育ったからこそ、何かを作り出す想像をするようになった。はじめは周りよりもお金がない家庭環境であることを気にしていた。でも、人の目を気にして生きていたから、人の気持ちがよくわかるようになった。今の反骨精神が育ったのも、そんな家庭で育ったから。
そんな環境でも、情報にはたくさん触れていたかな。父親がSFや冒険系の映画好きだったことにも影響を受けて、映画の主人公のように生きていきたいと思っていた。」
プロ奢ラレヤー「僕はトラックの運転手とヤクルトレディの両親がいて、おじいちゃんおばあちゃんもいて、10人ぐらいの家族と一緒に暮らしてた。
僕が一番年下で、僕以外はみんな大人だったんだけど、全員が言ってることが違うわけですよ。
家族が両親だけならお父さんとお母さんの言うことを聞かなければいけないけど、僕の場合家族に大人が多すぎて、多数決を取ってもよくわからないし、皆言っていることがバラバラだった。
僕の家庭環境は池袋駅のように山手線も東武東上線も走っていて、自分でどのレールに乗るかを選ばないといけない状態。たくさんの大人の意見の中から取捨選択して自分のオリジナルな生き方を作ってる。
いろんな大人に触れることが大事だと思う。」
さまざまな家庭環境があるけど、その家庭環境について親が良い悪いを決めるものではない。子供が良いか悪いかを決めるのだ。親が子供の選択肢を狭めてはいけない。
それに今はインターネットがあるから親の意見ばかりを参考にしなくても、いろんな人の生き方に触れ、世界観を見ることができる。
実はプロ奢ラレヤーはあまり怒られない。ジョーブログはよく怒られる。
プロ奢ラレヤー「俺、普段は怒られないからね。」
ジョーブログ「えっ。俺は結構怒られる。」
プロ奢ラレヤー「そうだよね。俺の場合は俺に怒っているのではなくて、たまたま見た人が俺みたいなヤツのことを怒ってる。だから『最近の若い奴は〜』のような怒られ方をするんだけどね。」
ジョーブログ「プロ奢って生き方と発言が一貫してるよね。だからファンもプロ奢やからしゃーないって思ってる。
俺の場合、例えばボクシングでストイックに取り組む期間があったと思ったら、次は真逆のことをする。旅に挑戦したり、いきなり起業始めたりとか…だから怒られるんだと思う。
でも俺はやっぱり変化をしたい生き物で、3ヶ月間はこれを必死にやるという点と点でつなげていくのが好き。」
親や地元の友達が「そんなのうまくいくわけない!」ということは、割とうまくいく
プロ奢ラレヤー「何かを活動する上で親や地元の友達に反対されたときは、割とうまくいくという指標を持っていれば良い!リトマス紙のように赤から青に変化したらいける!みたいな。」
ジョーブログ「確かに!親の言うことが自分の意見を違ったときは絶対やったほうがいい!なんでかって言うと、親の意見は多数決の中で大多数の人が持っている意見だから。地元の友達も同じ。
だから反対意見のことをするだけで少数派になれる。
『親に言われたことと反対のことをやりました』というのを3ヶ月間1つ1つツイートしてブランディングしていくのもおもろい!」
プロ奢ラレヤー「学生なら典型的なタイプの先生にアドバイスをめちゃくちゃ聞いて、その逆のことをやるとうまくいく!」
今回のクラウドファンディングでは炎上をうまく利用している
ジョーブログ「YouTubeの視聴者層には全然クラウドファンディングが浸透してなくて、低評価や批判意見が寄せられた。だから、ここに火をつけたらYouTubeの中でムーブメントが起きると思って、タネを蒔いていった。
目標金額2000万円はクラウドファンディング業界でもトップ層に入る金額で、もうちょっと広告力がいると思って、自分でも火を大きくしていった。
そうしてるうちに俺の知らないところで動画がどんどん上がっていって、結局俺に注目が集まったっていう構図。」
プロ奢ラレヤー「某シバターさんとかね」
ジョーブログ「でもシバターさんはわかってるねん。広告として俺を使いたかったんだと思う。シバターさんはホットな炎上に飛びつくことを企画にしてるから。シバターさんが動画を上げてくれたその日だけで100万円くらい集まったかな。」
・ジョーブログ:怒られたらそれを広告的にどう活かしていくかが大切!
