『僕らはようやっとる』 - 絵恋ちゃん(2024) 【楽曲感想】
あくまでも一個人の解釈・感想のため、楽曲制作者が意図してる内容と異なる可能性があります。
この記事は2024年4月時点で書いたものです
地下アイドルの絵恋ちゃん作詞
そして絵恋ちゃんの曲を多く手がける中村友則氏作曲のパンクロックであり、アンセム。
1番
イントロが2秒ほどしかないので、曲を聴き始めてすぐにこの言葉が耳に入る。
初っ端からストレートパンチを入れられた気分になる
「パンをかじる」って表現って悔しさとかやるせなさを感じて大好きなんですが
それが“メロンパン”なのが可愛くてとても良いな〜
サビ
ライブでこの部分を聞いた際、絵恋ちゃん歌声がすごく大きくてまっすぐ通る声でめちゃくちゃ衝撃を受けた!
よく絵恋ちゃんはパンクだと揶揄されることが多い印象なのですが、この部分だけでもそれを感じられるのではと思うくらいでした。
絵恋ちゃんが「僕らはようやっとる」と歌った後、オタクのコールアンドレスポンスが入るのも、一体感があって最高だ。
絵恋ちゃんは現在『地方に住んでその地方のアイドルとして活動する』というとんでもないツアーを行なっています。
そんなツアーの大阪編でお披露目され、タイトルを始め歌詞の中にも大阪弁の言い回しが出てくるのですが
関西の女性の一人称でよくある”うち“ではなく”僕“が起用されている点がすごく良いと感じた。
コテコテの大阪弁にすることもできたはず。
関西のパンクロックを歌う兄ちゃんたちが
よく一人称を“俺”でもなく“ワシ”でもなく
”僕“にした曲をよく歌っているイメージがあります。
こんなに力強い音楽を歌っているのに、内面はどこか優しい印象を感じる一人称で、いいよね。(と、私は思う)
落ちサビ/ラスサビ
落ちサビ前にコードがBメジャーからCメジャーへ転調する。(2:54〜)
どこか哀愁や寂しさを感じさせるBメジャーから一変、どこか希望を持てるような、一筋の光を見出せるような、そんな気がしてくるCメジャーで歌われる「僕らはようやっとる」の言葉には、未来の明るさを感じられる。
が、しかし落ちサビが終わるとたった1小節でB♭メジャー(だと思ってる)に転調。
また、また、ラスサビだけほかのサビと違ってコードが下降するようになってないか…?
どこかに見出した希望から一変、今の状況からはどう足掻いても抜け出せないのだと感じてしまった。
この曲は中村さんが作った曲に絵恋ちゃんが歌詞を充てたもの(有料配信での内容のため詳細は書かない)とのことだが、この部分の音楽を最大限生かす歌詞にしている絵恋ちゃん、恐ろしすぎる。なんなんだ
また、違うフレーズならまだしも同じ「僕らはようやっとる」というフレーズで音が微妙に違うという非常にややこしい部分となっている。自分が歌うとなると最初の音があやふやになってしまいそう。絵恋ちゃんはさらっとやっている(ように見えている)ので、ライブで聞くたびにめちゃくちゃすごいなと思う。
自分は「追い詰められているときって、知らない駅ですら仕事してしまうよな…」という解釈をしていたのが
くぴぽのメンバー、うのちゃんが自身のスペース(#ウノチャンスペース)で歌の感想と共に「仕事始めるときってだいたいそうなんだよね」と話しており、非常にしっくりきた。
うのちゃんの解釈を踏まえた上で、
冒頭の歌詞「散る花びらに そうかもなと笑う」を思い出した。
そうか、これは桜の花びらなのかな。
もしそう解釈するのであればこの歌の主人公は今、なんとも消えてしまいたくなるような季節、春にいるのだろう。
新しいことを始めたものの、すでに上手くいっていない主人公。自分と一緒だなあ
この歌を聴いて、改めて思い返す
絵恋ちゃんが書いたコラムの言葉がある。
いつまでも救いがない中でもみんな生きていく、この歌こそ、絵恋ちゃんの目指すしあわせなのではないか?(過大解釈かもね)
曲が終わりに向かうにつれてだんだんボルテージが上がっていく
「僕らはようやっとる」
\ようやっとる/
のコールアンドレスポンスは本当に最高なので
絵恋ちゃんを見たことがない方もぜひとも現場に足を運んで、この一体感を体感してほしい。