「期間工」とは?知っておいて損はない!契約期間の定めがある雇用形態

現在求職中の方、これから転職をしようとしている方は、これからどのような働き方をしていきたいのかを考えていらっしゃるでしょう。

 1985年(昭和60)に「労働者派遣法」が施工されました。以来、職業の安定の為最初は否定的に考えられた労働者派遣でしたが、世の中の経済状況の変化などによりニーズが高まり、働き方も多様化しました。
時代は流れ、法の改訂を重ねていった結果、現在では、労働者である私たちは様々な働き方を選択出来るようになりました。故にこれから、自分の生活スタイルに合った働き方をされたいと考えている方も少なくないのではないでしょうか。

 今回は、多様な働き方の中から「期間工」という働き方にスポットを当てて、詳しくお伝えしていきたいと思います。

目次

1. 期間工とは
2. 期間工と派遣の違い
 ・雇用主の違い
 ・各種手当・待遇の違い
 ・メリット・デメリットについて
3. 期間満了後について
 ・更新
 ・正社員登用
4. 期間工の面接を受ける際のポイント
 ・アピールポイント
 ・志望動機
5. まとめ


1.期間工とは

働く期間を定めて雇用契約を結んだ契約社員のことです。
自動車メーカーや家電メーカー、部品メーカーなど大手企業の作業員としての募集がメインです。
雇用期間が満了したら、雇用関係は終了となります。
数ヶ月単位の短期から年単位の長期の契約まで状況により様々です。

2.期間工と派遣の違い

●雇用主の違い
メーカーに直接雇用される期間工と、派遣会社から間接的に雇用される派遣社員という雇用関係の違いがあります。

期間工
○○社←――――→労働者
   (雇用関係)

派遣社員
○○社―――→派遣会社←――→労働者
 (労働者を募集) (雇用関係)

関係性により、雇用条件にも大きな違いがあります。


 ●各種手当・待遇の違い
期間工で受けられる各種手当や待遇については以下の通りになります。

基本給に加え、
  ・入社祝金が支給される(約5~30万円)
  ・数か月ごとに皆勤手当支給
  ・満了金がある
  ・赴任、帰任旅費が支給される
  ・寮費、水道・光熱費が無料である
  (家具・家電・インターネット環境なども有)
  ・食事補助、手当が支給される
  ・社員登用制度があり、正社員に昇格のチャンスもある

勤務期間は定まっていますが、契約更新を行い(3ヶ月~半年ごと)最長で2年11ヶ月(35ヶ月)ほど勤務できます。

いかがでしょうか。期間工での手厚い待遇がお分かりいただけると思います。

一方派遣社員は、基本給プラス残業代のみとなります。
派遣社員は時給が高く、1年目の基本給を比較すると派遣会社が有利に感じますが、
長い期間働くのであれば、待遇の良さから、総合的に見ると収入は派遣社員より安定していることになります。

 ●メリット、デメリットについて
  期間工のメリット
 
 -収入面-
基本的に収入は高く、一般的に30万円~40万円くらいの幅で収入が見込めます。
待遇についてご覧いただき、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、「住居費がかなり抑えられる」というメリットもあります。
会社から寮や社宅が用意されている事が多く、水道光熱費も会社が負担してくれることなどを考えると、自費で生活費を賄うことになる派遣社員と比較しても大きな節約ができます。

 -雇用について-
期間工を選びたいという人は現在それほど多いわけではありません。ですので常に求人が出ており、競争倍率は低いということになります。
未経験でも、やる気、学びたいという意思があれば採用されやすく、また、期間更新や社員登用制度もありますので、長期にわたり働きたい、貯蓄したいという方にはとても良い働き方です。
一流企業で働けるので、充実した福利厚生や、社会的信用度も高いのもメリットです。