・プロ奢:怒られたときは相手がなぜ怒っているのかを紐解いていく。そうすると「別に大したことない」と思い気持ちが楽になる
ジョーブログ「わーっと炎上させて、時期を見計らって炎上を鎮火させることもある」
プロ奢ラレヤー「俺は意図的に怒られることがないから、怒られている理由に仮説を立てて、『じゃぁ別にほっとけばいいやー』と捉える。
『なんで汗水垂らして働かないといけないの?』と質問をしてもほとんどの人が答えられない。感情的になっているだけで、倫理的に何かがあるわけじゃない。」
ジョーブログ「あと今回怒られたことによって、すごい応援意見もきた!だから、すごい得してるなーと思った!」
ジョーブログの電車で叫ぶ動画も自ら怒られにいってバズったもの
ジョーブログ「電車で思いを叫ぶみたいな動画は結構バズったんだけど、あれは完全に怒られにいったわけ。人が嫌がることは千差万別なのに、日本には絶対に迷惑をかけてはいけないという文化がある。
日本には暗黙のルールがあって、その中でもよくあるのがマナー。法律でもないのに、マナーが多すぎる、特に電車が一番ヤバイ!!
そこで俺は考えて、『迷惑っていうのは日本ではこう思われているけど、海外ではこう思われている。その迷惑は本当に正しいのだろうか?それよりも自分自身がその迷惑に対してどう思っているかを尊重した方がいいのでは?』と主張するのに持ってこいの場所を選んだ。」
プロ奢ラレヤー「僕がなんであの動画に興味を持ったかというと、無意識のうちに電車のルールが身に沁みているのがわかるから、その逆をいっているのが体感的に面白いと思った。
今話したことに似てると思うんだけど、海外に行った時も日本に帰ってきて電車に乗ると、急に喋っちゃいけない空気になるじゃん?海外ではワイワイしてたのに。」
ジョーブログ「わかるわー!いきなり感覚が変わっていく感じやな。」
プロ奢ラレヤー「あれはやっぱり調教というか…。」
自分の中に染み付いている暗黙のルールは生きにくい世の中を作っているのかもしれない。
アンチを作るには誰もやっていない新しい企画を生み出すこと
―――物々交換をしていてアンチが欲しいんですけど、どうしたらいいですか?
プロ奢ラレヤー「アンチを作りのは難しくて、銀行員になりたいという人に『それでは食っていけないよ!』という人はどれだけいると思いますか?
いませんよね。
それと同じで今やっていることに『へぇー』と思う人がいないんですよ。そもそも物々交換なんてよくある話じゃないですか。
それで怒られるのは難しいよね。怒られるには何かアレンジするしかない。」
ジョーブログ「どういうこと?物々交換で怒られたいん?」
―――アンチをもっと自分につけたくて・・・
ジョーブログ「なろほど!独断と偏見で物々交換を操作するのはどう?
『これとこれを交換してください』って自分から営業しにいくとか、暗黙のルールと逆の方にいく。もうむしろ物々交換だけで生活するとか!
プロ奢ラレヤーと一緒で、自分自身の生き方に面白さがあれば、結局商品はなんでもいい。
それがお金じゃなくても、君自体の物々交換が面白かったら、なんでもあげたい人だけが集まってきて、物々交換だけで生きられる状況を作れる。
物々交換だけでは面白くない。新しい生き方、新しい服装そか何でもいいけど、その新しさを作り出すことが大事!」
生き方にファンが集まれば、たとえ犯罪を犯しても信用があるからお金が集まる
―――人を怒らせてはいけないと感じたエピソードはありますか?
