ゲーム音楽データの実機or実チップ演奏

昔のゲーム音源を録音する趣味があり、NSFに代表される各種音楽データと実機or実チップで演奏させる方法を色々模索中。
ターゲットは家庭用ゲームであればFC~SFCまで、PCであればFM音源が載ってたあたり。64とかPSあたりになるとまぁPC上で再生しても一緒かなーと思うので…。
基本的にニッチな世界で、まとまった情報が中々ないので現状私の知るところを記録しておきます。
先駆者としては↓があるので、併せて参考にするとよいです。

実際の演奏方法としては、大まかに分けて
 ①実機上で動くプレイヤーをマジコン類で動作させる
 ②実チップを使用した音楽演奏専用ハード上で再生する
のどちらかのパターンになります。


ファミコン

再生するのはNSF形式。
ファミコンは仕様上音源機能だけを分離するのは難しいので、実機演奏するしかない。
TNS-HFCシリーズが手に入れば一番いいんだろうけど、今は入手困難なのでその他の手段を考える必要がある。
拡張音源にこだわり始めると茨の道っぽい。

・EverDriveN8Pro

ProはNSFプレイヤーが機能として入っているのでそれを使う。
N8無印等NSFプレイヤーが無いバージョンでも、単体で動くNSFプレイヤーがなくもないようだが、まぁProを使うのが楽。
拡張音源も内部的にシミュレートして鳴らしてくれるみたいだけど、実チップ演奏という点では内蔵音源のみ対応と考えてよい。

・ディスクシステム

NSF Player FDSを使えばディスクシステム上でNSFが演奏できるので、内蔵音源+ディスク音源を鳴らすことが可能。
ディスクシステム上にデータを持って行く手段は色々あるが、今ならRAMアダプタ+FDSStickでやるのが簡単。ディスクドライブ不要なので省スペース&メンテフリー。
ただしファイルサイズ制限が厳しいので自作NSF以外ではあまり実用性はないかも。

スーパーファミコン

SPC形式。
1ファイル1曲なのが面倒とも言えるし、融通が利いて便利とも言える。
SPCTool等のツールでROMファイルに変換してEverDrive等のマジコン類で再生、というのが一番わかりやすいかと。私は持ってないので特にコメントなし。

・SHVC-SOUNDプレイヤー

SFCの音源チップ+ArduinoでPCから制御する専用プレイヤーを作製する方法。下記リンクの通りです。

SHVC-SOUNDのコネクタが特殊だったり、Arduino使ったり、工作としてはちょっとハードルが高いけど、録音環境としては非常に使いやすいし、実機よりかさばらないのが良いです。

ゲームボーイ

GBS形式。
GBS2GBでGBS→GBファイルに変換して各種マジコン類で実機演奏する。
わりと簡単。

ゲームボーイアドバンス

GSF→GBAに変換してくれるツールがあるのかしら?
ありそうだけど未検証。(わかったら後で書く)

メガドライブ

過去には他の形式もあったが、現在はVGM形式一択。
Sega MegaDrive Vgm PlayerでROMファイルに変換してマジコン類で実機演奏する。
VGM PLAYERは最新版がVer3.42だが、うちの環境ではうまく再生できなかった。Ver3.30で安定して再生できているのでこちらを推奨。
ちなみにメガドラはセガmkIII相当の機能を内包しているので、SMSのPSGを使用したVGMファイルはVGM PLAYERを使用してメガドラ実機上で再生できる。

ゲームギア

現在はSGCという形式が主流みたいだけど、情報不足。
GBS2GBに相当するものがあると嬉しいが…。(わかったら後で書く)
そういやGIMIC(後述)の今後の予定に入ってたので、これを待つのが早い気もする…。

PCエンジン

HES形式。
HESは実質実機動作するバイナリそのものらしいので、そのままマジコン類で実機演奏できる…と思ったら大部分のHESファイルが実機で演奏できず。
(ごく一部動作するものもあるので、間違ってはないっぽいんだけど)
エミュレータ上では想定通りに動作するので、実機との違いが何かしらあるんだろうけど情報が無く、現状手詰まり状態。
情報求む。
ちなみに↓のPCE Visual Music Playerというやつ、HESにオリジナルのプレイヤー機能を付加したもので、これは問題無く実機動作している。

ワンダースワン

WSR形式。
HESと同じくそのまま実機動作するはずが、なぜか実機では再生できないのもHESと同じ。
これも情報求む。

ネオジオポケット

これは全然情報無し。VGMは存在しているっぽいのでやるならこれか。
音源チップの情報が不明だが、音を聴いた感じPSGかDCSGってところ?スペック的には3音+ノイズって感じだからDCSGか?

