見出し画像

イタリア留学記Ⅱ~ 旅行2日目 パルマ編 ~

ローマを堪能しつくし次に目指すのは、今旅行一番の目的の地、パルマ
ミラノのやや南に位置する小さな町。

テルミニ駅で軽く朝食をすませパルマ行きの電車へ。
慣れないイタリアの電車に少々戸惑いつつなんとか乗車。

まずは大荷物を車両の入り口に預け指定の席へ。
席に着くとすぐに発車。目的地への約3時間の旅がスタート。

まもなく長閑な田園風景が目の前に。
後方に流れていく美しい景色を眺めながら、次回の作品の原作、『パルムの僧院』(スタンダール作)を開き、まだ見ぬ地への想いを馳せていました。

あまりにも穏やかな時間。電車の揺れが心地よくてしばらくすると睡魔が。
イタリアでは電車で寝てはいけないと聞いていたので飲み物を飲んだり、話をしたりと頑張ったのですが気がつくとお互い長い瞬きを。。。

幸い同じ車両に乗っている人が少なかったのもあり、なんの被害にも合わなかったのですが、目を開けた瞬間、ヒヤッとして眠気が吹き飛んだことは今でも覚えています。

そんなこんなで無事にパルマへ到着。

画像1

駅にはほとんど人がおらず、観光地化していない雰囲気が漂っていてわくわく。まず宿泊先に向かい荷物を降ろし、いよいよ目的のパルマ大聖堂へ。

ホテルでもらった地図を片手に、淡い色合いの家々が立ち並ぶ道を抜けて歩くこと約15分。突然現れた広場にそれはありました。

町の中心にある《パルマ大聖堂

画像2

12世紀末ごろに建てられたもので、外から見るととてもシンプルなのですが、一歩中に入ると神々しいほどに美しい空間が。

画像3

澄んだ空気に高い天井。柔らかい表情のマリア像にステンドグラス、いくつもの祭壇。細部まで繊細に描かれたフレスコ画の数々。

中でも有名なのが“聖母被昇天”の天井画で、中央の祭壇のところにあり神々しい光を放っていました。

画像4

大聖堂の中をぐるっと一周してその美しさに見惚れていると、入り口中央の扉が開きました。扉の向こうにいたのは綺麗な花嫁さん。
なんと結婚式が始まったのです。
観光で訪れていただけなのに、奇跡のような幸せな瞬間に立ち会えるなんて。

花嫁さんの幸せ溢れる笑顔の背景には神聖な美しい祭壇。

一枚の美しい絵のようで、心が震え、気がつくと涙が出ていました。
(ただそこに居合わせただけのいち観光客なのですが)
あの時の花嫁さんの笑顔は忘れられません。

大聖堂で頂いた癒しと感動を胸にしまい、次なる場所へ。

丁度お昼時だったので、大聖堂を出てすぐ右手にあったお洒落なレストランAngiol d'Orに寄り道。ラビオリとティラミスを注文。

画像5

人生初のラビオリはモチモチした生地が濃厚なクリームソースと絡み合い美味。
ティラミスは底のビスケット部分に洋酒がしっかり効いていて、こちらも濃厚なクリームとの相性抜群。私には少々甘すぎましたが、イタリアのレストランの割にサイズが小さめだったので丁度良くお腹におさまりました。

お腹を満たして、散策再開。
パルムの僧院に出てくる僧院は残念ながらありませんでしたが、石造りの建物の雰囲気、そこから見える風景、人々…ecc お芝居に生かせそうなエッセンスを少しでも多く吸収するために時間の許す限り歩き回りました。

-町のいたるところにある教会。
みんな当たり前のように足を運び祈りを捧げているのが印象的。
散歩のついでや、涼を求めての人たちも。

-町の中心を流れているパルマ川。

画像6

作品の中にも出てくるので楽しみにしていたのに、まさかの水がなく、草原のようになっていて。。。思わず笑い、すぐに演出家の先生に報告。

-道に迷って地図と睨めっこしていると、話しかけてくれた親切なご婦人。彼女の使う英語がイタリア訛りでほとんど聞きとれず、英語の訛りというのを初めて経験。

他にもスイーツショップやレースのお店、教会が運営するお店などにも立ち寄り、現地の人と触れ合い、パルマを身体いっぱいに感じました。

もちろん、名産の生ハムも!

画像7

ホテルの朝食で出会えた生ハム。
色も綺麗で噛めば噛むほどうま味が出てくる彼は果物との相性抜群。

ここで。。。
朝食はバイキング形式だったのですが
まず、果物がそのままの形で無造作に盛られていたことに驚き。
日本ではあらかじめ食べやすいように丁寧に切ってくれているのでこのままとっちゃっていいものか戸惑いましたが
瑞々しいまま食べられるのと、おとぎ話に出てくる食卓のような見た目に一瞬でこのスタイルの虜になりました。

この新鮮な果物に生ハムがまたちょうどいい塩加減で、この日の朝食だけで思う存分パルマ産の生ハムを堪能しました。

観光客もそれほど多くなく、お店の人も含めてイタリア語しか話せない人が多かったので、地元の雰囲気を少しばかり感じられたパルマ訪問。

勉強でとはいえ、この地を訪れることができて地元の人々に触れられたことによって、イタリアに旅行ではなく住んでみたい地元の人に交じって生活がしてみたいと強く思ったのでした。
この想いが微かにもずーーーっと残っていて、数年先に短期留学という形で叶うのですが…

思いのほかパルマに時間と文字数を使ってしまったので
ひとまず今回はここまで。

留学にいたるまでの前に
残り数日のヴェネツィア、ミラノにもう暫くお付き合いください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
星乃 あんり Twitter/Instagram



いいなと思ったら応援しよう!