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価値がないものについて
長めの旅に出るときよく折りたたみ傘を持っていく。
でも、荷物はなるべく少なくしたいので、傘を使った後にまた持って帰ってくるのは面倒くさいなあといつも思ってしまう。
だからいつも使い古した、骨の折れかかっている折りたたみ傘が私にとって、とても価値があるものだった。
なぜならそのボロボロの傘は雨がやんだと同時に、使い終わったら近くのゴミ箱に捨てられるから。
なるべく持ち物を少なくしたかったから、その傘は私にとってすごく便利だっただからいつまでも捨てられなかった。
ある日、友達と遊んでる時に雨が降ってきた。
お互い折りたたみ傘を持っていたけど、友達の傘は(当たり前だけど)ちゃんとした折りたたみ傘で、かたや私の傘はボロくて骨も折れかけていて、それを隣に並んで歩いてさしているのがとても惨めだと思った。
その時、 私が価値があると思っていたものは、本当は価値がないものだと気付いた。
傘は「いつでも捨てられる」のが価値の評価基準じゃなくて、雨が降った時にちゃんと身体が濡れないようにさせるのが傘の役目だと改めて感じた。
だから新しい折りたたみ傘を買って、骨が折れかかっているボロボロの折りたたみ傘はすぐ捨てた。
たぶんそのタイミングで捨てないとずっと捨てられなかったと思う。
他にも海外に旅行に行く時は、いつでも捨てていいような古くてダサいT シャツを持って行ってた。
どうせ汚れるし、海外で着古して捨てて帰ってこようという気持ちだった。
でも、実際、旅行中におしゃれしたい。
一緒に旅をしている女の子たちがおしゃれに手を抜いていないところを見るととても惨めな気持ちになった。
なんで私は海外でこんなダサいTシャツ着てるんだろう・・・。
悲しくなった。
同時に恥ずかしくなった。
その時から、旅中もちゃんとおしゃれに気を使おうと思った 。
すぐに捨てられるもの、汚れても良いもの、私にとって価値のあるものだったけど、そのもの本来の価値をないがしろにしていた。
もう30近くになるので、持っていても恥ずかしくないような物持ちの良いものを持ちたいと思う。
#価値あるもの
#価値ないもの
#ここにあるもの
#ここにないもの
#それで全てです