分散
飛行機雲が曲がってるのを初めて見た。
それは夕焼けのそら、
5月17日18時37分
都会の空はいつも歪んでいる、
距離がとても近い。
自分の田舎の空はコントラストがもっとハッキリしていて遠くにあった。
夕焼けも、もっとオレンジでギラギラしていてすぐに山に隠れて沈んでなくなる。
あそこには色彩があった、
夢にも希望にも友人も溢れていて、
情熱もアイデンティティもあった。
閉塞的な場所だったが分明に恵まれたおかげで、
奇跡的に自分たちが主役の世界を確立した。
コントラストがハッキリした真夏の映画のような景色を自転車で駆け回って
ロケット花火を飛ばしたり、ドブ川に自転車で突っ込んだり
蒸し暑かったな。
今はもう友人もアイデンティティも情熱もなにもない。
だから嫌いだ。
何か通ったあとすぐできた雲は分散して消えて無くなる、
そういう事だよ。
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