ジョーブログ「俺は不特定多数の人たちの価値観の暗黙のルールが合わなくて、その結果怒られるという感じ。
だから例えば、松本人志さんに怒られたいから松本人志さんに暴言吐くというわけではない。」
プロ奢ラレヤー「あえて不快なことを相手にするのとは違って、僕らは単純にやりたいことをやって、その結果怒られている。
その中にすぐに怒ってくる人がいても、それはしょうがない。もし誰かが起こって来た場合、なんで相手が怒っているのかを一応見て、俺が悪かったら謝ればいいと思ってる。」
ジョーブログ「俺もプロ奢も自分の表現したことを怒られている。ただふざけてツイッター上で炎上してるわけではない。
例えば素手でおでんをツンツンしまくって、炎上しちゃったおでんツンツン男っておったやん。
あいつは自分を表現して何かを伝えようなんて何も思ってないと思う。ただ炎上しちゃって終わりみたいな。
だから俺と炎上のジャンルは違う。俺は自分のやりたいことをして、こういう生き方が面白いとかを表現してる。
今思いついてんけど、おでんツンツン男が帰ってくるとすると…」
プロ奢ラレヤー「リターンズ?」
ジョーブログ「もう一回帰ってきて1回目はファミリーマート、2回目はセブンイレブンておでんツンツンを繰り返したら、また炎上するやん。
これを繰り返したら、すごいファンを作るんだろうな。」
プロ奢ラレヤー「あういう人って怒られる体質なんですよ。俺はおでんツンツン男のような人が好きだし、会ってみたい。」
ジョーブログ「それすごい面白くて、今は信用を数値化する時代で犯罪かどうかっていうのは別の話だと思ってる。
たとえ犯罪を犯したとしても、その人の生き方にファンが集まって数値化すれば、結局お金が集まるねん。
今はネットを通してファンがつけば、ダイレクト課金を通して生きれる人もいるから…」
プロ奢ラレヤー「僕は法律を正しく破るものだと思ってて」
ジョーブログ「めっちゃ良い表現したやん!正しく破るって最高やな!」
ジョーブログとプロ奢ラレヤーのブランディングは本質が似ている
ジョーブログ「俺とプロ奢のブランディングは本質がすごく似ていると思ってて、ほとんどの人が自分を作ってブランディングをしている中、俺らは『この人のこういうところが好き』と言われる部分を突出してブランディングしてる。
だから動画とリアルのキャラクターはほとんど変わらない。」
プロ奢ラレヤー「自分を出しまくっると俺はこんな感じのことをする、こういうのが好きとかがわかってくる。
もともと人間なんてほとんどのことを知らないのに、そんな少ない経験で自分がどういうことがやりたいのかわかるわけねーだろって話ですよね。」
ジョーブログ「演じてると疲れるしな」
プロ奢ラレヤー「トータルで損ですよね。短い目で見たらフォロワーや収入が増えることがあるかもしれないけど、長い目で見ると疲れるし、飽きて続かなくなる。
俺はいつもこんな感じだから街で声掛けられても普通に『おす』『あ、どうも』で終わりなんですよ。だから何も苦じゃないけど、芸人さんとか超しんどいと思う。」
ジョーブログ「だいぶしんどいと思う。だから電車にも乗れなくて、選択肢を狭めてると思うねん。」
プロ奢ラレヤー「毎回『はぁ仕事終わった、あのキャラ終わり!』と思ったら、人が寄ってきて全然休まらないみたいな感じでしょ?」
ジョーブログ「できるだけ心とブランデキングは一致しておいた方がいいよね。本来の自分とは全然違う自分をブランディングしてキャラクターを作ると、後から収集つかなくなるから大変やな。」
批判するのはお金を払わない人ばかり
プロ奢ラレヤー「アマゾンのレビューから本当に購入してるかどうかがわかるんですよ。
購入してくれてる人ってだいたい高評価で、星1をつける人はまず本を買ってないんですよ。」
ジョーブログ「そうやで!クラファンでも文句を言う人は、支援してない人ばかり!
お金を払う人は学びたい意欲があるから文句を言わないけど、文句を言う人は学びたい意欲とか全くないんやろうね。」
プロ奢ラレヤー「コスト払わないしね。面白いから著書に書こうと思ってる。」
自分が好きなことを貫くことが結局ブランディングに繋がる
ジョーブログ「俺は自分がやりたいことを自己中に発信していたら、結果的に誰かの共感を得ている」
プロ奢ラレヤー「たぶんそっちの方が生きやすいんだろうね」
2人とも自分が思うままに生きることが自身のブランディングに繋がり、多くの人の共感を得ている。
本当はやりたいけど人の目が気になって実現できないと葛藤する人が多い世の中だからこそ、2人が魅力的に映る人が多いのだろう。