見出し画像

歪な恋愛小説。

早朝に電話が鳴った

'伝えたかった事があるの
あなたが私の初体験だったの、
初めてがあなたでよかったってずっと伝えたかったの。'


'今ね家に帰ったら鍵が開かなくて、
なんとなく電話したの、
あートイレ行きたい。
今から家行っていい?'

"実家国立じゃなかった?
そっち帰りなよ"

'よく覚えてるね、そう言うところ好きだったよ、'

"そりゃそうだよ
俺だって初めての相手だから"

'え、嬉しい
なんで、2人して黙ってたの'

酔ってることはわかる。
蝉が鳴く日曜の朝6時こちらは10年前のその部屋
飲みの朝帰りなのかと聞いたら今はキャバで働いている
高校卒業してから勤めてた医療事務の仕事を
精神疾患を患って退職したいと話は聞いてた

彼氏と同棲しながらもキャバクラ勤務してると
27でキャバクラでいいのか、
彼氏もそれでいいんだ
と思った

そんな
見た目にも恵まれて、
順風満帆な未来が待ってそうな明るい子なのに
けど、どこか満たされてなさそうで
なにか探し物してるような彼女が好きだった。



"もうちょっとしたら家開くんじゃない?"

'あ、まだこんな時間
起こしちゃったよね電話出てくれてありがと
また会おうね、'

"うん、また今度ね"

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?