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日本の研究開発力は低下しているのか?-文部科学省『科学技術要覧』-

「知財情報を組織の力に®」をモットーに活動している知財情報コンサルタントの野崎です。

先日「日本のノーベル賞、もう終わり? 研究力低下で激減必至」

という記事(コラム?)が公開されましたが、この記事の中で

引用回数が上位1%の論文でみると顕著です。引用の多い論文は世界の研究者が注目しているからで、急激に回数が伸びた論文はノーベル賞につながる傾向があります。科学技術・学術政策研究所によると、引用数が上位1%(20〜22年の3年間の平均)の論文で、日本は世界12位です。00〜02年は4位で、急速に順位を落としています。

という件があります。

特許分析でも被引用回数を注目度合いの指標として用いることがありますが、もともとこの発想は学術論文の被引用回数に由来しています。

この論文における被引用回数のトレンドを見る際に良い資料が文部科学省の『科学技術要覧』になります。

本記事執筆中の最新版である令和5年版の中から

【1】海外及び日本の科学技術活動の概要の研究成果を見ると・・・・あ、目当てのデータが掲載されていない。。。。

ということで気を取り直して令和4年版の【1】海外及び日本の科学技術活動の概要の研究成果を見ると、

国・地域別論文数、注目度の高い論文数(分数カウント法)

主要国等の臨床医学分野における論文数シェアと被引用数シェアの推移(単年)

などから(臨床医学分野のデータも掲載されています)、日本の論文数および被引用数シェアがこの20年間で激減していることが分かります。

論文だけではなく特許もたくさん出せば良いというものではありませんが、数は力になりますし、量を出すことで質も上がるという側面もあると思います。

日本全体の研究開発力が向上するために、それぞれの立場でできることがありますが、イーパテントとしては分析やコンサルティングでのお手伝い、また各種情報発信を通じて「知財情報を組織の力に®」を実現できればと考えています。

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野崎篤志@イーパテント-知財情報コンサルティング®
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