PC-8801/9801

88/98に限らず、レトロPC系は実機動作環境の確保そのものが難しいので、音が聴きたいだけなのであれば、実チップ演奏ハードを用意するのが現実的かと。
データ形式はVGMまたはS98形式、ターゲットの音源はOPN/OPNA。
ハードは私が持ってる2個をとりあえず書いておきます。

・Re:Birth関連

現状一番入手しやすい実チップ演奏ハードと思われます。(と言っても買える時に買っておかないとわりとすぐ無くなりますが)
マザーボードとなるSPFM LightまたはRESPFMに各音源のドーターボードを付ける構成なので、88/98ならどれかマザーとOPNAモジュールがあればとりあえずOK。
PCから操作してVGM/S98を再生する使い方が基本。

24/5/11追記
24/3に再生産のお知らせが出ていたので、今から実チップ再生機を入手するのであればこちらを待つのが現実的かも。
今更ですが、Re:Birth関連は基本的には組立キットなので、そこそこの工作・はんだ付けの知識・技術が必要になりますのでそこは注意が必要。

・G.I.M.I.C関連

もう一つの比較的入手しやすいハード。金額的には入手しやすいとは言い難いところもあるが、まぁ実機買うことを考えたら安い、と言えなくもない。
マザー+音源モジュールという考え方はRe:Birthの方と同様。
こちらはVGM/S98/MDXのプレイヤー機能を内蔵しており、マザー側のクロックで演奏動作するので、PCやUSBの機嫌によってテンポがヨレたりする心配がないのがよいところ。(プレイヤーの操作自体はPCからするんだけど)

24/5/11追記
G.I.M.I.Cは全て販売終了のお知らせが出ました。私は最終販売を逃してしまったので残念無念。せめてゲームギア音源だけでも欲しかった…。

・その他の実チップ再生機

24/5/11追記
上記2種以外でもFM音源等の実チップ再生機を自作、頒布している人はたまにいて、各種イベントやBOOTHで売ってたりすることもありますが、基本的には商売でやっているものではないので、買えたらラッキー程度に思っておくのがよいと思います。

MSX

MSXは専門じゃないので参考程度に。
OPLL+PSG(AY-3-8910 or YM2149)の組み合わせはRe:BirthでもGIMICでも実現可能。
SCCについては、Re:Birthの対応モジュールがあったっぽいけどもう入手できそうもないので、GIMICのSCC対応モジュールを待つのが吉。

X1

個人的な思い入れがあるので記載。
基本的にはOPMがあればいいのだが、PSG(AY-3-8910 or YM2149)と同時に鳴らしたいこともあるので(ほぼソーサリアンだけだが)実は結構面倒。

X68000

OPMのみであればOPMモジュールがあればOK。
ADPCMも合わせて鳴らす場合は、Re:BirthであればPCM用のモジュール(SPW/SPW2)を使用する…といけそうな気がする(持ってない)
GIMICはStandard以上のマザーであればPCM機能はあるが、X68sound.dll等を経由するソフトでは結局PCMは鳴らせない。(対応ソフトがあるかどうかは確証なし)
GIMIC内蔵のMDXプレイヤーではADPCMも問題無く鳴らすことができるため、X68000の音を楽しむならとりあえずMDXが簡単。
ただ、今確認したら、VGMではなぜかADPCMは鳴らないのね…。ADPCMはPCとか他のデバイスで鳴らしてミキサーから出力、ってのが現実的な解なのかもしれんね。(アーケード系はそれでいけるのも多いかなぁ)

MIDI音源

MT-32系、SC-55系は当時のPCゲームでもよく使われていたので、独断と偏見でターゲットとして認定。
ただまぁ話は簡単で、実機の音は実際のMIDIモジュールがあれば出るので、PCに普通にMIDI接続してPCから直接データを再生するか、各種エミュレータで再生すればよい。たぶんHootでもいける?(未確認)

各種アーケードゲーム

VGM形式で、チップ音源の構成さえ合っていれば原理的には鳴るはず。
(GIMICの場合はクロック設定も必要かも)
まぁめぼしいタイトルは大抵CD音源化されてしまってたりするので、個人的にはあまり興味が沸かないところです。


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