 期間工のデメリット
 
 -疲労が大きい-
一般的に工場の作業が多い期間工。その為体力の消耗、肉体疲労が大きく負担になるケースが多いです。体力に自信のある方には良いですが、万が一体調を崩し、勤務が出来ずノルマ達成ができないと解雇になる恐れがあります。

 -危険を伴うリスク-
作業には、部門によっては重量の大きい物を運んだり、重機を操作したりと、様々な事故のリスクがあります。自分が起こす事故ではなくとも、不運にも巻き込まれてしまう恐れもあります。気を緩めると大きな事故につながる為、常に危険と向かい合わせていると自覚しなければなりません。

 -仕事の安定性-
期間が決められている期間工ですので、不安感が生まれる事があるでしょう。
契約終了後の事を考える必要がありますので、それを踏まえて勤務に当たるのが良いかもしれません。


3. 期間満了後について

期間工は、契約期間が満了したら雇用関係はなくなります。
その後の選択肢は一般的にどのようになっているのでしょうか。

 ●更新
前述の通り、2年11ヶ月までは、希望することにより更新ができます。
勤務状況に特に何の問題もなければ、更新し継続して働く事ができます。

 ●正社員登用
契約中に、現場側から納得されるような働き方をした場合、正社員として受け入れてもらえる場合があります。慣れた仕事に無期限で勤務したいという方には、交渉してみるのもよいでしょう。
日頃の姿勢が企業側に認めてもらえ、正社員として採用されると、慣れた仕事で正社員としての待遇も受けられます。引き続き勤務ができる事を望んでいる人にとって、良い制度です。

4. 期間工の面接を受ける際のポイント

●アピールポイント
期間工は工場での作業となるため、以下3つのポイントをアピールすることにより合格しやすくなると言われています。
1)健康面に問題がないこと
2)誠心誠意働く意欲があること
3)契約期間中、最後まで働き抜く意思があること


特に、1)の健康面について、既往症のある方については、厳しく審査されます。
・高血圧・糖尿病腰痛などの生活習慣病
・腱鞘炎・バネ指
・精神疾患など

面接後、健康診断があるので不合格となる可能性があります。
日頃から健康管理に気をつけるに越したことはないですね。

2)・3)の働く姿勢については、期間工に限らず、どのような勤務先でも同じ事が言えるでしょう。
勤務態度や最後までやり遂げる意思が見える人については、どこに所属しても貴重な存在となるでしょう。

●志望動機
面接官は、「この会社で」「なぜ期間工を選んだのか」を聞きたいと思っています。
確かに、「稼ぐこと」や「大企業だから」というご自身の考えもあると思いますが、
企業側は、自分の会社で、どれだけ期待に応えてもらえるか、というところも期待しています。
1)自分がなぜ期間工として働きたいのか
2)志望動機は、テンプレートではなく自分の言葉で

企業の面接官側はどういった人物像に来てほしいかを考えながら、明確な理由が伝えられるようにすることも大事です。

インターネットでは、志望動機の例文を調べることも容易に出来ますが、そのまま使わずに、自分の言葉で表現するようにしましょう。
無難な例文は、すぐに見抜かれてしまいます。

自分の持っている長所をアピールし、信頼度を上げるチャンスでもあります。
だからこそ、勤務に就いた後の事をイメージし、事前に自分に働き方が合うか、よく向き合いながら面接に臨む事も良いのではと思います。。

5.まとめ

以上、今回は期間工の特徴を簡単にまとめてみましたが、働き方に魅力的な部分が多くありましたね。
しかし、現在は様々な勤務形態があり、一人ひとりの状況によって合った働き方がありますので、その中から本当に自分に合う働き方を見つけるのが一番良いと思います。
ただし、一人で探したり、考えたりしても、決めるのがなかなか難しい時は、転職エージェントに登録して相談に乗ってもらうのもよいでしょう。きっとあなたに合った働き方がみつかります。

こちらの記事でも期間工についてわかりやすい説明がされていましたので紹介しておきます。


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